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  作者: 木下秋
3/6

3

「すきだ。君のことが」


 寝静まった住宅街で、彼の小さな声がした。


「えっ?」


 彼女は暗がりの中で、驚きを顔に浮かべている。


「君のことがすきなんだ。……こんなこと、言っていいのかなって、悩んだりもしたんだ。だって、俺は容姿が美しくない。運動ができない、勉強もできなかった。学歴もショボいし、就活にも失敗した。フリーターだし、しかもそのバイトだって辞めざるを得ない状態に、自ら追い込んでしまったんだ。……我ながら、バカだなぁ、って思うよ。

 きっと俺は、君を幸せになんかできない。でも……でも、すきなんだ。こんな俺だけど、付き合って欲しい」


「バカか。お前は」


 彼女は、呆れ顔で言った。


「告白をするって時に、自分のダメなところをアピールするヤツがあるか。ドアホウめ」


 それは暗闇の中で――いつ変わったのか。それは、自分だった。


「シミュレーション、終了」

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