第十九話 初めての友達
どうしてアレクシスは私をランチに誘ったのだろうか?勝手に帰って行ったし。
と思いながら私は教室に入った。次の授業って、なんだっけ?
「素晴らしいですわ!アリアナ様!」
「そちらもブラックローズの新作ですの?」
「ええ!そうよ!発売されたその日に買いましたの!」
あれ?今、ブラックローズって聞こえたような?まあ、女の子が洋服の話をするのは普通か。
教室で話していたのは三人の女子生徒だった。
そのうちの一人、私のブランド、ブラックローズの新作バックを持っている生徒。
わーい!ブラックローズが学校で話題になってる!
この人は見覚えがある。確か、新作が発売されると必ず買ってくる常連客。私の作った洋服をものすごく気に入っている人。美人だから覚えておいた。
プラチナブロンドの長い髪にオレンジ色の眼のとっても綺麗な顔の女の子。名前は、
アリアナ・ファルステイン伯爵令嬢。
「あ、シャロン様、御機嫌よう。」
「御機嫌よう!」
アリアナ様が声をかけてきた。しかも笑顔で。この笑顔、ものすごく可愛い!
この子と友達になりたいな。
「アリアナ様、よくシャロン様に声をかけられますのね。」
「そうですか?挨拶は基本なのでは?」
「そ、そうですわね!」
アリアナ様がさっきまで話していた子に言った。アリアナ様、礼儀まで備わっているのか。これ、将来モテるよ。しかも美人。
私ってそんなに話しかけづらいのかな?
仲良くなるには自分からお茶とかに誘わないとだな。
「アリアナ様、もしよろしければ、今日、お茶でもどうかしら?」
「まあ!いいのですか?シャロン様!」
「ええ!勿論!」
今日の授業が終わった時、私はアリアナ様に声をかけてみた。
アリアナ様は笑顔で返事を返してくれた。
アリアナ様って、笑顔がとても素敵なのね。美人だからか。
そして今、私とアリアナ様は私の部屋でお茶をしていた。
使用人はお互い連れてきている。アリアナ様の使用人は天音と仲が良いみたい。
天音、会ってすぐに仲良くなっているのすごい。
「アリアナ様って、ブラックローズがお好きなのですよね?」
「はい。あの可愛らしいデザインのお洋服、私、すぐに好きになりましたわ!」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」
「え?」
「私、ブラックローズの経営者兼デザイナーなの。」
「まあ!そうなのですね!とても素敵ですわ!」
「いつも私の店をご贔屓にして下さり、ありがとうございます。」
その後も私達はたくさんお喋りをして私的には仲良くなれたと思う。
「じゃあ、新しいのできたら渡しますわ!」
「嬉しいですわ!ありがとうございます!」
こうして私は、この学校で初めての友達ができたのであった。




