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47.お引越ししますよ?

昨夜23時に投稿しましたので、まだの方はそちらからどうぞ



 ゲームの方も何やら騒がしくてまともにプレイ出来そうにないので、しばらくはゲームはお休みして引っ越しと試験対策をメインにしようという事になりました。


 といっても、引っ越しに関してはわたしは特にやることは無いそうなので、宇宙船の試験というかライセンス対策がメインになるそうです。


 免許に関しては以前おこなった模擬試験の結果が良好だったため、いまさら特に何か対策を行うという必要はないそうです。


 ライセンスの方は、どうやらルースを使ってのエンジンコントロール(トラブル含む)などが試験内容にあるらしく、ルースの制御に関してはやっていたのですが、そちらは今まであまりやっていなかったため、主にそちら方面の対処の対策をしましょうと言う事になりました。


 ゲーム内の宇宙船はルース関係なしに操縦できるからね、今後はゲームではなく、本物の宇宙船のシミュレーターを使って練習するのだそうです。



 そんな感じで宇宙船のシミュレータを使った訓練を始めて一週間がたったのですが。


「サリナさん、もしかして私で遊んでない?」


 わたしがそう言うと、サリナさんは横の画面を見るためかそっと目をそらしつつ


「そんな事はない」


 と言ってきました。


「でも、いつもトラブル満載ですよね?」


 とさらに言ってみるとあからさまに目をそらしつつ


「特殊の試験はこういう物」


 と言ってきました。そこまであからさまに目をそらしてそう言われても……ちょっとそのセリフ、もう一回私の目を見ながら言ってもらえませんかね?


「過去の試験であったどんなトラブルでも難なくこなすから、つい楽しくなって思いつくトラブルや実際にあったトラブルを片っ端からやってみた。反省も後悔もしていない」


 そんなどこぞで聞いたようなセリフをいつものきりっとしたお顔で言われると、反論し辛くなりますよ?


「安心して、実際の試験ではここまで連続したトラブルはさすがに無いから」


 ですよねぇ、さすがにおかしいと思ったんですよ?


「こんなにトラブル続きになる宇宙船だと、そもそも宇宙に出るのがおかしいよね?」


 そういうとサリナさんから


「でも、その事に一週間も気が付かないおちびちゃんもどうかと思うわよー?」


 え?一週間気が付かない私もおかしい?


「そう、普通は途中であきらめる」


 そんなこと言っても誰も止めなかったですし?こういう物なのかなーと……


「なんにしても、ここまでいろんなことに対処可能なら特殊ライセンスも問題なく受かると思うわよ」


「私もそう思う」


 などとお二人から実際の宇宙船の操縦に関しても太鼓判をもらったわけですが、やっぱり睡眠学習ってすごい!


 いやぁ、何度も教科書を読み返したりして覚えなくていいって、これこそ究極のチートなんじゃないかと思います!



 そして、こちらに来て約六ヶ月暮らしたお屋敷に別れを告げて、とうとう本物の宇宙船に乗る日が来ました。


 ちなみに、私の使用していた端末は置いていくそうです。


 何でも向こうに行ったらまた新しいのを買ってくれるんだそうで……今あるのでいいですよと言ったのですが、あれはこっちに戻ってきた時に使うでしょうとの事でした。


「またこのお家に戻ってこれるの?やったー!」


 と喜ぶと


「ここはもうおちびちゃんの実家なんだから、いつでも帰ってきていいのよ?」


 とお姉ちゃんに言われ、ホロッと来てしまいました。


 ここはもう私の新しい実家だよね!



 そして、宇宙船の中や、向こうに行ってからお屋敷での私のお世話のサポートや護衛などをしてくれる方がいるという事で、その方たちの紹介を受けました。


 その数何と30名!


 内訳は男性が10名に女性が20名で、男性は主に屋敷の警護や屋敷の外回りのお世話担当


 女性は屋敷への来客の対応や屋敷内のお掃除などの他、わたしの身の回りのお世話および身辺警護を担当してくれる方もいるそうです。


「護衛が必要になるような環境なの?」


 とちょっと心配になって聞いてみた所、一応私の立場は貴族のようなものになるらしく、そのため身辺警護はその立場上必要なため諦めてほしいと言われました。


 そう言われてしまうと断れないですよね。


 ちなみに、男性は全員スーツ姿で、半分の方が筋肉ムキムキのいかにもって感じの方で、残り半分の方は執事といった感じの雰囲気の方たちでした。


 なんでも、警護などをするには見た目も大事なのだとか。


 女性は皆さんクラシックタイプのメイド服姿で、半分くらいの方はなんとなーく、もしかして強いのかも?という感じでこの人達が身辺警護を担当するのかな?


 残り半分の方たちはどうみても普通のメイドさんて感じでした。


 女性で身辺警護するのは全員では無くてごく一部の方だけなんでしょうかね?それとも近くにいるという事が身辺警護になるってことなんですかね?


 まぁ、これだけ人数がいるわけだし、全員が身辺警護をするわけじゃないですよね。


 そんな皆さんを代表して女性の一人から挨拶をされました。


「今後知美様の近くでお世話をさせていただくお傍御用隊リーダーのフィナと申します。何かご要望等ありましたら遠慮なくお申し付けくださいませ」


 と、きりっとした表情にビシッとアップに髪をまとめて眼鏡をかけた方から綺麗なお辞儀をしつつ言われました。


 見た感じちょっと神経質な雰囲気の方なのですが、なんとなく某ダイヤモンドプリンセスをいじめていたどこかの女学院の院長先生を思い出してしまいました。


 もっともこちらの方がはるかに若く美人さんなんですけどね、きっと責任感の強い方なんでしょうね!


