俺、チー牛じゃないよ……?
まきのかい(ペンネーム:エレメンタル・ド・ジョニー)の作品、「なんで、お前が俺のことを…???」の続編です。あらすじの方に記載してあるので、先にそちらを読むと更に面白く読めると思います。身内のグループで小説リレーを行っています!皆処女作なので、私が投稿しますが、それぞれ1話ごとに著者が違います。ご了承ください!
…………気が付くと俺は辺り一面真っ白な神秘的な空間に居た。俺、エレベーターに乗ってたら、いきなり大量の焼きたてのチーズ牛丼が降ってきて焼死したはずなんだが…?しかも、まるでアニメでよくある女神がいる空間みたい__
「おめでとうございます!」
「うわぁ!?」
いきなり声をかけられてびっくりした…。って…え?…振り返ると、そこにはなんと美少女が!?
と、とりあえずここは自己紹介を…。
「俺は小松原 大誠です。あ、あの貴方は…?」
「私?私は女神だよ?」
「女神ぃ!?」
女神ってあの?ゲームやアニメとかで出てくるやつ?俺は夢でも見ているんじゃないだろうか…。あぁ…、アニメの見すぎで俺、ついにイカれちまったのか……。小さい頃からアニオタゲーマーとして生きて来たから、ついに神様にも呆れられたのか…?
「おーい、大丈夫ー?」
ふむ、でも仮にこれが夢ならゲーム気分でやってもいいし、夢じゃなくても異世界転生だろ?アニオタゲーマーなら誰もが憧れるっ!よし、RPGの基本は情報収集だ。この女神とやらに話を聞いて情報収集するか。
「大丈夫ですよ。で、俺は死んだんですか?」
「死んでないよ?」
「やっぱりか…。じゃあゲームのやりすぎで過労死したのか………え?死んでない?」
「そうだよ?君は死んでない。そして、ここは私の空間、天界だよ。」
いや、ドヤ顔で言うなよ…。てか俺、死んでないのか…。でも、なんで死んでないのにこんな所に連れてこられたんだ?
「天界って……。それで?俺に何の用なんですか?こんな所に呼び出して。さっき、おめでとうございますとか言ってましたけど?」
「あ、そうそう!話が逸れちゃったね!そう…何を隠そう…あなたは女神スゥゲームに見事当選したのです!それもなんと抽選1名様!」
(女神スゥゲーム……?……ぷっ…ださ…笑)
「ちょっと!今失礼なこと考えたでしょ!ダサくないもん!!」
「なっ…心の声が!?」
「ふっふっふー!私は女神でここは私の空間だよ?君の心の声も丸聞こえなのさ!」
「………」
「ちょ、何か反応してよ!」
(あ、こいつあれだわ…めんどくせぇ~)
美少女なのに中身はちょっと残念らしい…。
「だ・か・ら!聞こえてるってのー!…コホン。それはともかく、君は女神スゥゲームに見事当選したの。これから君は快適な異世界ライフが送れます。」
「異世界ライフ?」
「そう!今から君に異世界に転生する権利を与えます。でも、ただ異世界転生するだけじゃつまらないからチート能力を与えてから転生させるね。」
「ちょ、ちょっと待て。異世界ってあの?剣と魔法のファンタジー世界?」
「そうだよ。そこに君をチートを持った無双状態で転生させるの。」
「はぁ…。仮にそうだとして、俺の都合も考えずに、あんたの都合だけで天界まで連れて来て異世界転生させるってのか?それはちょっと虫が良すぎるんじゃないか?」
「うぐっ…。そ、それは…その…。ほ、ほら!アニオタだしゲーマーだし変態だし、一人暮らしで彼女居ないし童貞だから、異世界転生させても大丈夫かなぁーって」
「…………………」
こいつ…言いたい放題だな!この〇ばみたいにお前を連れてくぞ…!…でもまぁ、連れて行っても利点なさそうだし、その通りだから、大人しくチート貰っとくか…。
「で、でも嫌じゃないでしょ?それにお詫びとしてチート能力もあげてるんだからいいじゃない!ほら!これが君の選べるチート能力だよ。」
「よくねーよ。…まぁ、楽しそうだから良いんだけど。んでなになに…?」
くじ引き、くじ引き、くじ引き、くじ引き etc………………ん?
