第二十四話 ジェシカ先輩
間が空いてしまい、申し訳ございません!
久々の投稿です。
ここどこ!?
まさかの迷子!?
この学校の敷地、無駄にデカイ。これは迷う。
私は昔からよく迷子になっていた。前世を思い出す前も、前世の子供の頃も今も。
私は今、森の中にいる。でも、森のどの辺にいるのかわからない。出口がどこの方向にあるのかもわからない。
歩くしか無い。歩こう。
私はただ歩いた。
そして、森の中に立つお城みたいな綺麗な建物を発見した。
レンガの壁で、とても気品溢れる綺麗な建物。
今でも誰か住んでいるのかな?でも、そんな人ゲームにいたっけ?
私はその建物の中に入った。
お邪魔しまーす。
「綺麗……。」
思わず声を上げた。
外もだけど、中はもっと綺麗だった。
白い壁と床。至る所に綺麗な色とりどりの花。綺麗な置き物や家具。全てが金持ちが持っているような感じがした。あ、ここ金持ち校だ。
「あら?お客様かしら?」
突然誰かの声が聞こえた。綺麗な女性の声だった。
すぐに声の持ち主がわかった。
「いらっしゃい。貴女は確か、一年のシャロン・スティアードさんでしたね。」
私の目の前にいたのは綺麗な女の人だった。白い髪に茶色い瞳。とても顔の整っている美人。
私よりも背が高く、とても優雅な姿勢をしていた。どんな人でも見惚れてしまうぐらい綺麗で気品溢れる人。この人は誰?
「はじめまして。私は6年、クイーンのジェシカ・ファルメルです。」
ろ、6年生!?先輩!?
「は、はじめまして!」
「ふふ。そんなに硬くならないで。お茶でもいかが?」
女の人は微笑んだ。
「は、はい…!」
笑った顔は普通の顔よりも何倍も素敵だった。
女の私でもつい、キュンときてしまうほど。
「ライト、お客様にお茶を。」
「かしこまりました。お嬢様。」
ジェシカ……先輩は執事を呼んだ。
彼女の執事もとても綺麗な男性だった。
茶色い髪に黒い目。日本人みたいと思ったが、日本人離れした美貌があって、ジェシカ先輩と並ぶともっと綺麗。美男美女でとってもお似合い。
「こちらへ。」
ジェシカ先輩に案内され、広い部屋に着いた。
「わあ!!」
私の目の前にはさらに綺麗な部屋。ここは客を迎える部屋なのかな?
「どうぞ、アールグレイです。シャロン様。」
ライトさんがお茶を入れてくれた。
「あ、ありがとうございます…。」
紅茶はとてもいい香りがした。なんだか優雅で、落ち着く香り。
「さて、貴女はどうしてここに?理事長のお気に入りが何かご用?」
ジェシカ先輩は笑顔だが、笑顔な気がしなかった。疑っているみたい。
「あ、いえ…その…お恥ずかしながら…森で迷ってしまい…それで歩いていたら、ここに……。」
「ふふふ。ごめんなさい。つい、疑ってしまったわ。」
「そんなんじゃありません!理事長になんて従いたくありません!」
「あら……ここまではっきりと言うなんて……なかなか面白いわ。」
「え…?」
「私も貴女と同じ気持ちよ。」
先輩は真面目な顔をした。
私と同じ気持ち?理事長のことが嫌いってこと?
「でも、ジェシカ先輩はクイーンではないですか。どうして…?」
クイーンというのはこの学園で年に一度行われる大会、「クイーン選抜試験」で一番になった人が貰える称号。例えるなら生徒会長みたいなもの。ジェシカ先輩は去年の大会で優勝した人だ。
この大会で優勝するには、勉学、マナー、ダンスなど、全てが完璧であり、一番の決め手は理事長に気に入られること。クイーン選抜試験はゲーム内にもあって、全部のレベルがMAXに近いか、MAXじゃないとなれない。もしなれなかったら、悪役令嬢のシャロンがなることになっている。
つまり、ジェシカ先輩は理事長のお気に入り。
「そうよ。ふふ。」
「なのに、どうして……。」
「簡単よ。理事長が気に入らないから。あの人のやり方は間違っている。あの人がやってきたことは許されることではないわ。」
理事長はどんなことをしてきたのか。そして先輩は何をしようとしているの?
コンコンコン
扉を叩く音がした。
「またお客様?ライト。」
「はい。お嬢様。」
しばらくしてライトさんが戻ってきた。一人の女性を連れて。その人は、
「シャロン様、お迎えです。」
「シャロン様!探しましたわ!」
「アリス…ごめん!」
アリスは私のところに来て手を引いた。
「あ!ジェシカ先輩!今日はありがとうございました!あの…またきてもいいですか?」
「ええもちろん。また来てくださいね。」
こうして私はジェシカ先輩の館を後にして自分たちの部屋に戻った。
「まじで心配したんだからね?まあ、実亜が迷子になるなんていつも通りだけど。」
「う〜〜〜〜。」
「で、あの美人誰?狙っていい?」
「6年生のジェシカ・ファルメル先輩。クイーンだって。狙っちゃダメ。」
「まじか。よかったね。大物に気に入られて。」
「大物?確かにクイーンだから大物か。」
「あの人、ファルメル公爵令嬢だよ。」
「え!?嘘!?」
公爵家って、私の家より強いじゃん!
「本当。良かったね。」
「う、うん…。」
ジェシカ先輩、綺麗な女性。ああいう人が本当のお嬢様で、お姫様なんだろうな。とにかく綺麗な人だった。
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