第二十一話 剣術大会
アリアナと友達になって数日。
今、アリアナとアリスと食堂で昼ごはんを食べていた。
「シャロン様は剣術大会に参加するのですか?」
「ええ。」
アリアナからの問いに私は答えた。剣術大会とは、ただ自分は剣術がこんなにもできるって戦いながら見せつける大会。ゲームには言葉のみの存在だった。そして、剣術大会は新入生でも参加できる大会なのだ。男子も女子も参加OK。でもあまり女子は参加しない。
「お嬢様なら勝てますわ。私に勝てたんですもの。」
と天音が自信満々に言った。
「アリス様って剣術がお得意なのですか?」
「得意では有りませんができます。」
「それなら、主従揃ってお強いのですね!」
「私、勝てるかわからないよ!」
「シャロン様なら勝てますわ!」
アリスとアリアナが期待のこもった目で私を見つめた。
プレッシャーかけるなよ。
「頑張ってね。実亜。」
天音がヒソヒソ声で言った。
「プレッシャーかけるなよ。怖いじゃん。」
そして剣術大会の日が来た。
大会はトーナメント制だった。私はどんどん勝ち進んで行った。
そして参加しているとは思ったが、エドワルド王子も勝ち進んでいた。
「やはり、君もいたのか。」
「はい。」
「勝ちは譲らない。」
「なら私も、手加減いたしませんわ。」
「君と戦えるのを楽しみにしている。」
「私も楽しみですわ。」
私はにっこりと笑って言った。
だが王子はその次の対戦相手に負けた。私と戦うのでは無かったのか。
「シャロン・スティアード対ティアラ・ラファエル。」
私の次の対戦相手はなんと女の子だった。
赤い髪の毛で黒い目の少女だった。
「始め!」
審判の合図で戦いが始まった。
その瞬間、相手が攻撃をしてきた。私はそれを受け止めた。
強い。思っていたよりも彼女は強かった。それでも私は攻撃をした。相手はそれを受け止めた。
「流石。ここまで来ただけはあるのね。」
戦いながら彼女は私に話しかけてきた。
「貴女もね。」
私も返したが、戦いながら喋るのって難しい。
右…左…。攻撃はどんどん来る。
「終わったらお茶でもしません?」
「それは私が負けたらの話?」
「いいえ。」
彼女をお茶に誘ってみたが、ダメだったようで。
戦いは結構続いた。結構疲れる。
そしてついに。
彼女は、私の剣を私の手から外させた。
「そこまで!勝者、ティアラ・ラファエル!」
「シャロン様、結構楽しかったわ。お茶はまた今度に。」
「ええ。私も久々に楽しめましたわ。」
私達はお互いに握手してその場を去った。
その日から彼女も入れて私、アリス、アリアナ、ティアラでお昼を食べたり、休み時間を一緒に過ごした。
ティアラについてわかったことは、意外と座学や魔法が苦手だということ。逆にアリアナは運動が苦手だった。アリスは全部において優秀。
「実亜に友達が出来て嬉しい。」
「そっちはどうなのよ。」
「普通に話せる人はいるよ。」
「いるんだ…。」
天音にも友達はいたようです。この人、昔から初対面の人と仲良くなるの上手なんだよね。




