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44.表彰式は疲れましたよ?



 昨日は大会の後に表彰式に出てかなり疲れたけど、今日も今日とて依頼を頑張りましょう。



 というわけでログインです!



 えーっと、何が起こっているのかよく判らないのですが、ログインしてすぐにメールの確認をしたのですけど1万件を超えるメールとか、スパムでも着ているのですかね?


 ザーッと古い方から順に十数件ほどの件名と差出人を見てみたのですが、運営から来るのはまだわかりますけど、その他に全然知らない人からもいっぱい来てるんですけど、何事でしょうか?


 件名を見るとチームへの勧誘だの連絡乞うだの不正許すまじだのと、様々です。昨日の大会の影響なのでしょうか?


 今までは運営からたまに来るだけだったのですけどね?


 なぜ急に知らない人から大量にメールが来るようになったのでしょうか?シルヴィアさんに聞いてみましょうか。


「ねーねー、シルヴィアさん、急にメールがいっぱい来てるんだけどこれどうしたらいいの?」


「メールがいっぱい?おちびちゃんセキュリティ設定レベル変えた?」


「んー?」


 あー、なるほど。アバターのセキュリティ設定をいじった時にフレ以外からのメールの受信も一緒にONになっちゃってたのかー。


「メールの設定のここをこう変える」


 なるほど、受信範囲設定をこれにすればいいのね?


「あとは、検索で運慶関係と組合関係をピックアップして……」


 なるほど、必要と思われる差出人をピックアップして別フォルダに一度移してしまうんですね!


 で、残りはゴミ箱にポイでいいと。


 おー、残りメール数が5件になった!


「ありがとー」


 ゲームの運営からの内容はっと、大会優勝に対するお祝いメールと、昨日一日の動画のアクセス数とそれに伴って振り込まれる金額の確認メールかぁ。


 うわ、すごい金額になってるー。


 大会運営チームからのは、同じく優勝お祝いメールと。


 冒険者組合からも、本部からお祝いメールと。


 最後の一件はっと、ん?これ何処の組合だろ?あー、最初に登録した所かー。


 なになに、お祝いの言葉の後に


「ゲーム開始時に登録した支部には愛着があるでしょう?なので戻って来い?」


 いやいや、愛着も何もありませんよー?むしろ登録したのが今いるのと違う所だった事自体すっぱり忘れてたわ。


 これは無視でいっかな?いちおう組合関連だし、後で何かあった時のためにメールだけは残しておきますかー。


 うーん、それにしても戻って来いとか、組合同士で何かあるんですかね?


 あ、自分の組合に大会優勝者とかがいると組合の中での地位が上がる?


 え、これゲームなのにそういうのあるの?


 あー、そういう所は一応現実の冒険者組合に準拠したシステムになってるんだ。


 そういえば冒険者組合の係の人は中の人がいて本当の冒険者組合の人の研修も兼ねてるんだっけか?


 まぁ、あんなことがあったのに大会に優勝したから戻って来いって言われてもねぇ、普通戻らないよねぇ。


 さて、それじゃ依頼探しにいこっか。



「うわ、人多いー、めっちゃ見られてるー気がするー」


「気がするんじゃなくて、見られてる」


 え?実際に見られてる?


「おちびちゃん、現実逃避したくなる気持ちはわかるけどね?」


「現実逃避しちゃダメ?」


 ダメですかそうですか。


 よし、気が付かれ無いようにさささっと、無理ですかそうですか。


「すいませーん、前通してくださーい」


「お、ちびっこじゃね?」

「ほんとだちっちゃーい、かーわーいーいー」

「ほう、この子がねぇ」


 えーん、人が集まって来ちゃって進めないよぉ。


「どうおちびちゃん、ぜひうちのチームに入らない?」


「ごめんなさい、今のチームが居心地良いのでそういうのは一切お断りしています」


「ちびっこ、是非俺もチームに入れてくれ!」


「すみません、チームメンバー募集していません」


「おい、お前の船を俺に譲れ!」


「船を譲れ?いえいえ、まだ使うので無理ですねー」


「メールの返事をくれ」


「すみません、フレ以外からのメールは受け取らないようにしてますー」


「フレ登録してくれませんか?」


「すみません、よく知らない人とフレ登録しちゃいけないって言われてますー」


「俺様ちゃんの誘いになぜ乗ってこないんだ!」


「すいません、お誘い自体知りませんー」


「メールしただろう!」


「先ほども言いましたようにフレ以外からのメールはお断りしています」


「俺様ちゃんが誘ってるのに無視するのは何事だ!」


「そういわれましてもこちらとしても困ります」


(おいおい、俺様ちゃんがからみだしたぞ)

(うわ、俺様ちゃん来てたのかよ)

(あーあ、ああなるとあいつしつこいからなぁ)

(おちびちゃんの泣き顔が見れるかも……グビリ)

(お近づきになりたいのはわかるけどなぁ、あのいい方わないわー)


「優勝したんだから俺様ちゃんのチームに入らないのはおかしい!むしろそっちから入れてくださいとお願いに来るところだろうが!」


「ちょっと言ってる意味が分からないですね」


「良いから今すぐ俺様ちゃんのチームに入ってチームに貢献しろ!」


「いえいえ、すいませんがお断りさせていただきます」


 この会話の通用しなさは、以前遭難していた方でしょうか?それともこういう方多いんですかね?


