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悪役令嬢とトランペット  作者: 暁月 織花
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第十七話 起床トランペット

学校が始まって間もないけど、私は忙しかった。主に仕事で。


だから自由時間なんて朝にしかないようなもの。トランペットを吹くことですらできなくなっているのかと思っている。でも吹きたいし、ちゃんと吹かないと口が戻ってしまう。


一日休むと三日分の練習が消える。まさにこのとうりになってしまう。一週間かけて作ったものも、数分で壊せてしまうのだから。


だから決めた。


毎朝、トランペットを吹くと。

え?迷惑だって?起床ラッパだよ。起床ラッパ。

かの有名な映画で朝にトランペットを吹くシーンがある。私は昔からあのシーンが憧れだった。あの曲も好きだし。

だからやりたい!起床ラッパで心地よい朝を!良い目覚めを!!グットモーニング!!








今私がいるところは、外の景色が綺麗なところだ。ここは寮がある建物の裏の森を抜けたところにある場所だ。その森を抜けたところは崖になっていた。どうやらここは山の上にできた学校だったようだ。


崖の下は綺麗な花畑だった。誰も来ないようなところなのにその花畑は誰かに手入れをされているかのように綺麗だった。


こんなところ、ゲームでも見たことがない。それに、ここなら超度いい。


私は愛用のトランペットを持って音出しをした。

そして楽器を構えて息を吹き込む。

明るい空にトランペットの綺麗な音色が響いた。

新しい朝を知らせるような音。

まるで、今日という日を安全に過ごせるようにと祈っているかのように。

もしかしたら、成し遂げることができなかった、あのコンクールのソロを吹くよりも今吹いている方が気分が良いのかもしれない。今はソロよりも、もっと良いものかもしれない。


ここで吹くのはとてつもなく気分がいい。自分の音が空に響いている。





何処までも響け。私の音。







森の中からトランペットを吹くシャロンを見ている人が二人いる。


「あの子……面白そう!そう思わない?ライト?」


「はい。ジェシカお嬢様の言う通りです。」


「綺麗な音…。ふふ。素敵だわ!」



誰かに見られていたなんてシャロンは少しも思っていない。ましてや、こんな朝早く(6:00ごろ)に起きて外にいる人なんて。

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