6話 龍の追憶
少年を拾ってから数日が過ぎたある日。
ついに少年が目を覚ました。
最初はあたりを見回し、我に目を向けかなり驚いたのだろう、そのまま数十秒間動かなかった。
そこで我が
「おい、そこの少年、なぜ貴様はこの龍の里奥地にいた。ここは龍の里人間などいるわけがないのだ。」
と、世界語で問うと
「あ、あの……」
倭の国の言葉で話してきた。
いやこれは日本語なのか。
まあいい、話をもどそう。
先ほどの問いについてだが少年はわからないと答えた。
ましてはここが龍の里だということもはじめて知ったらしい。
本当に面白い少年だ。
そう考えてるうちに少年も冷静さを取り戻したらしい。
落ち着いたところで互いに自己紹介をした。
少年の名は志藤雷虎というらしい。
この地にしては珍しいが東方の地にそのような名を持つ人間がいる。
余談この世の中はすべて世界語という共通語がある。
このおかげで人間も龍もその他の種族たちとコミュニケーションがとれる。
昔、ちょっとしたところで出会った人間が自分は倭という国から来たと言っていた。
それと似たような言葉をこの少年は喋る、いやこれは日本語なのか。
またずれてしまった、続けよう。
少年は異世界から来たといった。
この世界に召喚魔術は存在するので異世界から召喚されることは不思議ではない。
しかし、召喚魔術は高位魔術だしさらに、人間を召喚するとなると最高位魔術になる。
そんな白物扱える奴はそうそういない。
そうなるとことさら興味がわいてくる。
いったい誰が何の目的でここに召喚されたのか。
いや、この際どうでもいい、彼が目をさまし我と目があった瞬間に確信した。
彼は現竜王も軽く凌駕するほどの素質を秘めているのだと。
そこで我は提案する。
「ここは龍の里。一歩外に出ればお前みたいな脆弱な人間であるお前はすぐに死に、息絶えるであろう。だから我が直々にお前が外に出てもある程度生き残れる強さに鍛えてやろう。」
彼かなりの時間考えていたがやがて決心したような顔で答えた。
「よろしくお願いします。」
これが我と少年の出会いである。




