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30.ゲームアバターに着物を着せる事になりましたよ?

本日二話目です



 おはよーございます、気分すっきりです!



 どうやら、私がお昼寝している間にシルヴィアさんがお姉ちゃんに螺鈿細工のことを報告したそうで、起きてからどういう物かを聞かれまして、個人端末に螺鈿細工の重箱とかテーブルなどの画像があったと思うのでね、それを探してお姉ちゃんに見せた所、本当に螺鈿細工の細工品をいろいろ作って商品として売れないか調べてみるとの事です。


 その後、チーム名を螺鈿細工に変更すると伝えた所、船を表すのならば螺鈿細工でいいかもしれないけれども、チーム名としてはちょっと違うのではないかと指摘を受けました。


 そこでどうしようかと色々話し合った結果、純和風なので『大和撫子』はどうかと言われました。


 んー、戦闘も行うのに大和撫子ですか、それってどうなのでしょうね?


 などと思っていたのですが、二人がおちびちゃんのあの”見た目”は(ここ大事、試験に出るよ!)まさしく伝え聞く大和撫子だね!と言い出しましてね?


 ちょ、褒め殺しですか?そんなこと言われても騙されないですよー(てれてれ)


 まぁ、他に良さそうな案も出なかったので、『大和撫子』にすることに決まりました。


 どうせこちらの人々はね、大和撫子の意味は分からないですしね、良しとしましょう。


 さて、新しいチーム名も決まったことですし、チーム名の変更依頼だけ先に出しちゃって、そのあとは夕方までお勉強をしましょうかね。船の色の塗りなおしも時間かかりますしね!



 今日の分のお勉強が終わったのですが、なにやらお姉ちゃんがお話があるとの事でした。あらたまってお話って、なんでしょうね?


「おちびちゃんにね、お願いがあるのよ?」


「私にお願い?改めて言うって事は、前言ってたのとは違うんだよね?」


「そうね、あれとは違うのよ?今回のお願いはね、着物を今度正式に売り出す予定なのだけどね?それのモデルをね、してほしいのよ?」


 ふむふむ……え、本気ですか?


 私がお昼寝しているときに着物姿で三人並んだ画像をサリナさんに見せてもらったらしいのですが、それを見て「イケる!」と思ったらしいです。


 でも、ねぇ……中身私ですよ?


「だめかしら?」


 などと、ちょっと不安そうに聞かれると駄目って言いにくいよねぇ。


 いえ、ゲーム内で着て行動する分には、特に負担がかかるわけではないので全然OKなんですけどね?


「げ、ゲーム内だけじゃない……んだよね?」


「おちびちゃんのね、着物を着た姿をゲーム内にとどめるのはもったいないと思うのよ?それで、是非リアル側の販売モデルもね、してほしいのよ?」


 なんでも、着物の販促用のポスターやカタログ撮影でもモデルをやってほしいとかなんとか。


「ひえー、さすがにそれは私には無理だよぉ」


 と言ったのですが


「こちらで本当の大和撫子の心がわかるのはおちびちゃんだけなのよ?だからおちびちゃんにしか出来ない事なのよ?」


 今日のお姉ちゃん、めっちゃぐいぐい来るんですけどー?


 そこまで言われると断りずらいのですが、わたしだって大和撫子ってわけではありません、ごく一般の日本人なだけです。


 でもまぁ、さんざんお世話になっているお姉ちゃんお願いですしね、私に可能な範囲でという条件と、個人情報は徹底的に護ってもらうという条件でOKしてしまいました。


 だって、勢いがすごいんだもの。鼻息荒くして畳み込むように話しかけてくるお姉ちゃんって初めて見たかも?


 もっとも、たとえ個人情報がばれたとしても家まで押しかけてこられるとかはこの広い宇宙ではそうそうないでしょうし、もともと私もお出かけする方ではないのでね、特に問題になるようなことは無いでしょう、きっと。


 そもそもきちんとお化粧した私は自分でいうのもなんですが別人ですしね。お化粧すごい!ビフォーアフターを見比べてもだれも私だなんてわかりませんよきっと。


 そうなりますと、ゲームの方でも正式にスポンサーにつく事になるそうです。ちょうど冒険者ランクも金になりましたしね。


 実はですね、企業とかのスポンサーをゲーム内で正式に持つには金ランク以上という制限があるそうなのですよ。


 着物をゲーム内でプレゼントされたタイミングと良い、謀られた気もしないでもないですね。


 なんでも、トップクラスの人にはなにがしかの企業がスポンサーについていて色々便宜を図っているそうですよ、主に金銭的にですけどね。


 もちろんその中の一部の人は企業のコマーシャルに出たりもして、かなりのお金を稼いでる人もいるらしいです。


 まぁ、お姉ちゃんにはいろいろお世話になってますからね、これで少しでも恩が返せるのなら良しとしましょう。



 さて、それじゃお話も終わったようなのでお夕飯の時間までゲームしましょうかね。


 あまり時間ないのでレースモードをやりましょうか。


 おや?私のゲーム専用端末(汎用端末です!)の周りが、なにか壁で仕切られて映画のセットのようになっているのですが何でしょうかねこれは。


 前は部屋の中のテーブルの上におっきなディスプレイがあってという感じだったのが、いまはその机の周りが壁で囲まれて個室っぽくなってるんですけど?


 あ、後ろから浮遊椅子で中に入って所定の位置につくと後ろも閉まって完全個室になるんですか?