 まぁ、あれですね。あまり無茶を言うのはやめようと心に誓いました。


 でもね、出来れば今まで通りサリナさんやシルヴィアさんに近くにいてほしいなーと思いつつお二人の顔をちらりと見てみると、私の思っていることが分かったのか


「大丈夫、これからも私たちは常に側にいる」


「心配しなくてもわたし達は今まで通りよ?そのほかにサポートとしてここの皆が付く感じだからね?」


 といわれ、ホッとしました。


 他の女性の方たちは、精悍な顔つきというか近寄りがたいきつめの表情をした方や、武道をたしなんでるのかな?といった、ちょっと近寄りがたい雰囲気をした方もいらっしゃいました。


 それとは逆に、どうみても癒し系なほんわかした雰囲気の方も何人かいました。


 そんな中特に目立ったのは金色の目をした猫のような雰囲気の方で、落ち着きが無いのかきょろきょろしては隣の方に肘でつつかれてました。



 最後に皆さんに対してお姉ちゃんから私が極度の男性恐怖症であることも告げられ、男性の方は必要以上に私に近づかないように、また来客に関しても十分注意するように通達されていました。


 その時の皆様方の表情なのですが、女性の方たちは明らかに嬉しそうに、そして男性人はあからさまに落ち込んだ表情をしていました。


 こちらとしても申し訳ないのですがやっぱり男性はちょっと怖いのでね、お世話になる立場なのに申し訳ないですがある意味特殊体質なので勘弁していただきたいです。


 無論、わたしも無暗に男性の方を邪険にしたり無意味に怖がったりするつもりは無いですよ?



 そしていよいよお屋敷を出発となるのですが、真っ黒のリムジンに乗り、それで宇宙港まで行ってそこで目的の惑星まで移動するお姉ちゃんの専用船に乗るのだそうです。


 実は私、お屋敷の敷地の外に出るのは初めてなんですよね。なので内心密かにわくわくしているのはみんなには内緒ですよ?


 なんでも、移動に使用するリムジンは今後私専用になるようで、その話を最初に聞いた時はとてもびっくりしたのですが、実はある特殊な改造が施された車だったのです。


 その改造というのは、私が浮遊椅子のまま乗り込めるように入り口周りが広く開く仕様になっていて中のシートも後部シートの真ん中が無いのです!


 どういうことかというと、その開いた部分に浮遊椅子がすっぽりと収まり床と固定されるようになっていたのです。


 これじゃ窓に近づいて外を見れないよ!しょぼーん……


 私がしょんぼりしていると、私の右側に座っていたお姉ちゃんが膝の上をポンポン叩いて


「くる?」


 と言ってくれたので遠慮なくお膝の上に乗せてもらい、窓の外を眺めながら宇宙港までドライブしました。


 初めてみるこの星の景色でしたが、自然が沢山ある星でした!もっとも、人工物は道路以外全く見えず、むしろ自然しかないとも言えましたが……


 ここって、どういう星なのでしょうか?そういえば詳しく聞いた事なかったですね。


 そこで、移動中の暇つぶしもかねて聞いてみた所、どうやらこの惑星は地球でいう保養地のような感じの惑星だそうで、開発されているのは空港のある周辺が少しで、そのほかには空港から程よく離れた位置にいくつかのお屋敷がある程度なのだそうです。


 ちなみに、この星の地上に降りてくるにはすごく厳重なチェックを受けなければならないらしく、セキュリティーは宇宙でも屈指なのだそうです。


 それで今までお屋敷内でほとんど人を見なかったのですね!


 そんなすごいセキュリティの惑星上での移動の最中でも、この車の前と後ろには数台ずつの護衛の方たちの車が走っているのを見ると、如何にお姉ちゃんが重要人物なのかが判りますね!



 そしてやってきました宇宙港!一度降りてから日本でいう空港での搭乗手続きのようなものをするのかと思いきや、車でそのままゲートを通ってこれから乗ると思われる宇宙船のそばまでやって来て、そのまま真っ白な宇宙船の格納庫と思われるところに車のまま入っていきました。


 専用宇宙船を持つというのはこういう事なのですね?ちょっと庶民の私には想像がつかない状況でした。


 この後の行動として、お部屋で休むか外の見える所に行くか聞かれたので、せっかくのリアル初宇宙旅行なのでぜひ大気圏突破を見たいと思い、外の見える所を希望したところ、艦橋に案内されてしまいました。


 ちなみにこの船には第一艦橋と第二艦橋があるらしく、第一艦橋は窓から肉眼で外が見れるようになっていて、第二艦橋は船の中心に近い所にあり、そちらは窓が無く、もし戦闘などになる場合は第二艦橋をメインに使うのだそうです。


 もちろん、今回は外を見るのが主目的なので第一艦橋に連れてきてもらえました。



 それじゃ、はじめての宇宙に向けてしゅっぱーつ!



第一章である準備期間編がこれで終わりです。


第二章については構想はあるのですが、想像以上に評価やブックマーク、コメントがもらえずモチベーションを維持できないため書くかどうかは現在未定です。


コメントや評価、ブックマーク等していただけると嬉しいです。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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