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34.海賊を捕らえましたよ?



 さて、海賊を宇宙ステーションまで連れて行った訳ですが



 ステーションが見えた段階でもう一度冒険者組合とステーションの警備隊には連絡しましたのでね、到着後海賊さんの二人は速やかに警備隊にしょっ引かれていきました。


 持って帰った海賊船二隻についてはわたし達の物なのでね、後でデータパックとかをチェックした上でばらしてパーツ単位で売りに出しましょうかね。


 さて、海賊さんの処理はそれでいいのですが、今回の依頼内容についてですよねぇ。


 まず組合の方に今回のあらましを再度お話した上で戦闘記録のコピーを提出しまして、もちろん戦闘後の会話もですよ?編集?しないですよ?改竄疑われちゃいますからね。


 え?それならあの会話はまずかったんじゃないかって?ナニモマズクナイヨー



 まぁ、ちゃんと生かして連れて帰った訳ですし、ちょーっと事情聴取をする担当の人に白い目で見られるくらいですよー。


 で、今回の依頼主が海賊を雇って私達を襲わせたとの証言がありましたのでね、組合のお偉いさんと宇宙ステーションの警備員立会いの下で積み荷もチェックしまして、無事発信機が見つかりまして中身も依頼書に書かれている物とは違うのを確認できました。


 結果として保険金詐欺の疑いが濃厚という事で、依頼主に強制捜査が入るそうです。


「本日は捜査にご協力ありがとうございました」


「あとはこちらでとことんまで突き詰めます!」


「ではおねがいしますね~」


「今回の依頼は元より、過去の依頼に関しても不審な点が無かったか調べ直します」


 あとは、捜査結果が出てからのお話になるそうで、今日のところはこれでいいそうですよ?


 というわけで、今日のところはログアウトです。



 きょーうっのごっはんっはなーにっかなーっと。


「今日はね、お鍋にしてみました~」


 おぉ、お鍋ですか!?鳥の水炊きですね!いつもいつも美味しいご飯をありがとうございます。


「もうわたし、サリナさんのいない生活なんて考えられないっ」


「あら、嬉しいこと言ってくれちゃって~」


 素直な気持ちを伝えた所、照れてくれました。ちょっと貴重なショットかもー?


「あら、おちびちゃんはサリナだけ居ればいいのかしら?」


「おちびちゃん、わたしは要らない?」


 え?ファセット様とシルヴィアさんはいなくても良いのかって?


「そそそ、そんな事ないよ?お姉ちゃんもシルヴィアさんもいてくれないと嫌だよ?」


 ちょっとサリナさんをからかうつもりが、お姉ちゃんとシルヴィアさんから反撃をもらってしまいました……



「おちびちゃん、今日の依頼はどうだったのかしら?」


「今日の依頼?きょうはねー、なんと海賊退治だったのです!」


「おちびちゃん違うでしょ?今日の依頼は荷物運びでしょ?」


 え?結果的に海賊退治だったじゃないですか。


「そう、結果的に海賊退治でも、依頼は荷物運び」


 あぁ、そういえば元々はシルヴィアさんが持ってきた荷物の輸送依頼でしたね。


「あぁ、怪しい系統の依頼だったのね。おちびちゃん、もうちょっと警戒した方が良いわよ?組合の依頼でも、危ない物はあるのよ?」


「そうそう、前にも似たようなことあったでしょ?にしし」


 そう言ってサリナさんがちょっと怪しい笑い方を……


「前にも似たようなことが?あぁ、言われてみれば確かに最初に受けた魔物退治もシルヴィアさんが見つけてきた依頼だったねぇ、あの依頼も美味しかった」


 という事は、今回のも予定よりはるかにおいしくなるのかな?


「いや、そういう事じゃなくてね?」


 え?そうじゃなくて?なんでしょうね?


「あの依頼は怪しいから持ってきた」


 えー、怪しい依頼だったから持ってきたのですか?


「そうそう、いくら私やシルヴィアが持ってきた依頼でも、もうちょっときちんと依頼内容を調べるとかした方が良いよー」


 お二人が持ってきたものでも、もう少し情報収集をするべきですか?