「何でくじ引きしかないんだ?」
「へ?くじ引きだけ…?そ、そんなはずは……ってうそぉ!?こんなことありえるの!?」
「そんなの俺が知るか…。で?くじ引きしか無いからくじ引き選べばいいのか?ってかくじ引きってどんなチート能力なんだ?」
「えっと、くじ引きっていうのは、言わばランダムでチート能力を選ぶってことなの。つまりは選ぶのが大変な人とか、選ぶのめんどくさいからおまかせで~って人向けに作ったやつなのよ。」
「ってことは、俺には自分で選べるチート能力がないってことなのか?」
「あはは……そうなっちゃうね~」
「いや、そうなっちゃうじゃねーよ!」
(嘘だろ……。お詫びに強いチート能力くれるんじゃなかったのかよ!)
「まぁ、心配せずともくじ引きで出る能力も普通に選べるのと同じくらい強いから大丈夫だよ~」
「……本当かよそれ…。」
「本当だよ~!さ!くじ引きしか無いんだしくじ引きしようか!」
「はぁ…。わかったよ。」
「ごそごそ……それっ!」
「なんだ?この箱…」
「その中から引くんだよ!ほら!早く早く!」
なんというか…自由な女神だな…。まぁ、引いてみるか…。強いやつが当たりますようにっ!
うわっ!?なんかめっちゃ光ってる!
箱からいきなりシュィィィィィンンン!という音がし始めた!
「ず、ずいぶん派手な演出だな…。」
「でしょ?それで何が当たったの?」
えっと…なになに…?強奪か…なんか物騒だなー…。…ん?端になんか書いてる?
「……なぁ、これもう一度引けるって書いてあるんだが…もう1回引けるのか?」
「…へ?そんなの入れてたっけ…?まぁ、もう一度引けるって書いてあるんなら引けるんじゃない?てか、何が当たったの?」
「強奪って書いてあったぞ。というか適当すぎるだろ…。ま、もう1回引けるならお得だな」
シュィィィィィンンン!という音と同時にまた光りだした…この演出どうにかならないのか…。
さすがに2回目は驚くどころか飽きるぞ…。
千里眼か…。今度はなんか便利そうなのが来たな…。
…ん?また端っこにもう一度引けるって書いてある…。
「2回目は何が当たったの?」
「千里眼だそうだ。強奪よりは便利そうだな。」
「え゛、千里眼!?き、君、千里眼ってチート能力の中でも超が100個付くくらいレアな能力なんだよ!?後で効果は見れるからその時に教えるけど…。てか!千里眼より強奪だよ!君、さっき千里眼の方が強奪より便利そうって言ったよね?」
「あ、あぁ。確かに言ったが…。何だ?強奪ってそんなにダメな能力なのか?」
「逆だよ逆!むしろめちゃくちゃいいの!千里眼よりも更にレアなんだよ!?」
千里眼に超が100個付くくらいレアなのに強奪はそれよりも上なのか…。よく分からん…。
「ともかく、能力に関しては後でステータス作った時に説明するから。じゃ、次はステータス作成だね~って言っても作成するのは私だし故意に変えれるわけじゃないんだけどね~」
「ん?何言ってるんだ?まだくじ引き終わってないぞ?」
「…へ?」
「いやほら、端っこにもう一度引けるって書いてあるんだが…?」
「えぇぇぇ!?ほんとにぃ!?」
「この状況で嘘も何もないだろ…。とにかく引いていいんだな?」
「う、うん…。書いてあるんだから引いてもいいよ…」
「じゃ、遠慮なく…ほいっと」
シュィィィィィンンン!
