15.ネットに接続する権利を手に入れましたよ?
ネットワークを使える様になったのですが、そうなればやる事は1つ!
早速アダルティーなサイトにっ!
なんて事は無くてですね、せっかくですのでね、是非こちらのネットゲームをやってみたいのですが、考えてみるとゲーム機もPCも持っていませんでした。
個人端末でもできるスマホゲーのような物もあるようなのですが、私小さい画面でちまちまやるゲームって好きではないのですよね。
「えっと、お姉ちゃん?」
そういって上目遣いでお姉ちゃんに「私お願いがあるのっ」と言わんばかりの顔をしてみました!
そうすると、珍しく私がお願いしたいことがあると分かってもらえたのか、すごくいい笑顔で
「どうしたのかしら?わたしにお願い事、なのかな?」
と聞いてくれたので、ここぞとばかりに
「あのねっ、わたし、ネットゲームをね、やってみたいのっ」
と、ちょっとあざといかなーと思うくらいにお願いしてみました。
そうした所返ってきた回答が、なんと私の浮遊椅子には簡易的なものだけどコンピュータ端末が搭載されているのだとか!
簡単なゲームならこれでも十分できるのだそうです。
びっくりですよ?日本で言う車いすにコンピュータ端末が搭載されているんですよ!
ただ、浮遊椅子に搭載されているものは、画面表示は空間投影機能を使っているらしく、描画サイズはそれほど大きくないし、文字などもディスプレイに比べると見づらいらしく、さらにはやるゲーム次第では処理能力だったり描画スペックだったりとパワー不足になる可能性があるとの事。
「おちびちゃんがどんなゲームをね、やるか判らないのだけど、どうせならもっといい端末を、使うといいのよ?」
どうやら据え置き型で高性能な端末を別室に用意してくれているらしく、それを使わせてくれるようです。
浮遊椅子に搭載されているのは、位置付け的には日本でいうノートPCといった感じなのでしょうかね?
それで、その用意されているという端末を見に行ったのですが、なにやらカタカナのコの字型の机があって、そのテーブルの奥には畳を一回りか二回り小さくしたくらいの大きなディスプレイがありました!
そして、その机から出ているケーブルを浮遊椅子に接続することによって、机に内蔵されている端末と浮遊椅子を接続できるようです。
「えっと、キーボードとかコントローラとかは、どうなってるのかな?」
「キーボードはね、テーブルのここの引き出しを開けるとね、でてくるのよ?」
どうやらキーボードはテーブルに格納されているようです。このキーボード、位置調節が可能で、使いやすい位置に固定して使えるようです。
「ポインティングデバイスは、おちびちゃんが座っている浮遊椅子のひじ掛けの中にね、入っているのよ?」
どうやらポインティングデバイス、簡単に言うとマウスの機能拡張版の様なコントローラなのですが、なんと浮遊椅子の左右のひじ掛けの中に日本で使っていた3Dデバイスとほぼ同じものが格納されていました!
浮遊椅子を机につなぐ理由はこれだったんですね!それにしても、ひじ掛けの中に3Dデバイスが収納されているなんて、今の今まで気が付きませんでしたよ。
この3Dデバイスと言う物がどういう物かと言うと、ひじ掛けの様なものの上に腕を置いて、腕を枷のようなもので固定し、手の平にはマウスのような半球状の物をこれまた枷の様なもので固定します。
そして、腕の上下左右前後の動きで3軸コントロール、さらに手首の上下左右の動きと手首の左右へのひねりで合計3軸コントロールと、腕と手首の動きだけで計6軸のコントロールが出来る優れものなのです。
さらに手に握る部分のオプション部品選択で、親指部分にアナログスティック+押し込みボタンまたは2ボタンが、人差し指と中指部分はスライダーか2ボタンかが選べ、薬指、小指にも1ボタンづつあるという、フライトシミュレーター系のゲームをやるにはもってこいのコントロールデバイスなのです。
それにしても、素材とか動きのスムーズさとかは地球で使っていたものと比べて段違いで良い物なのですが、基本的な動作部分がここまで一緒だとは……これも各種単位などと同じように、文明が行きつく先は同じと言う事なのでしょうかね?
私が日本にいる時はこれを左右両方に設置してゲームをしていたのですが、こちらでもこのコントローラを使えるというのはうれしい誤算でした。
もしかして、実際の宇宙船のコントロールにもこれを使えるのでしょうかね?
その点についても聞いてみたのですが
「そうね、宇宙船の操縦には、これを使う人もいるわね?ただ、これを使わなくても操縦出来るから、人によるかしら?」
「そうですねー、でも軍なんかの戦闘艦だと、これがデフォルトみたいですよ?」
などと、サリナさんから戦闘用の船ではこれを使うと教えてもらいました。
「あと、そのデバイスなのだけど、おちびちゃんが座ってるその浮遊椅子のコントロールも、出来るのよ?」
「え?この椅子って浮くだけじゃなかったの?」
「浮くだけの椅子なんか用意しないわよ?普段は誰かが押すから必要無いのだけどね?いざと言うときは、自分一人で移動できないと困るのよ?」
確かに自分で移動できないのは困るかも?とは思っていましたが、今まで何も言わずに自然と押されていたので、まさか自分で移動する手段があるとは思いもよりませんでいた!
