第七話 お見合いは大変です 前編
王子と結ばれずにとか言ったけど……無理そうだわこれ。
今、私が居る所は王宮。
王様と父様に呼ばれ行ったのだけど、私の予想だと王子との婚約話なのだろう。
王様はプラチナブロンドに青眼の長身の男性だ。ゲームでは最後あたりしか出てこなかった。エドワルド王子のお父様でもある。
「 突然だが、うちの息子の婚約者になってほしい。」
王様が言った。やっぱり婚約話か。拒否権ないのかな?あるといいな。できれば婚約したくない。
「 君が勉強を頑張っているのも知っているし、趣味でトランペットをやっているのも知っている。君は将来、王妃に向いている。君ならうちの息子を任せる事が出来そうだ。どうだ?婚約者になってくれないか?」
王様が言った。いや、この時点で「はい」って言ったら…私、破滅してしまうし、でも断ったら私の家が危ない気がする。
「 王様、いきなりそのような事を仰っても、シャロンが混乱するだけですよ。シャロンだってまだ見ぬ恋をして見たいのでは?」
父様が言った。ナイス!父様!!
私はキラキラした目で父様を見た。
「 うむ。それもそうだな。なら、婚約者候補としてはどうかね?」
そうきたか!それならまだ可能性がある!
「 それならば、お見合いというのはどうでしょうか?」
父様が王様に提案した。
父様のこの一言で私は王子とお見合いすることになった。でも要するにここで王子に嫌われればいい。そうすれば婚約話は消える!
そして私は王子とお見合いを成功( 失敗 )させようと、王子のいる部屋へ案内してもらった。
「 少しの間待っていてくれ。」
王様が私に向かって言った。私はその言葉に頷いた。
王様が王子のいる部屋に入った。
三分ぐらいしただろうか。王様が部屋から出てきた。
「 さあ。中にお入り。」
「 はい。」
私は王子のいる部屋へ入った。
「 失礼致します。」
面接のコツ!1つ目は、部屋に出入りするときに
「 失礼致します。」「 失礼致しました。」
これを言うだけでも高得点ですよ!大切なのは「 致します。」って付ける事!
「 失礼します。」より「失礼致します。」のほうがいいよ!
後、部屋に入ったり出たりする際に、止まって一礼して言う事!
申し訳ございませんでした。話が逸れました。
今、私の前にいるのはこの国の第一王子。エドワルド・クロリア 。プラチナブロンドに深緑の眼。どこからどう見てもイケメンだが残念!此奴は将来私を捨ててヒロインと結ばれるのだから!期待はするなよ!
「 はじめまして。私はスティアード侯爵家長女、シャロン・スティアードと申します。以後、お見知り置きを。」
私は淑女の礼をしながら言った。
「はじめまして。シャロン嬢。」
王子も紳士の礼をしながら言った。
王子は私を警戒するかのような目で見ていた。まるで私を敵かと思うように。