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悪役令嬢とトランペット  作者: 暁月 織花
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第一話 目が覚めたら

まだ眠い。


ふかふかで柔らかいベッドの上で私は目を覚ました。

長い夢を見た。内容を思い出してみよう。こんな内容だった。



私の名前は天野あまの 実亜みあ。高校三年生の17歳。


私は、吹奏楽部に所属していて、トランペットを吹いていた。しかも私がいた高校の吹奏楽部は全国大会常連の強豪校。

私は今年になってパートのトップになった。そして、今年のコンクールでソロを吹くことになった。


私は学校が門を閉める時間まで練習した。学校でたのは大体夜八時くらいだった気がする。それで帰ろうと学校の近くの交差点で信号待ちをしていた。そしたらいきなり車が信号無視をして私の方に向かって来た。それに気づかなかった私は車にひかれた。で、多分死んだ。


随分具体的に思い出せた。変ね。私…?いや、これは夢じゃない。最初は冷静になれなくて気づかなかった。


これは夢じゃない。私の前世の記憶だ。


小説でよく見る人気の転生ってやつですね。


私はゆっくり起きてベッドから降りた。それで鏡のところに行って鏡に映る自分の姿を見た。

月のような綺麗な銀髪にアメジストのつり目。そして、雪のような白い肌に紅の唇。

美形だなこいつ。将来モテるぞ。


と思い、私は頬に手を当てた。

あ、あれ?美形ちゃんも、私と同じ動きをした。

違う!あれ鏡だ!じゃあ、この美形は私!?


待って!この顔、見覚えがある!間違いない!


どう見たってコイツ( 私 )は、私が昔ハマっていたゲーム 「 コスモス・ラブ・ストーリー」に出てくるヒロイン……ではなくて、ヒロインをいじめたり、時に助けたりする人気ランキング3位の悪役令嬢、シャロン・スティアード侯爵令嬢だ。


確かに前世の記憶を思い出す前のシャロンは、わがままで口うるさいチビ………じゃなくて幼女だった。

このまま成長して完全なる悪役令嬢になったのかな。美形なのに。


ゲーム内でのシャロンは、自分の婚約者である王子をヒロインのエミリア・ミルクリア男爵令嬢に取られてしまい、王子と仲良くしていたヒロインに嫉妬したシャロンがヒロインを悪質なやり方でいじめる。

だけど、他の令嬢がヒロインをいじめるとシャロンはそのいじめを止める。それで人気が出てランキングが3位なんだよね。でもヒロインをいじめていたから最後の卒業パーティーで王子に婚約破棄される。それで牢屋に入れられる。


私は牢屋に入りたくない。


とにかく、これでわかったことは、私は昔ハマっていたゲームの悪役令嬢に転生した。


しかも今の私の年齢は七歳。昨日七歳の誕生日を迎えたばかり。

うん。小説にあるようなやつだよね。



このゲームって学園生活の中での恋物語なんだよね。学校に入学するのは十歳の時だったはず。

まだまだ先だね。




悪役令嬢物の小説は読んだことがある。確か転生した主人公は自分の未来を変えようと頑張るんだっけ?それで王子( 攻略対象 )と恋愛するんだっけ?


それもそれで嫌だな。恋愛したことないよ。

あ、楽器( トランペット )とならあるよ。


恋愛…私には無理。何もせず、楽しくトランペットを吹きたい。


ガチャ


誰かが扉を開ける音がした。


「 お早う御座います。シャロンお嬢様。」


メイドのアリスが入ってきた。アリス・キルクダム。私と同じ銀髪にアメジストの目。でも髪型がツインテールだ。ゲーム内でのシャロンにすごく似ているが、目がつり目では無い。それに胸がデカイ………。


「 お早う。アリス。」


アリスは私のところに来て髪の毛を梳かした。


「 昨日は大変でしたね。」


「 え?あ、う、うん。そうだね。」


アリスに言われて私は思い出した。昨日あった出来事を。

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