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悪役令嬢とトランペット  作者: 暁月 織花
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第二十話 仲良くしたい

家ではいつも私は何かの道具…までとは言わないが、影響力がある者になりなさいとお母様から言われ、我が家の為に尽くせとお父様から言われている。

周りには取り巻き…お友達は沢山いた方がいいと叔父様は言う。


だから、学校で目立ちたくて、同じ話ができる友達が欲しくて、人気のブランドで私の大好きなブラックローズの新作のバックを持って教室に行った。


「素晴らしいですわ!アリアナ様!」


「そちらもブラックローズの新作ですの?」


「ええ!そうよ!発売されたその日に買いましたの!」


話しかけてくれる人はいた。でも、この人達は、ファルステイン家が目的。私じゃない。


ファルステイン家は伯爵家だけど、経済力など、昔から力が強い家。私と仲良くすればって人が昔から多かった。

私はそんな偽りだらけの友達はもういらない。みんな、必要なのは私じゃない。

勉強を頑張ったってお母様はそんなの当たり前って言う。お父様も同じ。

みんな私のこと綺麗って美人だって言うけど、私に媚びる為。

私は本当の友達が欲しいのに。だから嘘でも笑顔でいる。


そして私より綺麗なシャロン様。どこか儚く、近づきにくい印象はあるが優秀なシャロン様。家柄も良く、優秀で…何を考えているかわからない天才と周りから言われている。

みんなシャロン様の事が嫌いなのかしら?



「アリアナ様、もしよろしければ、今日、お茶でもどうかしら?」


「まあ!いいのですか?シャロン様!」


「ええ!勿論!」


授業が終わった後、シャロン様からお茶に誘われた。

どうしてかしら?ファルステイン家よりスティアード家のほうがすごいのに。スティアード家はファルステイン家を取り込むわけがないとお父様は言っていた。じゃあ、シャロン様が私を誘う理由は何?

でも…嬉しい。




私は使用人のリリナを連れてシャロン様のお部屋に行った。シャロン様の使用人とリリナが仲良く話していた。


「アリアナ様って、ブラックローズがお好きなのですよね?」


「はい。あの可愛らしいデザインのお洋服、私、すぐに好きになりましたわ!」


「そう言ってもらえると嬉しいわ。」


「え?」


「私、ブラックローズの経営者兼デザイナーなの。」


「まあ!そうなのですね!とても素敵ですわ!」


「いつも私の店をご贔屓にして下さり、ありがとうございます。」


お茶をしながら私達はそのままブラックローズの話をした。

楽しい。共通の話題で話せるってこんなにも楽しいなんて!


そして私は知った。シャロン様がブラックローズの経営者だなんて。流石シャロン様。

ステキなお方。友達になりたい。でも、私は伯爵家。侯爵家には釣り合わない。それにこの事を叔父様が知ったらなんて言うかしら?友達を作れとおっしゃっていたわ。だから、大丈夫……。


「じゃあ、新しいのできたら渡しますわ!」


「嬉しいですわ!ありがとうございます!」


こうして私はまたシャロン様とお話できる機会を手に入れた。


これは友達って言っていいのかしら?

シャロン様っていい人なのね。


綺麗でしっかりしていて、誰にも流されなくて。カッコいいと思う。私もこんな風になれたらいいのに。ついていきたい。家とか関係なく。ただ、シャロン様のお役に立てたらと思う。

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