12.色々と勉強していますよ?
学校で習う授業のほかにも、生活していく上で欠かせない一般教養についていろいろと教えてもらっています。
こちらでの暦、銀河標準歴と言うのですが、一日25時間、一週間が7日、一月が5週間35日、一年が12ヶ月60週420日となるそうです。
これは全ての国、惑星で通用する暦で、そのほかに各惑星の自転公転基準の惑星暦があるそうです。
地球でいう所のグリニッジ標準時と言うやつですかね?
惑星上での固有のイベント(お祭りや収穫祭など)や、惑星上での通常生活(お店の開店時間や学校の登下校時間など)には惑星歴が使われて、国単位での行事などは銀河標準歴が使われているそうです。
もっとも、こっちの世界では地球でいうスマホのような何でもできちゃう端末、そのままズバリ『個人端末』と言うそうですが、を加護を受けた人はほぼ全員持っていて、それを使う事でどっちの暦もすぐわかるようになっているので問題は起こらないよです。
この個人端末、機能は様々あるようですが、基本的な機能の物はすごく安く買えるそうです。
もちろん地球でのスマホと同じように、高機能なものはそれだけ高くなるようですが、基本的にスペックが年々上がっていくというようなことはなく、そうそう買い替えるという事は起こらないそうです。
技術の停滞が起こっているのでしょうかね?それとも、ハードウェア的な必要機能はすでにすべて盛り込み済みで、あとは全てソフトウェアで対処可能と言う事なのでしょうか?
日本にいた時は毎年新型が出ていたのでちょっとびっくりです!
ちなみに、各種授業を受けていてびっくりした事なんですが、こちらでのいろいろな単位(長さ、重さ、容量、桁)なんかの考え方は地球とほぼ同じでした。
なんでもこの宇宙に存在する知的生命体は文明がある程度発展した段階で、どの生命体でもほぼ同じ単位や値にたどり着くそうです。
その理由は現在でも正確には判っていないようですが、ある学説によると
「各人類で基準となるものが同じでなければ、他の惑星で生まれた別の種族の人類と出会った時に様々な点で苦労する、だから大いなる意思が同じになるように定めている」
などと提唱されているようですが、真偽のほどは定かではありません。
まぁ、私としても地球にいた頃と同じ感覚で各種単位を使えるし、睡眠学習で一気に覚えちゃったので何も苦労はありませんでした。
ちなみに、これらのことを知った後に身長、体重、ついでに3サイズを計ってみたけど、記憶にある数値と変わりませんでした(グスン)
こっちの世界の芸術について
どうやら地球とはちょっと事情が違うらしく、こっちでの芸術と言うのは基本的にデジタルデータなのです。
どういうことかと言うと、絵画は全てデジタル上の物ですし、音楽も作詞作曲はするけれども、流れるのはすべて記録したもの、しかも歌に関しては歌手の生の声なのですがそれも録音ばかりで、曲に関しては楽譜を打ち込んで鳴らす、しょせんDTM的な物なのだそうです。
生演奏は無いのかを聞いてみたのですが、全くないわけではないがあくまでも趣味のレベルらしく、商売としては失敗する物には価値が無いとかなんとか。なので、オーケストラのような物も全てコンピューター制御で鳴らすんだそうですよ?風情が無いですよね。
もっとも、この風潮はかなり昔かららしいので、今の時代ではもしかしたら生演奏が再燃することもあるかもしれないですね!
つぎに、私の将来にもかかわるかもしれない、こっちの世界のお仕事事情について
こちらの世界の仕事事情については色々と機械化が進んでいて、人の手で行う作業と言うのはかなり少ないそうです。ですので、会社員になったとしても勤務形態も週3~4日出勤で1日4~5時間ほどの物が大半なのだそうです。
なぜこのようになっているかと言うと、自動化や高効率化が進んだおかげで、一時期仕事にあぶれる人が増えてしまったのだそうで、一人当たりの総仕事時間を減らしてその分多くの人で作業しようとなったそうです。
この短い作業時間でも、物価の関係上十分みんなが生活していけるため、残りの時間はスポーツなり遊びなりと趣味の時間に使われるそうです。
科学の進歩は素晴らしいですね!
そんな中、惑星間貿易のお仕事なんかはかなりの高給取りなんだそうですよ?
また、元手無しで誰でもすぐ出来るお仕事として、エネルギーの供給と言う物もあります。
これは専属の人もいれば、お小遣い稼ぎのアルバイトのような感覚で行う人もいるらしく、その場合は予約を取ってから施設へ行きエネルギーを供給するそうで、結構な割合の人々がこの仕事に従事しているそうです。
そうですよね、この世界の根本を支えるエネルギーなわけですから、そういうお仕事もありますよね。
ちなみに、このお仕事があるおかげでこちらの世界では浮浪者などいなく、病気や怪我などでこのお仕事にもつけないような人たちは、国から厚い保護を受けられるそうです。
他には宇宙空間での鉱物資源の採掘なども、当たりはずれは大きいみたいですが結構人気があるのだとか。
どんなお仕事かと言うと、鉱物資源の発掘作業は基本的には企業主体で行われていて、その企業に雇われた人がやっているのが主なのですが、それ以外に個人事業主になるのかな?個人で宇宙船を持っている人たちが独自に鉱物資源を採掘するそうです。
もちろん、どこでも好き勝手に採掘してよいわけではなく、その恒星圏内の政府なり恒星の所属する国なりが採掘許可を出している所の採掘権を購入する必要があるようです。
あ、恒星圏っていうのは、太陽系などの恒星からその恒星をまわる最外惑星軌道までの距離の約二倍のエリアの事だそうです。
その範囲の資源は、無条件でその恒星の存在する惑星の物と言った感じになるそうです。
もちろん、個人での作業なので発掘して良い物が出たらお金持ち!ゴミばかりだったら最悪破産!とかだそうですよ?まさしく山師ですね!
