表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋愛小説集

気づかないふり

作者: 雅楽

変わらないものは、何だろう?

変わるものは、何だろう?


彼は、泣いていた私にそっとハンカチを差し出した。

「何?」

彼の優しさは十分理解しているのに、悪態をつく自分が嫌になる。擦りすぎて真っ赤になった私の瞳をみて彼は、苦笑する。


「何なの?泣いている私が珍しい?」

少女は、ムッとした表情で彼に問う。

彼は、困ったように笑うとちゃかす様に「別に、うさぎみたいだと思っただけ」と言う。


「何があったか聞かないの?」

少女の言葉に彼は少し動揺してから、大きな手で私の頭を撫でた。

それはとても乱暴で、まるで犬を撫でる様な手つき。しかし、その中に暖かさを含んでいて、一瞬ドキッとした。


「聞かれたく無いことは、聞かない。だってお前はいつも、言いたいことはすぐに言うだろう?だから。」

そう言うと、少年はにかっと笑った。


私達が小さかった頃は、嫌なことも嬉しいことも何もかも彼は知りたがっていた。

でも、今では、私が落ち着いて私から話すのを待っていてくれる。


「ありがとう。」

少女がふわりと笑うと、少年は照れ臭そうに頭をかく。


変わらないものは、いつも、私といてくれること。

変わったのは…


何だろう?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