「でも、お二人のことは信用していますし、もしそれでダメだったらダメで何とかしちゃえばいいのですよ!」


「信頼してくれるのはうれしいけどね、わたし達も間違える事や気が付かないこともあるしね?」


「ゲームだからまだいいけど、リアルだと危険。将来冒険者をやるならもう少し下調べとかを覚えるべき」


 あぁ、言われてみればそうですね。お二人だって間違うことが絶対ないとは言い切れないですものね。


「そっかー、これからはわたしも最低限の確認はするようにしてみるー」


 それにしても、このゲームもすごいですよねぇ、よくこんな物語みたいな依頼とか用意されてますよね。


 え?今回のも本当ならユーザが散財するために用意された地雷ミッションなんですか?


 ふむ。でも、成功させれば美味しいですよね?ボーナスミッションですよ!


 ほら、今回もこっちには被害何もないですし!


「でも、今回のは敵の発見が早かったからよかったけど、遅れてたこっちも被害出てたかもしれないわよ?」


 確かに敵の数はこっちの3倍近くでしたしね。


「確かに早かった。どうして気が付いたの?」


 どうやって気が付いたのかですか?実は日本でゲームをしていた時も、何か罠とかがあると、かんの虫が騒ぐというか、お尻の辺りがムズムズすることが多かったのでね、それでもしかして?と思ったのですよ。


 それで気になったのでレーダーのブースターを使ってみたのですよ。


「ブースターって、あの一時的に感度上げるやつ?」


「そうそう、代わりにレーダーがちょっと痛んじゃうあれです」


 そしたら感度ありだったので、あとはシルヴィアさんにお願いして索敵してもらってって感じですね。


「よくあのタイミングで使ったわねー、まさしく虫の知らせがあったのかな?」


「もしくは、たまたまお尻がかゆくなっただけかもー?」


「おちびちゃんなら、ただお尻がかゆかったのを疳の虫と思ったのかもね?」


「そういう第六感的なものはね、宇宙空間では大事だと思うのよ?」


「気になったことがあれば確認するのは大事、それが宇宙で生き残る鉄則」


 そうですね、気になることがあれば出来ることは全てやるべきですよね。命はお金じゃ買えませんからね!



 それにしても、今日の海賊さんはずいぶん人間味がありましたね、さすが科学が発達した世界のAIはすごいですねー。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「今日は海賊退治をしたそうね?」


「はい、依頼で怪しい荷物輸送の依頼がありましたので、それを受けてみたら思った通り海賊が出てきました」


「それで、おちびちゃんの対応はどうだったのかしら?」


「そうですね、初期対応から討伐、そしてその後の銀河パトロールや組合などへの報告まで教科書通りと言いますか、教科書以上と言いますか」


「よくないの?」


「いえ、このまま本当に宇宙に出て海賊に出会っても大丈夫だと思います」


「そう、適性はあるという事なのね?」


「十分すぎるほどですね。あとは人とのコミュニケーションさえ鍛えればそのまま冒険者としてもやっていけると思います」


「そう。それじゃそろそろ一度模擬試験でもしてみましょうかしら?」


「免許の、ですか?」


「今のおちびちゃんがどの位の点数を取れるのかと、どの辺が苦手なのかを調べて、その上で今後の授業内容を見直すのが良いと思うのよ?」


「では、抜き打ちになりますが明日やりましょう」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 おはよーございます。昨日は突然の海賊退治でつかれていたのか、夜はぐっすりでした。


 もっとも、いつも誰かのお胸様に包まれて寝ているので海賊の件が無くてもぐっすりなのですけどね!


 どうやら今日の授業は予定を変更して、抜き打ちで模擬試験をやるそうです。


 こちらに来てから初めての試験になるのですけどね、失望されないよう頑張りますよ!



 あ、学校の方の試験じゃなくて、宇宙船の免許鵜法の試験なのですね。


 学校の方は心配していない?えへへ



 さて、試験内容ですが、まぁここ数ヶ月で習った事ばかりですしね、覚える事柄は多いですけど覚えるのも睡眠学習なのでバッチリですよ?