「俺様ちゃんの誘いを断るならこのゲームを続けられなくしてやるぞ!」


「えーっと、警備員さーん、この人何とかしてくださーい」


「おちびちゃん、この機能を使う」


 あ、シルヴィアさん、この機能を使うと良いんですか?この人を指定して、こうですか?


 おぉ、先ほどの方が見えなくなりましたー。


 あ、迷惑ユーザ対策機能なんですね、ブラックリストですか、こんな機能があったのですね。


(お、おちびちゃんが俺様ちゃんに反応しなくなった。あの感じだとブラリ入れたな)

(ぷぷぷ、俺様ちゃんブラリ入れられてやんの)

(むしろ今更って感じ?俺は面白いからブラリ入れてないけどな)

(まぁ、傍から見る分には面白いわな)

(てかあいつ脅迫してなかったか?とうとう俺様ちゃんにBAN来るか!?)

(あぁ、おちびちゃんが警備員呼んだことでGMコールになったしな、その後俺様ちゃんの姿を……)

(面白い人を無くしました、ちーん)


「すいませーん、依頼カウンターに行きたいのですが、通してもらえませんかー?」


「おう、すまんな、今どけるわ」


「どうぞー」


 ふえぇぇ、前を開けてくれる優しい人はいるんだけど、空いた場所にすぐ別の人が来ちゃうよぉ。



「うーん、これ今日はゲームにならないですねぇ。仕方ない、今日はあきらめて落ちましょうか」



 というわけで、ゲームをやらずにログアウトしてしまいました。しょぼーん


「おちびちゃん、今日は早いのね?」


「うんー、なんか注目されまくりでゲームにならないからやめたのー」


「そうなの?それなら丁度良いわ、ちょっとお話があるのよ?」


「お話?なにー?」


「えっとね、近い内にお引越しをね、しようと思うのだけどいいかしら?」


「お引越し?この家から出ないといけないの?」


 せっかく慣れ親しんだ家なのでね、ちょっと悲しくなりますね。


 あ、おじいちゃんの家を出たときの事を思い出してしまってちょっと目からよだれが…


「あらあら、泣かないで?お引越しと言っても来年から中等部に行くでしょ?そのためなのよ?


「ちゅ、ちゅうとうぶ?」


 一度流れ始めるとなかなか止まってくれないのですが、お姉ちゃんがギュッとしてくれたので何とか悪化はせずに済みそうです。


「そうよ、中等部に通うのにね、別の星に行くのよ?この星には中等部が無いのよ?なので、中等部のある星にお引越しするのよ?」


「そうなの?じゃ、このおうちは?」


「ここはこのままよ?戻って来たくなったら、いつでも戻ってこれるのよ?」


「そっか、よかった」


 この家を売るとかではないのですね、よかったですー


 話を詳しく聞いてみた所、行き先はチェリエ皇国という国の首都のある惑星なんだそうです。


 チェリエ皇国は国民の気質が比較的穏やかなのだそうで、学校に行くにも生活するにもちょうど良いだろうとの事でした。


 もちろん、穏やかというのはあくまでも各国を比べての話であって、中にはそうでない人も当然いるようで身の回りに気を付けるに越したことはないそうですが。


 地球でいう日本と外国の違いみたいな感じなのでしょうかね?


 あと、宇宙船の免許やライセンスについても、その首都惑星で受けることが出来るらしいのでついでに受けてみようという事になりました。


 わたし、こちらの年齢でまだ11歳なんですけどいいんですかね?あ、9歳以上なら保護者の許可があれば受けられる?そうですか。


「保護者の許可って、わたしは誰にもらえばいいの?


 と聞いたところお姉ちゃんがすごく悲しそうな顔をして


「わたしよ?嫌だった?」


 と言ってきました。


「そ、そんな事ないよ!ただ誰に許可を取ればいいのかなーって思っただけだよ?」


 と言っておきました。ちょっと失敗しましたかね?


「それじゃ、おちびちゃんも支度を……する必要ないわね?」


「んー、持って行くお洋服まとめたり、端末を持って行く用意したり、お部屋のお掃除したり?」


「その辺は、サリナが全部やっちゃうと思うわ?」


「そっか、じゃ私がやることは無いの…かな?」


「そうね、お引越しするって事だけ覚えておいてくれればいいと思うのよ?」


「わかったー、それでいつお引越しするの?」


「そうね、問題なければ2~3日中にしようかしら?」


「ず、随分早いね?」


「まぁ、持って行くものもあまりないしね?」



 そんなこんなでお引越しが決まったのでした。



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