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三十二話

 宿にむかって歩いていると


「ルドさん、護衛の人はいるので、その護衛で対処できるものなら

 ルドさんは私達家族と、一緒にいて欲しいんです」


「なら俺は基本的に、ご家族を護衛対象でいいんですね」


「それでお願いします 荷物も大事ですが、やはり娘と妻の命には

 かえられないですからね」


「わかりました」


 話していると宿の前まできた、そしたらエリーちゃんが入り口で待っていた


「お父さん お兄ちゃんお帰りなさい」


 と言いながら俺に抱きついてきた


「ただいまエリー」


「ただいまエリーちゃん」


 その様子を複雑そうな顔でエリーちゃんを見ていたが

 俺が視線をむけると苦笑していた

 エリーちゃんが、俺達の手をとり宿の中へ案内してくれた


「おばちゃん このお兄ちゃんも、今日からここに泊まるの」


 と嬉しそうに宿の女将さんらしき人に、紹介された


「泊まってくれるって話だけど?」


「空いているならお願いしたいです」


「一泊銀貨3枚だけどいいかい」


「大丈夫ですお願いします」


「何泊するんだい?」


「ザーンさんいつ頃出発予定ですか」


「そうですね品物が二日後には全部手に入るので三日後に出発しますね」


「なら三日分銀貨9枚先に渡しときますね」


「わかったよ。これが205号室鍵だよ」


「エリーが部屋まで案内するの」


 と俺の手を握りながら、部屋まで案内してくれた


「ここよお兄ちゃん」


「ありがとうねエリーちゃん」


 頭を撫でてあげたら、満足気に両親の元へ帰っていった

 部屋で荷解きをしていると外から


「お兄ちゃんご飯の時間だよ」


 とエリーちゃんが声をかけてきた


「わかったよ」


 返事をしドアを開けるとザーン一家がいた


「すいませんねルドさん

 エリーがどうしても一緒に食べたいって、聞かないものですから」


「問題ないですよ みんなで食べた方が美味しいですからね」


 と答え酒とご飯を食べにいき、楽しくすごしていたが


「グハハハ」


「ギャハハ」


 下品な笑い声が聞こえてきた


「ザーンさん、奥様とエリーちゃんに何かあるといけないので

 そろそろ部屋に帰った方がいいですよ」


「そうさせてもらいます。ルドさんはどうしますか?」


「まだ少し残っているので、食べ終わってから帰りますよ」


「わかりました。二人とも部屋に戻るよ」


「わかりましたわ、あなた」


「は~い」


 エリーちゃんは、もう少し喋りたかったのか不満げだが、両親に付き添われて部屋に行った

 こうゆう奴らはどこにでもいるので、気にしてもしょうがない

 周りに迷惑をかけなければ、うるさいだけの酔っ払いなだけだしな

 などと思っていると、隣の酔っ払いと口論しはじめた

 それでも無視して食べていたのだが、宿の女性従業員が止めに入ったので

 口論している奴ら四人に、気づかれないようにしながら

 女性をいつでも守れる位置に移動した


「おい兄ちゃん手を出すきならやめときな」


 俺の右後ろに座っていた男から声をかけられた


「女性が危害を受けそうにならないかぎり、手を出す気はないですよ」


「そうか」


 などと話していると


「うるさい 邪魔だ引っ込んでろ」


 女性を突き飛ばしたので倒れる前に助けた


「大丈夫ですか?」


「はい ありがとうございます」


「怪我がなくてよかったですよ」


「でもそろそろ喧嘩になりそうですよね」


「そうですね……店の人に手を出したし、しょうがない

 俺が黙らせますよ」


「大丈夫なんですか?相手は冒険者ですよ」


「俺も冒険者だから問題ないですよ」


「おい 屑ども邪魔だ喧嘩なら外でやれ」


「なんだとテメーなめた口きいてんじゃねーぞ」


「女の前だからって格好つけてんじゃねーぞ」


 などとギャーギャー騒いでいたので、鬱陶しくなってきた


「もう面倒だから表へでろ」


 そういいながら、俺が表へでると、すぐに襲いかかってきたので

 素早く横に避けて、足を引っ掛けながら足を持ち上げ、顔からコケさせた所に

 とどめに背中を踏んで、気絶させた


「テメェーよくも仲間を」


 酔っているから、動きが鈍かったので、簡単に全員の顎を殴れた

 脳震盪を起こし、気絶した拍子に漏らしたのか、ズボンにシミをつくっていた

 起こすと面倒なので、人目のつかないところに放置し宿にもどった


「大丈夫でしたか?」


 宿に帰ると従業員の方に心配されたが


「問題ないですよ」


 安心させ俺は部屋に帰り寝た


 ドン ドン


「お兄ちゃん朝だよ、ご飯の時間だよ」


 エリーちゃんは今日も元気なようだ


「少ししたら、いくから先にいってて」


「うんわかった 先にいってるね」


 とエリーちゃんは歩いていった

 それにしても、酒を飲みすぎたかな

 こんな時間まで寝るなんて久しぶりだ

