17.コントローラの設定をするのを忘れていましたよ?
さて、コントローラの設定もとりあえず終わりましたのでね、適性試験の続きをしましょうかね。
とりあえず、恒星圏内航行中級、上級とステップアップして受けてみましたが、中級ではアステロイドベルト付近の航行および無大気惑星表面への着陸でしたが、問題なくクリアです。
上級では、宇宙空間に静止している他の宇宙船への接舷と、アステロイドベルトで航行不能に陥った船の救助およびその船を宇宙ステーションまで曳航すると言う物でしたが、これも難なくクリアです。
次に、大気圏内航行初級、中級、上級とありまして、初級は晴れた昼間の大気圏内への突入から海への着水。そしてそこから宇宙空間へ再び飛び立つと言う物です。
思わず水面にタッチアンドゴーをやろうかと思ったのですが、一度きちんと静止しなければいけないらしく断念しました。余計なことして試験に落ちたら目も当てられないですからね。
中級は、天気が曇りの中の大気圏突入と空港施設への着陸、およびその状態からの宇宙空間へ飛び立つと言う物でした。これも無問題です。
上級がちょっといやらしくて、夜の嵐の中大気圏突入して指定された空港施設への着陸、そして夜間の(こちらは嵐が終わった後です。無理して嵐の中飛び立つ必要は無いですからね)宇宙空間への離陸および宇宙ステーションへのドッキングでした。
恒星間航行については難易度は無く、ただ単に目標とされる恒星の宇宙ステーションまで行って帰って来いと言う物でした。
これ、普通に恒星圏内を飛ぶことが出来るのならだれでもできるのでは?と思ったのですが、どうやらワープ座標計算とかが課題の肝らしく、人によっては座標計算をミスして恒星に突っ込むとか、全然違う所に飛んで行ってしまうとか、さらにすごい人はワープ中にエネルギー不足でワープ空間から通常空間に放り出されてそのままエネルギーが尽きた状態で宇宙をさまようなんてこともあるそうです。
こちらも普通にコンピューターに必要な情報を入力するだけの簡単なお仕事だと思うのですけどね?もちろん何の問題もなく試験クリアですよ?
この辺はね、日本でやっていたゲームでも同じようなことをやっていましたのでね、ちょちょいのちょいなのですよ?
むしろ、ワープアウトから次のワープまでに海賊が襲ってくるとか魔物が襲ってくるとかが無い分簡単でしたね!
「これで全部かな?」
「そうね、まさかとは思ったけど、どの試験も危なげなくクリアしたのね」
「最初のが一番危なかった」
それはほら、コントローラの設定をしていなかったからですよ?
これで事前に受けられる試験は全てクリアしましたのでね、ユーザ登録の続きをしましょうかね?
「ところで、最後まで付きっきりでいてくれましたけど、お二人は試験しなくていいんですか?」
「私たちは宇宙船の免許持ってるからね、これらの試験は全部免除よ?」
お二人とも免許持ちでしたかそうですか。
さて、次に画面に出てきたのは基本料金の自動支払いについての可否についてですね。
基本料金として、支払日から35日間フリーの冒険者パスを購入する必要があって、そのパスの料金が50クレジットですか。
で、支払い後35日間有効。その後有効期間中は何度ログインしてもOKで、パスの期限が切れた後にログインしなければ引き落としはされず、期限切れ後にINすれば(していれば)再度自動でパスを購入ですか。
ログインしなければ追加で引き落としされないというのは良心的ですね。
ただ、日本円にすると5000円……基本料としては高い気がしますが、こちらではどうなんでしょうね?お二人に聞いてみましょう。
「んん、月当たり50クレジット……これって高いの?安いの?」
「どうだろ?他のネットゲームも同じ位じゃないかな?」
「このゲームはゲーム内通貨をクレジットに出来るから、ちょっとだけ高め」
ほうほう、なるほどー。どうやらこのゲーム、ゲーム内で稼いだお金をクレジットに換金できるんですねー。
といっても、利益を出せるほどとなると、それなりに上位ランクにならないと駄目なようですが、それでもこのゲームのトップクラスの一部の人たちはこれで稼いだお金で生活しているようです。
プロゲーマーと言うやつでしょうか?
まぁ、お二人からもこの程度の基本料なら決して高いわけではないとのお言葉をもらいましたので、OKしちゃいましょう。
もらったお小遣いからの支払いですけどね!
ちなみに、ゲームでの認証等は全て登録されたパーソナルコードを用いて行われる様で、パーソナルコードだけ登録すれば年齢認証から口座引き落としまでを各管理システムと自動でやり取りしてくれるそうです。
ゲームサーバ側に個人情報を一切置かないってのは安心できる要素ですね!