……うん、3回目はさすがに飽きたわ…。
「えーっと、神識別?何だこれ?」
「何で君はそうレア能力を軽々と……もう驚かないよ…。」
「いや、俺も引きたくて引いてるわけじゃないんだが…。…これもレアなのか?」
「うん。強奪よりは落ちるけど千里眼と同じくらいレアだね。」
マジか…。ってか俺こんなにレアなのバンバンだして大丈夫なのか…?…ん?端っこに何か…まさかこれ…。
「じゃあ3回目も終わったしそろそろステータス作成に…ってどうしたの?…まさかとは思うけど…。」
「……そのまさかだ。4回目が引けるらしい…」
「うそぉ!?」
いや驚かないんじゃ無かったのかよ…。
そしてこの後、案の定 "もう一度" が連発し………俺は合計で7回くじを引いた…。
「次は……さすがに書いてないな…。ちょっと惜しい気もするがこれで終わりだ。次はステータス作成だったか?」
「い、いやいや!こんなに能力持ったまま転生した人とか神歴史上誰もいないからね!?世界を救う役目を担う勇者ですら3つだよ!?」
「そ、そうなのか…?」
あれ?俺ってもしかして凄く強い?
「8回目はさすがにもうないでしょ?」
「あぁ、さすがにな…。じゃあステータス作成を頼む。」
「おっけー!じゃ、ステータス作成するよ!そいっ!」
女神が出すかけ声じゃないと思うんだが…。
…お、なんか俺の体が光り始めた?
「そのままステータスオープンって言ってみて?」
「…ステータスオープン」
うぉ!なんか出てきた。
「それが君のステータスだよ。ちなみに心の中でステータスオープンって念じても出てくるよー」
なるほど、念じても出てくるのか…。戦闘中とかに便利そうだな。…そして、俺のステータスか。正直すごく気になる…。一体どんな感じなんだ…?
♂ 小松原 大誠 (--) 種族: 人間(転生者)
ーーーーー年 ー月ー日 ーー:ーー
称号1『ーーー』
称号2『ーーー』
二つ名「ーーーーー」
ギルド認定RANK: ー
冒険者ランク:ー (BP: ー/ー pts)
本職業:ーーー Lv.ー (EXP: ーーー/ーーー)
副職業:ーーー Lv.ー (EXP: ーーー/ーーーー)
Lv.0 (EXP: ーーー/ーーー)
HP 0/0
MP 0/0
筋力 ---
物攻 ---
魔攻 ---
魔力 ---
物耐 ---
魔耐 ---
敏捷 ---
運 ---
器用 ---
精神力 ---
持久力 ---
体力 ---
知力 ---
<異能>
ーーー
<天恵>
【強奪】 Lv.0
【千里眼】 Lv.0
【神識別】 Lv.0
【無限収納】 Lv.0
【聞き耳】 Lv.0
【焼きチーズ牛丼】 Lv.---
【3色チーズ牛丼特盛 温玉付きでお願いします】 Lv.---
<スキル>所持スキルポイント 0 pts
武術系
ーーー
魔術系
ーーー
身体系
ーーー
技術系
ーーー
その他
ーーー
<武技>
ーーー
<魔術>
ーーー
<装備>
主武器:ーーーーーーーーーーーーーーー
副武器:ーーーーーーーーーーーーーーー
盾:ーーーーーーーーーーーーーーーーー
頭:ーーーーーーーーーーーーーーーーー
体:ーーーーーーーーーーーーーーーーー
腕(右):ーーーーーーーーーーーーーーー
腕(左):ーーーーーーーーーーーーーーー
手(右):ーーーーーーーーーーーーーーー
手(左):ーーーーーーーーーーーーーーー
足:ーーーーーーーーーーーーーーーーー
靴:ーーーーーーーーーーーーーーーーー
アクセサリー1:ーーーーーーーーーーー
アクセサリー2:ーーーーーーーーーーー
<アイテムポーチ>
ーーー
<所持金>
0 鉄貨
0 銅貨
0 大銅貨
0 銀貨
0 金貨
0 白金貨
0 王金貨
0 光金貨
<所持称号>
転生者、チーズ牛丼
うおおおお!なんかすごい!ゲームみたいだ!……けど、ほとんどの項目が空欄…?
「ほとんど空欄なんだが大丈夫なのか?というかHP0って死んでるんじゃ?」
「そりゃまあここは天界だからね~実体が無いからHPが0なんだよー」
「なるほど。」
てか、この所持金ってわざわざ書かなくても良かったんじゃ?