 しかもこれ、中から見たらまるでコクピットの中じゃないですかー、やだー


 え?今後は操縦している場面も撮影することがある?えー、それは流石に身バレしちゃわないですか?あ、そのために部屋の中が映らないようにしたと。


「基本顔は映さない予定だけど、もし映すことがあったらゲーム内でやったようなお化粧をするから安心してほしいのよ?」


「え?それのどこに安心する要素が?」


 リアルであのお化粧は出来れば遠慮したいかな?リアルだとボタン一つでお化粧とか無理ですしね。


「普段は肩口から手元を映すのと、正面から首より下を映すだけだから、安心してほしいのよ?」


 まぁ、それなら特には問題ないのかな?あ、手元を映すから爪のお手入れはすると。


 で、それらの撮影時に部屋の中が映らない様にこのセットみたいなのを作ってしまったわけですね?


「ねーねー、おねーちゃん。お昼にお話しして端末の周りがもうできてるって、最初から私にモデルやらせる気だったでしょー」


 そう言うと目をそらされちゃいましたよ?やっぱり計画的犯行でしたかっ!


「まぁ、お姉ちゃんのお願いだからできる事はするけど、出来れば事前に一言言ってね?」


「大丈夫なのよ?今回も撮影する前にちゃんと言ったじゃない?」


 んー、それは大丈夫とは言わないような?まぁ、いっか。


 そんなこんなで、着物のモデルとしてのお仕事が今後入ってくるようですが、リアル側ではまだまだ先の様で当面のお仕事(?)はゲーム内で着物を着ていればいいそうです。


 ですので、さっそくゲームで遊びましょー。


 ちなみに、サリナさんとシルヴィアさんも私のガード兼という事で一緒にモデルをやってくれるそうです。なんて心強い味方でしょう、これ以上に心強い味方はいませんね!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 その日の夜、知美が寝た後のファセットとサリナの会話



「ファセット様、本当に良かったんですか?」


「おちびちゃんの件?今後ゲーム内でもイベントや大会で顔が売れていくでしょうし?おちびちゃんの出した結果に対してチートだなんだと騒ぐ人も出てくるでしょうから?その対策も兼ねてちょうどいいと思ったのよ?」


「あぁ、操作中のプレイヤー側のプレイ映像もネットに流すっていう、例の計画ですか?」


「そうよ?その時に着物を着せて、ついでに宣伝すれば一石二鳥でしょ?それにプレイ画像は動画サイトにUPすればおちびちゃんのお小遣いにもなるし?一石三鳥かしら?」


「とかいって、着物を着たおちびちゃんを世間に見せびらかせたいっていうのが本音なんじゃないんですか?」


「そそそ、そんなことは、無いのよ?本当よ?」


 目をそらしながらサリナの発言にそう答えるファセット様だった。


「でも、有名にしちゃっていいんですか?おちびちゃんのプライベートとか大丈夫ですかね?」


「その辺は大丈夫だと思うのよ?元々どこに行くにもあなたたちが側に付いてくれている予定だし?」


「まぁ、離れるつもりは無いですけどね。ところで、おちびちゃんの中等部の学校どうするんですか?モデルやらせるなら下手な所に行かせられませんよ?」


「それはね、元々考えている所があるのよ?どっちにしろ、普通の中等部じゃあなたたちが教室まで付いて行けないわよね?そこでね、チェリエ皇国の首都星にあるチェリエ高等学院付属の中等科にね、行かせようと思うのよ?」


「あー、チェリエ皇国ですか。たしかに治安などを考慮すると一番無難ですね。でも、チェリエ高等学院付属ですか?」


「学力的にもね、あそこだとチェリエ皇国でトップクラスだからね、おちびちゃんには良いかと思うのよ?」


「でも、その分あそこには貴族の子息も多くいますよ?その対応はどうするんですか?むしろおちびちゃんの男性恐怖症の事を考えたら女学院の方が良いのでは?」


「女学院は駄目よ?あそこは良い家柄の家に嫁ぐかしか考えてない人ばかりだし?おちびちゃんには逆にストレスになると思うのよ?」


「あー、言われてみればそうですね。でも学院付属にもそういう人はいますよね?」


「その辺はね、サリナとシルヴィアがね、おちびちゃんをうまくガードしてくれればいいかなって思うのよ?」


「学院付属は教室内までお付きが入っていけるのでしたっけ?」


「基本的に教室内まで着いていけるのは一人までなのよ?でも送り迎えするのも普通だし、教室や廊下も学校の性質上広いし、おちびちゃんにはもってこいの環境だと思うのよ?」(物理的に)


「なるほど、そこまでお考えでしたか。それじゃ今後の授業内容はチェリエ高等学院付属に入ることを前提にしますね」


「そうね、チェリエ皇国の貴族関係の事も今よりもっと詳しく教えてあげてもらえるかしら?」


「わかりました。その辺についても教えておきますね。ところで、おちびちゃんの正式デビューはいつにしますか?」


「正式デビューというと、ゲームの方?リアルの方?」


「どっちもですね」


「リアルの方はね、ひと月後位をメディアデビューにしようかと思っているのよ?」


「なるほど。それでゲームの方はその後ですか?」


「そうね、正式デビューという言い方なら、そうなるかしら?でもそれまでの間も着物姿で遊んでもらっていて良いのよ?むしろ宣伝になるから着物姿で遊んで?」


「じゃ、何かイベントで大々的にって感じですか?」


「その頃にね、毎年恒例のレース大会があるのよ?なので、その大会に出てもらえば、良いデビューになると思うのよ?」


「じゃ、その時のプレイ動画を動画サイトにUPするのがゲーム側の正式デビューって事ですね」


「そうね、そうなるわね。それまでに撮影する角度とかもいろいろと試しておいてほしいのよ?間違っても顔が映っちゃわないようにね」


「わかりましたー。その辺はシルヴィアとも相談してやりますねー」


「よろしくお願いね?」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



そうして知美の知らない所でまた新たな計画が進行しているのだった



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