もっとも、確認した内容とその結果情報を積み重ねれば、ある程度は個人情報が分かってしまいそうですが、そこは仕方ないとあきらめましょう。
その程度はばれても特に影響はないと思いますしね。
ただ、アダルティーなサイトを見に行って、NGが返ってきた情報なんかは何処にも残したくないですからね、その辺には十分注意することにしましょう。
さて、次にキャラクター名ですね。
どうしましょうか?ここで本名を入れるほど愚かではないのですが、失敗したからサブアカウントを作ってやり直すというのは出来ないゲームですので悩みますね。
お二人はどうするのでしょうかね?
「ねーねー、二人はキャラクター名はどうするの?」
「わたしはサリナのままやるわよ?さすがに家名とかは入力しないけどね」
「私もシルヴィアのまま、その方がおちびちゃんも楽だと思う」
えぇぇぇ、本名そのままですか?こちらではそれありなんですかね?
「本名のままで大丈夫なの?ほら、身バレとか」
聞いてみた所、宇宙は広いし同じ名前はたくさんいると。
それに本名でやってもフルネームで登録するのでない限り簡単にリアルばれすることはまずないし、もしリアルばれしても大した問題にはならないんだそうです。
元々こちらでは、ネット上で自分そっくりのアバターを使って遠方の人とやり取りをすることも多いらしく、ネットゲームでもそのアバターをそのまま使う事も多いらしいんです。
ですので、ネット上で何かする時は基本的に本名か愛称なのだそうです。
とはいえ、日本でのセキュリティ甘々なネット経験しかない私は本名でやる勇気はこれっぽっちもないですからね、どうしましょうか?
日本にいた頃やっていたゲームのキャラクター名は「こぶた」にしたんですよね。
いえ、私が子豚だと言ってるわけではないですよ?豚と言われるほど太ってないですからね?ホントダヨ?
当時も名付けに困りましてね、悩んでいるときにふと机の上にあった豚の貯金箱を見て、「こぶた」って思いついたんですよね。
一度思いつくとなかなか他が出てこなくて、友達との待ち合わせの時間が迫っていたこともあって「こぶた」ってキャラクター名にしたんですよね。
今にして思えば黒歴史ですね!
まぁ、最終的にはチームの皆さんに可愛がってもらっていましたし、あのキャラクターでいい成績も残していましたから、それなりに思い入れのある名前ではあるのですけどね。
などと悩みつつ、名前入力欄に一度「こぶた」と入力してみたのですが、こちらで「こぶた」を名乗るのも何か違うと思うので消しました。
「名前、悩んでるの?」
「んー、本名でっていうのはちょっと抵抗がねー」
「おちびちゃんはおちびちゃんで良いと思う」
「あー、確かに本名じゃないし、こっちも呼び慣れてるしねぇ」
「なるほど、確かに呼ばれ慣れてもいますし、そうしますか」
このお二人とPTを組むのでしたらお互いとっさの時に認識しやすい呼び方が楽ですかね?
ということで、私のキャラクター名は「おちび」にすることにしました。
本当に身バレとか大丈夫なんでしょうか……決めたはいいものの少し心配です。
まぁ、なる様になれって事で、気を取り直して次はアバター作成ですが、どうやら個人情報から身体データを取り出してアバターを作ってくれる自動作成モードがあるようです。
これはあくまでこちらの端末のみで行うらしく、その結果作成されたキャラクター情報が手動作成なのか自動作成なのか、サーバ側には一切分からないようです。
ですので、面倒なので自動作成にしちゃいましょう。
え?そんなことをして大丈夫なのかって?一度作成画面を見てみたのですがすごくめんどくさそうなんですよ。
顔についても身体データからの取り込みで出来るようなので、もうそのまま行きます。
それに先ほどの話でも、ネット上で自分とほぼ同じアバターを使うのはこちらでは普通の事らしいのでね、郷に入っては郷に従え、です!
それにこのゲーム、基本は宇宙船に乗っていることが大半ですしね、顔はマスクか何かつけておけばそうそうバレないでしょう。
ほら、赤いロボットに乗っている方もマスクをつけるだけで正体不明になっていましたしね。ワタシモキットダイジョウブダヨ
サリナさんとシルヴィアさんはすでにアバターデータを持っているそうで、それをそのまま使うそうです。
と言う事は、あのけしからんダイナマイトボディがゲーム内でもみれ(げふんげふん)
これは、いろんな服を着てもらって目の保養をするしかないですね!
というわけで、アバター作成も無事終わったので、あとは乗る宇宙船の選択ですね。