しかも普段は床から1cmの距離を浮くように設定しているらしいのですが、高度をあげれば空も飛べちゃうそうです。信じなくても飛んでくれるなんて、どこぞの泥棒さんよりも高機能ですね!
いつもいつも誰かに押してもらって移動していましたよ。
「うぅぅ、早く教えてもらえれば、普段わざわざ押してもらわなくても自分で移動したのに……」
と伝えた所、お姉ちゃんを筆頭に、サリナさんやシルヴィアさんから
「おちびちゃんの移動で椅子を押すのは、押したいから、押してるのよ?」
「そうそう、やりたいからやってるの。むしろ押させて?」
「おちびちゃんのお世話はわたしの生き甲斐。今後も押す」
そ、そこまでいわれちゃうと、断りづらいよねぇ
「おちびちゃんは家族なんだから、遠慮しないのよ?もちろん、自分で移動する練習をしたいなら、それは止めないわよ?」
「ですねー、いままではおちびちゃんが遠慮しそうだからその機能の事黙ってましたけど、バレちゃったからこれからは練習しましょうか」
などと嬉しい事をまた言われ、ちょっと涙ぐんでしまいました。
とは言えね、自力移動の練習は是非ともしたいのでね、今後は浮遊椅子の操作練習もすることにしました。
ただ、その練習も練習時間を取ってやることになり、普段の移動は誰かが押してくれるそうです。
まああれですね、お風呂とかはね、一人で行ってもまともに入れないですし、たとえ一人で入れても桃源郷にはたどり着けないですしね!
ここはありがたくお言葉に甘えることにしました。
決して桃源郷に行きたいからじゃないのよ?ホントダヨ?
と言う訳で、ゲームをやるための端末無事ゲットです!
とりあえずやる事は、どんなゲームがあるのか調べる事からですね!
わたし、浮気とか嫌いなのでね、基本的に1つのゲームしかやらないのですよ。
なのでね、やるゲームは厳選したいですからね!ネットゲームがどんなものがあるのかを検索してみました。
そうしたらあるわあるわ、各国限定の物もあれば、全宇宙展開しているものまで様々ありました。
もうね、目移りしてどれをやっていいのか判りませんよ。
とりあえず片っ端からやってみてお気に入りを探すというのも一つの手なのですが、こちらの世界ではユーザ登録するのに本人認証があり、サブ垢とかを作ることは原則できません。
一部のゲームでは一人で複数アカウントを作れるものもあるみたいですけどね。
どっちにしろ個人情報の登録を行わなければならないため、心配性の私としてはまともに遊ぶかどうかも分からないものに個人情報を登録する気はありません。
ですので、できれば初めからこれ!と言ったものを厳選して始めたいのですが、これが数が多いのと、こちらのネットに慣れていないため探すのに一苦労。
日本でいう所の紹介サイトみたいなものや攻略ウィッキーのようなサイトもあるのですが、それらの見方に慣れていない事や銀河共通語もまだ拙いので、ダメもとでお姉ちゃん達に聞いてみました。
「んー、なんかいっぱいあってどれが良いのか判んない。ねーねー、どれが面白いのかな?」
まあ、三人ともこういうゲームはやらなさそうな感じなので、あまり期待はしていなかったのですけどね。
ところが、お姉ちゃんに今一番人気があるというゲームを教えてもらえました!
「それならね、んと、これかな?このゲームが、おすすめなのよ?」
「おー、そうなんだ。あれ?もしかしてお姉ちゃんもやってる?」
何で知ってるんですかねぇ、もしかして密かにやってらっしゃる?
「わたしは、やってないのよ?ただ、それは全宇宙に展開していて、ユーザ数も多いのよ?だから、人気はあると思うのよ?」
聞いてみた所、ネットゲームはやったことはないけれど、一応流行り物などは知識としてはおさえているそうです。
そんな中で教えてもらったゲームが『Adventurers Online』というもので、まさしく冒険者になろう!と言った内容のものでした。
もっとも、ここでいう冒険者と言うのは、剣や魔法の世界の冒険ではなく、宇宙船に乗って宇宙を駆け巡る方の冒険者です。
あれですね、将来に向けてこれで練習しろと言う事ですね、判ります。
さて、このゲームの説明を読んだところ、私が日本でやっていたオンラインゲームと基本的なシステムはうり二つなのにはびっくりしました。
なんていうんですかね、日本でやっていたものはシリーズとして初期の頃、こちらのはシリーズとして最新版みたいな感じですかね?
こういう所もどの知的生命体も同じことを考えるのですかね?
宇宙船を手に入れて、冒険者登録して、色々と仕事を受けて、護衛をしたり時には魔物と戦ったり、またある時は海賊とドンパチやったりと言ったことをやってお金を稼いで、そのお金で宇宙船を買い替えたり改造したりしていくゲームです。
また、ゲーム内イベントとして大規模戦闘があったり、いろんな障害物のあるコースを設定してレースやタイムアタックのような大会なども開かれるようです。
「んー、説明を読んだ感じだと面白そー、それじゃこれやってみるね」
そうそう、私がこっちに来るきっかけになったあの日、買い物の後に大規模戦闘イベントがあるはずだったんですよね。
チームの皆さんはどうしているでしょうね、その後も元気にやっていますかね?
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