9.お風呂に入りましたよ?
お風呂から上がった後はご飯です!
きゅぅ~~~
「はうっ」
そろそろ上がろうという事で、脱衣所で体を拭いていてもらっていたのですが、お腹が鳴ってしまいました。
「あらあら、そうね、治療の間は何も食べていなかったものね、まってて、すぐ作ってくるわ」
とサリナさんが急いで服を着て脱衣所を出て行きました。
その後はお姉ちゃんとシルヴィアさんが私のお世話をしてくれ、体を拭いてもらった後に新しいバスローブを着せられ、浮遊椅子に再び乗せてもらってテーブルのあるダイニングの様なお部屋に連れて来られました。
そこでご飯が出来て来るまで今後の予定を聞かされました。
「とりあえずね、しばらくはこちらの生活に慣れるのと、言葉を中心にね、勉強をしないとだめだと思うのよ?」
「勉強、ですか?」
「今はみんな日本語で会話をしているけどね、こちらでは銀河標準語と言うのが使われているのよ?おちびちゃん、判らないでしょう?」
「そう、ですね。というか、今気が付いたけど皆さん何で日本語が?」
「おちびちゃんが困るから勉強した」
「そ、そうなんですか?わざわざ私のためにすみません」
「おちびちゃんはね、気にしなくていいのよ?それでね、今後こちらで生活するには、銀河標準語が判らないと困ると思うのよ?」
「そうですね。でも、わたし英語も苦手だったんだけど、大丈夫ですかね?」
「そこはね、あまり心配しなくていいと思うのよ?睡眠学習装置もあるし、常に周りが銀河標準語で話せばすぐに覚えられると思うのよ?」
「あー、その言葉の中で生活していれば覚えるのが早いってやつですか?」
「そうね、その言葉しか聞いていなければ、必然的に覚えると思うのよ?」
「後、睡眠学習装置、ですか?なんかすごそうですけど、そんなものがこっちにはあるのですか?」
「おちびちゃん?わたし達はもう家族なんだから、言葉遣いはもっと砕けた感じでいいのよ?」
「あー、うん。気をつけま…てみる」
「それで、睡眠学習装置だったわね。もっとも、それを使ったらすぐに全部覚えられる、という訳では無いのよ?あくまでも物事を覚える手助けをしてくれる、だけかしらね?その覚えたことを自分の物にするには、やっぱり勉強は必要なのよ?」
「なるほど、そうなんです…だ。でも、覚えるのが楽になるなら、勉強自体も楽そうだね」
「そうね、楽だと、良いわね?」
「安心して、わたしとサリナで付きっきりで教える。判らない所は何度でも」
「よ、よろしくお願いします」
そんな会話をしていると、とてもいい匂いがしてきた。
「おまたせー、できたわよ~、いっぱい食べてね!」
そうしてサリナさんが湯気の出るお鍋をワゴンに乗せて運んできた。
「さぁ、胃に優しい物を作ってきたから、遠慮なくたくさん食べてね!」
そう言って食器によそわれたのは、いい匂いのするおかゆの様なものだった。
「うわ、美味しそぉ~、いただきまーすっ」
さっそく食べてみたが、チーズの味がするので、おかゆではなくリゾットだろうか?
一口食べると胃の辺りがほんわか暖かくなって、その温かさが全身に染み渡るように広がった。
自然と顔も緩んでくるのが分かる。ここまで美味しい物はここ何年も食べた記憶が無かった。
「おいしぃ~~~」
思わずそう口に出てしまったが、三人はその言葉を聞いてこちらに微笑みかけてきた。
これが、家族の団欒なのかな?などと思いつつ、幸せ毎かみしめる様にそのリゾットを食べた。
お腹いっぱいになるまで食べた後、今度はお手洗いに行きたくなってきた。
今着けている貞操帯が謎空間にポイしてくれる優れものとは言え、さすがに用を足すのはお手洗いでしたい。
なので、お手洗いに行きたい旨を伝えると
「そのまましても、大丈夫なのよ?」
とお姉ちゃんが恐ろしい事を言って来たけれど、さすがにここでする気は無いので思わず
「え?」
と言ってしまった。
するとなぜか三人そろって
「え?」
「え?」
「え?」
との回答が!なんで?どうして!?
「いやいや、さすがにそれは……というか、なんで三人とも「何言ってるのこの人?」みたいな顔でこっち見るの?」
「その貞操帯をつけていれば、何処でしても大丈夫なのよ?オムツみたく交換の必要もないし?そのまましちゃってもね、お手洗いで用を足して、拭いたり流したり、もろもろすませた状態なのよ?」
「いやいやいやいや、たとえそうだとしても、お手洗い行く余裕あるならお手洗いでしたいよ?オムツしてても、お手洗い行けるなら行くよね?」
と言った所、サリナさんが
「それじゃ私が連れて行くわね~」
といい、浮遊椅子を押してお手洗いまで連れて行ってくれた。
「ここがお手洗いね?一応おちびちゃんが使いやす用に改良してあるから安心して使ってね?」
そこには、どう見ても日本の多目的トイレよりもはるかに機能性に富んでいるお手洗いがあった。
「とりあえず便座に座らせてあげれば、あとは一人で出来るかな?」
とサリナさんに言われたのですが
「あ、座るのも一人で……」
「だめよ、転んで怪我したりしたら大変じゃない、その辺はちゃんとサポートします!」
「あ、それじゃお願いします」
お言葉に甘えて、便座に座らせてもらった。
「それじゃ、出て待ってるから用が済んだら横のボタン押して呼んでね」
そう言ってサリナさんは個室から出て行きました。
「さてと、まずはパンツを、穿いてなかった……」
「あ、貞操帯はずした方が良いかな?とりあえず初めてだし、ちょっと怖いからはずそっと。えっと、ここを左右に引っ張って…引っ張って……あれ?外れない?え?ちょっ、えぇぇぇ」
「うごごごごご、お腹との間に指も入らないし、これどやってはずすの?え?え?……とりあえずサリナさんを呼んで教えてもらおう」
これ押せばいいんだっけ?ぽちっと
キンコーン
「おわったー?」
「えっと、その、実はまだで。貞操帯を外してしようと思ったんだけど、外し方が分からなくて……」
「ん?着けたままでも大丈夫なんだけど、外すの?」
「一応はずせるなら外した方が良いのかなって」
「そっか。んっと、この前の所をこうやってひっぱると……(パカッ)て感じで外れるから」
「えぇぇぇ、さっきそうやって外れなかったのにー」
「そうなの?それじゃつけるからもう一回やってみて?」
そういって、せっかく外れた貞操帯をもう一度付けなおされちゃいました。 なのでもう一度自分で外すのに挑戦です!
「えっと、ここをこう、こう…こう……外れないんですけどー?」
「あらー?どうしてだろ?ちょっとまっててね?ファセット様呼んでくるわ」