「あ、そうそう。所持金は見やすいかなーって思って善意で付け足しただけだから嫌なら外しておくよ?」
うぉっ!心を読まれたのかと思った…。
「いや、便利そうだから残しといてくれ。」
「はーい。それじゃ、能力の説明するね。って言っても、ステータスウィンドウは向こうの世界に適応させてて、ほぼ共通だから説明するのは天恵だけだけどね~」
「それ、ただめんどくさいだけなんじゃ…」
「ん?何か言った?」
「い、イエ…ナンデモナイデス…。」
「ふーん?で、説明に入るけど、天恵ってのはさっき君がくじ引きでバンバン出したチート能力の事。能力の内容はステータスウィンドウを開いた状態で、知りたい能力を念じてみて?」
「ね、念じる?…こうか?」
む、天恵の横になにか出てきた。
「そうそう!そこに効果とか内容が書いてあるから読んでみて!」
えっと…。
【強奪】・・・2m以内にいる対象者からスキルを奪うことができる。死体や欠損部位からは奪えない。奪ったスキルは強制でLv1になる。奪ったスキルが同一の場合はポイントとして扱われ、各スキルの経験値に変換可能。
【千里眼】・・・半径10mの範囲にあるもの全てを表示する。
【神識別】・・・スキル【識別】の神位互換。神の力により全ての識別が可能になる。【千里眼】と組み合わせて使える。【千里眼】と組み合わせて使うことにより、範囲内のもののステータスが全て閲覧可能になる。
【無限収納】・・・EXスキル【有限収納】の神位互換。神の力によりどんなものでも無限に収納できる。ただし、生きているものは収納不可。
【聞き耳】・・・周囲の音を聞き取りやすくなる。レベルが上がるほど効果上昇。また、大誠の場合はくじ引きを引く前から所持していた為ランクが上がっており、可愛い女の子の声だけ特出して聞き取ることも出来る。
【焼きチーズ牛丼】・・・エレベーターに乗った時のみ、自分に対して焼きチーズ牛丼を降らせることが出来る。大誠は、実際に自身の体で体験した為、3食分降らせることが可能。また、極稀にネギたま牛丼を降らせることも出来る。
【3色チーズ牛丼特盛 温玉付きでお願いします】・・・称号欄にチーズ牛丼が追加され、転生後も自分の顔がチー牛になる。
…とこれで天恵の説明は終わりだ。…そして俺はふと思った…。
(これ、もしかしなくても最強チート勢揃いじゃねーか!!)
「そうだよ…。だから勇者でもないのに君みたいなのは初めて見たって言ってるんだよ…。」
「い、いくら何でも…これは最強過ぎじゃないか?」
「まぁ、チート能力渡してる時点であっちの世界だと1個でもすごい方だよ。さ、説明も終わったことだしさっそく転生するよ!」
「い、いや待て待て。天恵はさっき引いたやつとして、この異能ってのは何なんだ?」
「天恵は神の力で手に入れた神の恩恵だけど、異能は自分の力で手に入れた神の恩恵だよ。まぁ、その分入手や覚醒は困難だけどね~」
「でも、俺の異能の欄、空欄じゃなくてハテナになってるぞ?」
「じゃあ近々覚醒するってことじゃない?幾ら私が女神と言っても、自分で覚醒するのはわからないからねぇ…。異能って私が与える能力じゃないし。強力かもしれないし、非力かもしれない。そこまではわからないんだよ。」
「そうなのか…。」
「よし、とりあえず説明も終わったし転生させるね?」
「あぁ、頼む。」
「それじゃあいくよ!【神力転生】!」
スゥが叫ぶと同時に俺の体が輝き始めた。
…体が輝きながら透けていく…?というか意識も薄れて…………
「貴方が良い異世界ライフが送れますように。…私を楽しませてね」
…そんなスゥの呟きを聞きながら…俺は意識を手放した。
第0章 ー完ー
連載小説なので不定期ですが、続きを投稿する予定です!リレー小説ですので1話ごとに著者が違います!良ければ高評価お願いします!