ちなみに、採掘権の必要な場所で採掘権を購入せずに採掘してそれが発覚した場合は盗掘とされ、かなり重い罰則が科せられるようです。
お金を稼ぐには元となるお金が必要と言うのは何処の世界でも変わらないという事ですね!
あと、こちらではファンタジー小説でよくある冒険者的なお仕事もあるようです!
これは初めて聞いたときはちょっとびっくりしましたが、将来の夢が広がりますね!
どんなお仕事かというと、恒星間貿易をしているとやっぱり海賊が出るらしく、その護衛とかのお仕事があるそうです。
大企業とかだと専属の護衛がいるそうですが、中小企業だと専属護衛は資金的に厳しく、必要な時に護衛依頼を出して護ってもらうそうです。
また、海賊に襲われた船のサルベージや、宇宙空間で宇宙船が故障したときの救助なんかも冒険者のお仕事なんだそうです。
これらの仕事のあっせん等を行っているのが冒険者組合で、ここに登録して自分の能力に見合った仕事を探して受けるのが冒険者と呼ばれる人々らしいです。私も将来的には登録してみたいですね!
ちなみに、冒険者に対して組合を通さずに直接依頼を持ちかける人もいるみたいですが、この場合は全て自己責任であり、何か事故やトラブル等があっても組合は間に入ってくれないそうです。当然ですね!
また、だまされて違法行為に加担させられる事もあると言うか、組合を通さないお仕事はそういう後ろ暗いものが大半との事なので、絶対に受けるのはやめましょう!
組合員が違法行為を行えばもちろん除名されますし、内容によっては警察組織などに指名手配されたりもしますが、その人がつかまらずにそのまま犯罪者として逃げている場合は組合が討伐隊を組んで討伐することもあるらしいですよ?
悪いことしちゃだめ、絶対!と言う事ですね。
あとはですね、冒険者と言えば魔物退治!なのですが……ファンタジーの世界と違って宇宙空間に魔物なんかいないでしょ?安全安全!と思いきや、なんといるそうです、宇宙空間に魔物が!
なんでも、その魔物と言うのは船のエンジンの中枢部分であるエネルギー変換装置?ジェネレーターっていうの?の心臓部に蓄えられているエネルギーが大好物らしくそれを狙ってくるそうで、飛んでる船を見つけると餌に飛びつくわんこのごとく襲ってくるそうです。
そんな化け物がいるなら人の住む星なんか良い餌じゃないの?と思ったのですが、どうやら巨大重力が苦手で恒星圏にはほとんど近づかないそうで、魔物が出るのは恒星外宇宙限定なんだそうです。
で、そいつらが出たら率先して退治するのも冒険者のお仕事なんだって。
魔物の出現報告があるとその魔物に対して討伐依頼が出されてその魔物に賞金が掛けられ、見事討伐すると賞金がもらえるんだそうですよ?
それプラス、魔物の体(主に外皮)は一部の宇宙船の装甲にも使われるとかなんとか。ビームに対して耐性があるらしいので、軍艦の装甲なんかによく使われる素材だそうですよ?
あと、魔物の体内からはまれに希少金属等が取れることもあって、これも重要な収入の一つなんだそうです。
この依頼のあった魔物をきちんと倒したかどうかについては、依頼を受けた冒険者の船のフライトレコーダー的なものを用いて判定するそうなので、うその報告とかは無理だそうです。
あ、大規模な魔物の出現や重要度の高い航路の場合、長期間討伐されていない強い魔物がいる場合なんかは軍隊が出て討伐するそうです。
あと、速度の速い宇宙船は小型の魔物相手なら早めに見つければ進路を変えて逃げ切ることも可能だそうですが、いつもうまく逃げ切れるわけでもないので逃げきれるかどうかは運次第らしいです。なので、基本的には護衛を連れて行くのだとか。
魔物に襲われた時ですが、エンジンを最初に狙われると、運が良いと?エンジンははやられちゃいますが、その時にエンジンを上手く切り離せば船本体は襲われずに無事なことがあるそうです。その場合に救難信号が出されるのですが、これらの遭難した宇宙船の救助引き上げに関しても基本的に冒険者のお仕事なのだそうです。
ちなみに、引き上げ専門でお仕事をしている回収業者と呼ばれる人たちもいるようですよ?日本で言うとJAFみたいな方たちなのでしょうかね?
なんかもうね、どこからどう見てもファンタジーな世界の冒険者って感じですよね、宇宙ですけど!現場は宇宙空間ですけどーっ!
ちなみに、これら冒険者のお仕事って、私が日本にいた頃毎日のようにやっていたネットゲームその物って感じでした。
あ、魔物なんですが、見た目は古代魚みたいな感じで、大きさは小さいものは10m位から大きいものだと数百mに達するものも過去いたらしいですよ。
移送速度も基本的には大きさによって速度が変わるようで、大きいほど早いみたいです。ただ、たまに大きさに関係なくその種族によって速いのもいるらしく、小さい魔物だから逃げられるというわけではないみたいですね。
また、現れるのも一匹単独なこともあれば複数匹で群れをなして現れることもあるそうで、恒星間宇宙を移動するには最低限の攻撃手段は必須の様ですね。
これら魔物のお話を聞いている時にふと思ったのですが、もしかして私がお姉ちゃんにお願いされた将来退治しないといけない、恒星にとりついた謎の生物ってこの魔物の突然変異体か何かなのでしょうかね?
こんな感じの内容を日々勉強しています
次話は21時更新予定