第十二話 再開を祝おう 前編
「 え?アリス?」
どうしてアリスが?
しかも 「 実亜 」って……なんで?
「 あ…。シャロンお嬢様でしたか…。」
「 どうしたの?アリス?」
なんだかアリスの様子がおかしい…。
「 い、いえ…何でもありません。お嬢様…。」
いや、なんかあるでしょ!?やっぱりおかしい!いつものアリスじゃない!
「 アリス、大丈夫?さっきから何か変よ?」
私はアリスに言った。考えるよりも聴いたほうが早いと思ったから。
「 そんな事は…有りません。お嬢様。私はいつも通り…です。」
アリスがそう答えた。アリスは冷静な性格のはず。今はその冷静さを失っている。何かを隠している?
あれからアリスと分かれて部屋に戻った。
それから考えた。
そこで思い出した。というか、思った。
転生者って、私だけなのか?
普通、このような物語では、主人公以外に転生者が居たりするもの。
もし、そうだとしたらアリスも転生者なのかもしれない。そうでは無かったらどうしよう。
コンコン……ガチャ…
誰かが私のへやの扉をノックして入ってきた。
「 シャロンお嬢様。ティータイムの時間ですよ。」
部屋に入ってきたのはアリスだった。アリスはティーショットが置いてあるカートを押しながら私のところに来た。
「 ありがとう。一緒にお茶を飲まない?アリス?」
「 はい。お嬢様。」
やったね。これでアリスが転生者かどうか聴ける。
尋問タイムだ!
「 今日はローズティーです。」
そう言ってアリスは私に紅茶を渡した。
アリスも私の前の席に座って紅茶を飲んだ。
「 アリス、聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」
「 はい。シャロンお嬢様。」
「 アリスって……転生者なの?」
前触れとか考えていなかったからそのまま聞いた。
アリスは俯いた。そしたらいきなりアリスが笑い出した。
「 ふふ。やっぱりお嬢様は天才なのでしょうか?ふふ……そうです。私はお嬢様の言うとうり、転生者です。そして私からも質問させて頂きます。そのような事をお考えになるお嬢様も転生者なのですか?」
うわ。頭良いかよ。
「 よくわかったね。そうだよ。私も転生者。前世の時の名前は、天野実亜。」
と私が言うと、アリスは驚いた顔をしていた。
「 ……み、実亜なの…?わ、私だよ!桜井天音!」
桜井天音って、前世の私の親友じゃない!まさか天音も転生していたなんて。
「天音…どうして…死んだの?いつ?なんで…?」
私は知りたい。どうして天音が死んだのか、いつ死んだのか。
「 28歳。しかも私ね…。」
この後、私は天音が公安警察官であること、死んだ時に何をしていたか、昔と性格が変わっていない事、前より頭良くなった事を知った。
そして私も死んだ時のことを言った。
私たちはお互い泣きながら抱き合って再開を喜んだ。
櫻井天音。私の幼馴染で親友。