 その後、ザーン一家と食事をし、露天回りなどをして一日を過ごし

 そして、バラムにむけて出発の日になった

 ザーン一家と一緒に宿を出発し、護衛の集合場所にむかった

 集合場所には、いきと同じカイル達がいた


「おまたせしました。今回も、宜しくお願いしますよみなさん」


「こちらこそ宜しくお願いします」


 ザーンさんとカイル達が、挨拶をしていたので馬車から降りて


「カイルさんお久しぶりですね 今回は俺も護衛なのでよろしく」


「ルドさんお久しぶりです。今回の護衛の隊長は

 ルドさんでがなさるんですよね?」


「カイルさんが隊長で、大丈夫ですよ

 俺はご家族の護衛と、エリーちゃんの相手で忙しいので」


「そうなんですか」


「危なくなりそうなら、遠慮なく言ってください。手伝いますので」


「わかりました」


 ザーンさんが御者をし、その隣にカイルとギースが乗り、他の人達が荷台に乗った

 数度のコボルトやゴブリンの襲撃はあったが、俺が手を出すまでもなく

 カイル達だけで、倒してしまえる数だった

 いきと違い特に問題もなく、バラムに到着した

 ギルドで、依頼の完了の手続きをしてもらい、ジューク山にある洞窟にむけて出発した

 早く会いたかったので、通常セーブしている力を解放し

 馬車より短時間で洞窟に到着した

 俺の力を感じ取った、レティーがみんなに声をかけたのか

 洞窟の前には全員が勢ぞろいしていた


「ただいま」


「用事は済んだのルド」


「おかえりルド」


「いい面構えだルド」


「怪我はなかったのルド」


「おかえりさないルド様」


「「おかえりなさいご主人様」」


 レティー シーリア 師匠 姉さん リオ姉 奴隷の子達が出迎えてくれた


「問題なく片付いたよ 家の方も弟が継ぐことで、納得してもらったしね」


「ならいいわ」


 俺の言葉を聞いて満足したレティーと、師匠夫婦とリオ姉が洞窟へ戻っていった


「ルド帰ってきてよかった 心配したのよ」


 涙ながらにシーリアが、抱きついてきた


「俺が強いって知っているだろ」


「貴族の生活の方がよくなって、帰ってこなかったらどうしようかと」


「もう俺には貴族の生活は、無理だってお前もわかっていたろ」


「わかっていても、心配になるのよ」


「そうか」


 俺はシーリアを抱きしめながら、奴隷達の所へむかった


「元気にしていたか?」


「「はいご主人様」」


 みんな元気に返事をし、嬉しそうに俺を迎えてくれた


「シーリア、彼女達はどれぐらい文字を覚えた?」


「そうね 年長組みは殆ど覚えたわ。年少組みは日常生活するだけなら

 問題ないぐらいは覚えたわよ」


「みんな頑張ったみたいだな」


「ええ そうね」


「それなら旅の、お土産をあげないといけないな」


 といいながらレティー達もいる、リビングにやってきた

 ここは人数が増えたから、新しく増築したそうだ

 俺はテーブルに、シーリア達のお土産を出しそれを渡していった


「愛しているわルド」


「ありがとうルド」


「ありがとさんルド」


「嬉しいわルド」


「ありがとうございますルド様」


 シーリア レティー 師匠 姉さん リオ姉の順でお礼を言われ

 そしてみんな喜んでくれたのでよかった


「そしてこれは全員のお土産って感じで買ってきた」


 俺はジーレシアなどで、買いあさったお菓子や食べ物などを出していった

 お菓子は全員に喜ばれ、奴隷の子供達にも分け隔てなく与え

 初めて食べる子もいて、その甘さにものすごく感動していた

 その夜は、俺が帰ってきたのから、お祝いをすることになり

 大量の食べ物を持って全員で、獣人の村サリナに行き宴会となった


「ルドが帰ってきたことのお祝いだから、好きなだけ飲んで食べて」


 レティーの言葉に村人全員が


「やったー」


「おおー」


 村人達が嬉しそうに、レティーの周りに集まり俺が持っていた

 魔法の袋から、レティーが肉や魚や果物そして酒まで取り出して


「これで足りないならまだあるから、みんな料理して食べましょう」


 何故か変なテンションで、盛り上がっていた

 そして、二時間ぐらい過ぎた頃、俺とシーリアは祝いの席を抜け出して

 川辺に来ていた


「シーリア改めてただいま」


「おかえりなさいルド」


 俺はシーリアにキスをし、両親からシーリアを一度見せにこいと

 言われたことを話した


「駄目よ私なんて、会えないわ」


「大丈夫だよ 俺が伯爵家を継ぐわけではないし、両親達だけだからね」


「でも……」


「今すぐってわけじゃないけど、両親にはシーリアを紹介したんでよ」


「……わかったわ」


「ありがとう 愛しているよシーリア」


「私もよルド」


 村のほうではまだ祝いが続いていたが、俺達はそこへ帰ることなく

 二人でいつまでも川辺に、寄り添って座っていたのだった

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