第十四話 入学
今日は別に待っていたわけでもないが、コスモス学園魔法学校の入学式だ。
私は今、コスモス学園魔法学校の制服を着ている。黒色で背中にリボンがついたワンピースに大きめの白い襟に胸元の大きめの赤いリボン。靴は自由だったので、黒に赤い紐のブーツにした。
この制服、リメイクも原型が残っていれば可能なのだ。だから私は入学式が終わったら、ワンピースのスカート部分にフリルをつけてもっとフワっとさせる予定だ。と言うか、する。
私は鏡の前に立ち、着替えた自分を見ている。
「 似合っているよ、実亜。」
鏡を覗いた天音が言った。たしかにこの制服は可愛い。でも、私が可愛いとは限らない。
「 ありがとう天音。天音の新しいメイド服も素敵だよ。」
「 あはは!ありがとう!」
天音は黒のロングワンピースに大きめの白い襟に胸元には同じ色の赤いリボン。そして白いエプロン。
天音に似合っていた。
私は今、コスモス学園魔法学校の校門の前にいる。
今日から全てが始まるんだ。これからどんな事があるのだろう。
私は不安と期待、ドキドキとワクワク、夢と希望。いろんな気持ちを持って校門をくぐった。
忘れ物は無いよね?多分。
ここでは寮生活だ。
「 意外と広いのね。え!?使用人用の部屋もある!しかも警察学校の時の部屋より広い!」
天音が寮での私の部屋を見てはしゃいでいる。
たしかにこの部屋は思っていたよりは広い。しかも一人一部屋。使用人用の部屋はこちらよりは狭いけど、天音が満足しているからいっか。
木で作られているのか、茶色い壁と床。バスルームとトイレも付いており、持ってきたドレスなどを置ける部屋。そして勉強するには勿体無いくらい広い机とふかふかの椅子。おまけに天井が高い。仕方ない。ここは寮の最上階、侯爵用の部屋なのだ。
「 学校のくせに贅沢。」
私は思った事をそのまま言った。
「 まあ、ここは貴族学校なんだから。仕方ないでしょ。じゃないとクレームとか入ったりするから。」
「 過去にありそう。苦情。」
「ね!」
私たちは笑った。
部屋の確認が終わったら入学式。
「新入生入場」
今私達がいるのは大きなホールだ。ここでは夜会などが行われることがあるらしい。
「 新入生代表、エドワルド・クロリア」
「はい!」
王子が立ってステージに上がり、入学式恒例、新入生代表の言葉を言った。
新入生代表ね。なんか学校の入学式に戻った気分。ここ学校だけど。
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この学校では三つのクラスと使用人クラスに分けられる。
学校では休み時間、放課後以外では使用人と同じ教室にいる事が出来ない。不正とかがあるからね。ちなみにここで連れてくることができる使用人は大体、使用人専門学校に行っていない者のみとなっている。天音は使用人専門学校に行っていないため今ここにいるのだ。
使用人がいないから一人で色々としなくてはいけない。今まで任せっきりだった人は大変だろう。
クラスは、家柄や成績では振り分けされない。約九十人居る人達を三つのクラスに分けるらしい。そして、小学校と大体同じ組み分けなのだ。いいね!
クラスは、Aクラス、Bクラス、Cクラス、とあり、私はAクラスだった。
Aクラスにはあのエドワルド王子もいた。そしてヒロインも。面倒ごとが起きませんように。




