43.表彰式があるようですよ?
さて、表彰式に出るために再度ログインですよー
「うわ、さすがに人多いなぁ」
「だねー、でもこれでもこの会場は入場制限されているみたいよ?」
え?これでも入場制限されてるの?
「大半の人は中継映像で見てる、ここに入れるのは決勝進出者とその関係者だけ」
それにしては多いような?
あーそっか、艦種毎に部門あるから結構な人数なんだ。
「では、次に小型巡洋艦部門の表彰を行います、まず第三位のフェルミ選手、タイムは2分23秒931」
「はいっ」
おぉ、あの人が三位ですか。楯がもらえるのですね。
「次に第二位、ハーミット選手、タイムは2分23秒335」
「はいっ」
女の人かー、やっぱり宇宙船操縦するのに男とか女とか子供とか関係ないよねっ!
「そして、堂々の第一、今回はすごいタイムが出ています!なんと、二位に30秒以上の大差をつけています」
「その選手は、おちび選手です!表彰台の方へどうぞー」
あ、呼ばれました…けど、何かそこまで言われると恥ずかしいですね」
「はーい、いま行きまーす!」
(くすくす)
(元気な返事だな)
(お子様か?)
(バカお前、子供が優勝できるわけ無いだろ)
なんか言われてますけどね、気にしない気にしなーい
む、表彰台、上るのがちょっと、高さが……ですね?
えい、上るコマンド!
うえぇ、よじ登っちゃいましたよ?良いんですかねこれ?
しーーーーーーーーーーん
ん?会場が静かになったような?あぁ、表彰者が来たから静かになったんですね。
「お、おちび選手大丈夫ですか?」
「はい、無事上れました!」
(ちょっと、何で後ろに階段用意してないんだよ)
(いや、ここまで小さいとは思わなかったので)
(おい、マジ子供じゃねーかよ)
(あらヤダ、可愛い)
(お持ち帰りしちゃ、だめかな?)
(いやダメだろお前)
(あれ?また新作の着物?)
「おちび選手、優勝おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「実はですね、今回の優勝のタイム、1分53秒104なんですが、全艦種を通してのぶっちぎりのタイムだったんですよ!」
「あ、そうなんですか?」
「一部では不正が疑われたようですが、審判団からは全くその兆候もないとお墨付きをもらっての堂々の総合一位です!」
「ありがとうございます、自分に出来る精一杯のことをやっただけなのですけどね」
「そうですか、普段からあのような操作方法を?」
「あ、はいそうです。いつもあの操作で練習していましたので、それが良い結果につかながったんだと思います」
「そうですか、これからも頑張ってください、これが優勝トロフィーです」
「はいー、ありがとうございます」
「ちなみに昨日の大和のTV発表の最後の白い服を着ていらっしゃるのは、おちび選手と伺っていますが?」
「あ、はいわたしです」
「とても綺麗でしたね、いえ、今着ている着物でしたか?それも綺麗ですけど」
「あ、ありがとうございますー、えへへ、照れちゃいます」
「これからも頑張ってくださいね!」
「はい、頑張りますっ」
「では皆さん、三選手に盛大な拍手をー」
わぁーーーーーーーーーーー
パチパチパチぱちパチぱちパチパチパチ
パチパチぱちパチパチパチぱちパチパチ
(おちび選手、降りれますか?)
(あ、はい、大丈夫です……たぶん)
降りるコマンドをっと…飛び降りちゃいましたね。
ま、いっか
「ただいまー、いやー緊張したー」
「おちびちゃん、よじ登ってる姿がとっても可愛かった」
「むぅ、だってあの台私の腰位まであるんだよ?」
「横の台に一度上ってから登ればよかったのに」
「えー、でも台の上とか上った事ないし?」
「あー、そっか。そうだね、ごめんねぇ」
「いえいえ、珍しい経験が出来たので良かったです」
「着物についても聞かれたけど、良い宣伝になったかな?」
「そうねー、なったんじゃないかしら?」
そう言って周りを見るサリナさん。確かにたくさんの人がこっちを見てますしね、良い宣伝になったでしょう。
そう意識してみると、めっちゃ見られてますね
「んと、もう帰ってもいいのかな?」
「もうおねむ?」
「いや、めっちゃ見られてるからさ、ちょっと落ち着かないというかね?」
「この後一応パーティーみたいなのあるけど、参加はやめとく?」
あー、パーティーみたいのがあるんだ
「それも出ないとだめ、かな?」
さすがに知らない男の人とかに話しかけられたりは、遠慮したいかなぁ。話しかけたそうにこっち見てる男の人めちゃくちゃ多いし?