 あー、ここどうだったかな?ちょっと自信が無いかも?


 この場合はどうなんだろう?このパターンはこの用法での対応でいいのかな?



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ≪ 知美が試験を受けている部屋とは違う部屋にて ≫


「ねぇサリナ?おちびちゃん、個人端末を一切使っていない様なのだけど?」


「そうですね、どうしたのでしょうかね?」


「きっと自分の記憶力だけでどこまでできるのかを試してる」


「なるほど、まずはどこまで覚えているかを試しているのね?」


「でも、それだとそのあと記憶していなかったところを再度調べてってやると時間の無駄じゃないですかね?」


「そうね、まぁやりたいようにやらせてみましょう?」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 できたー、いくつか自身のない所もあったけど、うまくいけば80点位取れるかなー?


 そういえば合格点て何点なんだろ?



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ねぇサリナ?おちびちゃん、結局個人端末を一切使わずに終わったと言っているわよ?」


「そ、そうですね。最後まで見ないでやりきりましたね」


「そういえば……」


「どうしたのシルヴィア」


「おちびちゃんに試験の時は個人端末を使っていいと教えていない」


「え?普通使う物でしょ?」


「そういえば、おちびちゃんのいた所には個人端末は無いわね。似たような物はあったはずだけど、その辺どうなのかしらね?」


「それで、結果はどうなのかしら?」


「すごいですね、ギリギリだけど個人端末使わずに完全自力で合格点行ってますよ?」


「試験は特殊免許の過去問題なのよね?」


「はい。これだと、個人端末使ったらよっぽどの事が無い限り今すぐ免許試験受けても合格しますよ?」


「それじゃ、近いうちに試験を受けさせるとして、勉強の方は今回間違えた所を参考に苦手なところを割り出して、その辺を詰めるという感じにしてあげてね?」


「わかりました」


「あと、試験では個人端末を使っていいという事も教えてあげてね?本番直前に教えてもうまく使えないかもだしね?」


「そうですね、どのようにして個人端末に情報をまとめておくかは人それぞれですしね。個人端末内の情報の整理の仕方なんかも今後の授業ではやっていきますね」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「おちびちゃんおまたせー、結果出たわよ」


「もうでたの?はやーい。それで、どうだった?」


「バッチリ合格よ」


 そう言ってウィンクしてくれちゃいました!


「合格?やったー、頑張ってお勉強した甲斐がありましたー」


「所でおちびちゃん、試験中に個人端末使わなかったのはなんで?記憶だけでどこまでいけるか試したの?」


「え?試験中にって、それカンニングじゃないの?」


 使ったらカンニングになっちゃうじゃないですかー、やだー


「あー、やっぱりそういう認識だったのかぁ、説明してなくてごめんね。こっちでの試験は個人端末は使ってもいいのよ?もしダメな場合は別途説明があるからね」


 え?こっちでは見るのが当たり前?うそ?


 覚えることが多すぎるし、覚えただけじゃ意味がないから、習ったことをいかに自分の知識として使えるかが試験の意味?


 なので、公式なんかも丸暗記する必要は無くて、どういうときにどれを使え場を覚えていればいいだけ?その詳しい公式とかは個人端末をみればいい?


 歴史なんかも、どの部分なのか大体わかっていれば検索して出せるから、丸暗記の必要はない?


 うわぁ、こっちの試験が易しいのか、日本の試験が鬼畜なのか……


 まぁ、言われてみればそうだよね、社会に出ても自分の記憶だけでやれなんてことはまずないはずだよね。


 むしろ、記憶だけでやって間違えるくらいなら参考書でも何でも見て間違えずにやることの方が大事だもんね。


 そっか、こっちの試験ではそのことがちゃんとできるかの能力を見るのが試験なのかー


 あー、それだと今回の試験も、あそことあそこは判ったのになぁ


 あ、今後の授業では個人端末からの情報検索方法も含めてやっていきますか、了解でーす。



 そんなこんなで、日本とこちらでの認識違いを一つ勉強したのでした。



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