「できれば参加してもらった方が良いんだけど、この状況はきついかー」
そう言ってサイド周りを見渡すサリナさん。どうやら状況に気が付いてくれたようです。
「うん、ごめんねー」
「それじゃ、ログアウトして、お風呂入って寝ましょー」
そうして表彰会場を後にし、ログアウトしました。
その後は、何時もの桃源郷へ行ってからお布団の中へ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おちびちゃんにね、そろそろ宇宙船免許の試験を受けさせようかと思うのよ?」
「まだ早くないですか?」
「そうかしら?免許の方はこの間の模擬試験で受かるのはほぼ確定だし、ライセンスの方もね?今回のレースの結果があるから、行けると思うのよ?」
「でも、おちびちゃんはまだルースを使った操船はやってませんよ?」
「そういえば、ゲームの操船はルースの力は使わないのだったわね」
「全ての人があらゆる艦種を操作できるのが売りですからね」
「でもね、今受けてもきっと受かると思うのよ?」
「操縦そのものは問題ないと思いますよ?ただ、ルースを使った操船ってエネルギーコントロールがちょっと特殊ですから」
「あぁ、その件があったわね。でも、それも何度か練習すれば行けると思うのよ?」
「受けさせるのは特殊艦艇のライセンスですよね?あの試験て予期せぬ事態への対処項目がかなり特殊じゃないですか?おちびちゃんならそういう状況にも対応はできると思いますけど、とっさの時にルースの力を制御しきれるかは、ちょっと心配ですね」
「そうね、試験で使うシミュレータは一般的な船を想定しているし、もしかしたら壊しちゃうかもしれないわね。でもそこについては心配しても仕方ないし、近いうちにチェリエ皇国に行こうかと思うのよ?あそこでも試験を受けれたでしょう?」
「あぁ、学校の件もありますしね。ところで、住む所はどうするんですか?」
「それはね、たしかあの国にはもらったけど全く使っていない屋敷があったはずだから、そこを使おうかと思っているのよ?」
「そういえばそんな物もありましたね。でも、そのお屋敷だとおちびちゃんに合わせた設計じゃないでしょうから、おちびちゃんにとってはいろいろと不便な所もあるんじゃないですか?」
「そうね、なのでしばらくの間はホテル暮らしかしらね?その間にお屋敷の内装を見た上で色々と不便そう所を改造をしようと思っているのよ?」
「そうですか。向こうでの使用人はどうしますか?現地で雇用します?」
「使用人はね、おちびちゃんの事もあるし、本当に信用できる人だけにしたいから、この屋敷の人員の大半を連れて行こうと思うのけど、どうかしら?」
「それが良いですね。ちなみにロワイヤル・ガードは何人くらい連れて行きますか?」
「ロワイヤルはそうね、とりあえず半分くらい連れて行けばいいかしら?」
「半分、ですか?それはまた……それでは、今後の流れとして、向こうに行ったら宇宙船の試験を受けて、その後は中等部に入学する準備と皇国の首都星に慣れるためって感じですかね?」
「そうね、その中でもおちびちゃんが首都星に慣れることが最重要項目かしら?」
「おちびちゃんの船はどうしますか?すでに完成していますよ?」
「あの船はね、輸送船で持っていくつもりなのよ?エンジンに最初に火を入れるのは、おちびちゃんが免許とライセンスを取ってから本人がやるのがね、良いと思うの。ほら、船って最初に火を入れた人の癖がどうしても出ちゃうじゃない?それに、船としても最初は持ち主であるおちびちゃんに最初に火を入れてほしいと思ってると思うのよ?」
「そうですね、それじゃあその方向で調整しておきますね」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そうして夜は更けていった……




