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三十一話

 俺は、父上がいる執務室にやってきた

 執務室に父上がいることを確認していたから、執務室に入る前

 メイドに、継母とアレクを執務室にくるよう伝言を頼んでおいた


 コン コン


「父上失礼します」


「ルードか入れ 座って待っていてくれ」


 俺が中に入ってソファーに座って、少しすると反対側に父上が座った


「何かようか?」


「今後の話をしたいんですよ。もうすぐ母上とアレクもここにくるように

 メイドにことづけをしてありますので、全員揃ってから話します」


「わかった」


 少し待っていると継母とアレクがやってきた


 コン コン


「あなた失礼します」


「父上 兄上失礼します」


 二人は部屋に入りアレクは俺の隣、継母は父上の隣に座った


「父上俺はそろそろジューク山に帰ろうと思う」


「な…何をいっているんだお前はフォース伯爵家の嫡男だぞ

 どこへいくというのだ」


 父上は動揺していた

 ジューク山に帰るって言っているのに


「そうですよルード」


「兄上何を言っているのですか」


 みなさんかなりのご立腹である


「俺を待っていてくれる、人達のところへですよ」


「私達より大事な人達なのかルード」


 父上以外は黙ってきいていた


「どっちが大事じゃないんですよ。恩人達と俺の女がいる場所ですからね

 それと自立ですよ父上、子供が親から巣立つだけです

 住む場所は知らせるし、時々会いにきますよ」


「伯爵家はどうするつもりだ。それと俺の女だとどこの貴族の息女だ」


「同じ冒険者の平民ですよ」


「そんなことは許されないぞ」


「まぁそうなの。今度ちゃんとつれてきなさい」


 継母は空気を読まず発言した

 父上が頭を抱えていたが


「そうですね。今度来るときには、連れてきますよ」


「そうゆう話じゃない。伯爵家の嫁が平民だなんて、他の貴族の奥様連中に

 いじめられるそ」


「それもあるから俺は、フォース家を継ぐつもりはない」


「何を言っているんだ。お前以外誰が継ぐっていうんだ」


「アレクがいるじゃないですか。ルークに聞いた所いい子に育ってる

 みたいだし、伯爵家を継いでも問題ないはずです」


「え…僕ですか……」


「確かにアレクはいい子に育った。しかしお前がいきているというのに

 アレクに継がすわけには……」


「俺がここに来る前は、アレクが継ぐ予定で勉強とかもさせていたんでしょう?」


「確かにそうしてきた。しかし……」


 俺は最後まで言わせず


「もう俺には貴族として、生活していくことは無理なんですよ。今まで、

 地獄の特訓だった日々もありましたけど、もう何かに縛られて

 国に命令される生活なんて俺には無理なんですよ」


「ルードの決意は変わらないのか……」


「変わらないです」


「……………そうか……わかった」


「あなた」


「父上」


 継母とアレクが抗議したが、決定は覆らなかった

 父上が二人を追い出したあと


「よく俺の我が儘を、許してくれたね」


「許さなくっても、ルードならいつの間にかいなくなっていそうだからな」


「まぁできなくないな」


「監禁しておきたくてもお前をとめれる人間が、この屋敷にいないし

 ジューク山に彼女がいるっていったのと、ルードの強さが決め手だな

 その強さがあれば望めば、王女様を嫁にすることも可能だからな」


「そうだね。野心があればな」


「野心がないのはわかっている。だが勘当するわけじゃないんだから定期的に

 会いにきてくれるか?」


「あぁわかっているよ。時々顔を見せにくるさ」


「楽しみに待っている」


 その後二人で酒を酌み交わし寝た

 二日後俺はジューク山にむけて帰ることにした


「みんなまた会いにくるよ」


「気をつけていってこい」


「彼女を連れてきてね」


「元気で帰ってきてください」


「いってらっしゃいませルード様」


 俺は父親 継母 アレク ルークに見送られながらシーリア達の待つ

 所へかえることにした

 フォース家が、所有している豪華じゃない馬車でラルスの街を経てようやく

 王都ジーレシアに到着した


「世話になった 父上にありがとうと伝えておいてくれ」


「わかりましたルードリッヒ様」


「それとこれで屋敷の連中や、お前の家族に美味しいものでも買って帰ってくれ」


 俺は金貨4枚を渡した


「こんなに頂けません」


 と断ってきたが俺が受け取らせて帰らせた

 来る時によった、宿に泊まろうと宿にいった所空いていたので泊まれた

 さすがに伯爵家とは、ベッドも食事も違ったが、庶民的な食事でも十分満足できる

 俺を再確認してベッドにもぐりこんだ

 翌日、ギルドにむかう為歩いていると


「お兄ちゃん」


 と声が聞こえその方を見ると、少女が走ってきていた


「エリーちゃん久しぶりだね」


 両手を脇にいれて持ち上げて、くるくる回る


「キャ~」


 嬉しそうな悲鳴を、あげなら満面の笑みで


「うん」


 と返事をしてきたので、お菓子をあげた


「エリーどこへ行ったの」


 ミリエルさんの声が聞こえてきた


「お母さんこっちだよ」


 エリーちゃんが呼び、俺は地面に降ろしてあげた


「迷子になったらどうするの。勝手に走っていっちゃ駄目でしょ」


「は~い」


「あなたは返事だけはいいんだから あら」


 ミリエルさんは俺に気づいたようだ


「こんにちは。お久しぶりですミリエルさん」


「こんにちは。ルドさんお元気でしたか?」


「ええ 問題ないですよ」


「お母さんまたもらったの」


 嬉しそうに報告していた


「ルドさん毎回すいませんね」


「いえいえエリーちゃんの笑顔で、癒されますからね」


 どう返事をしていいのか、困ったような笑顔を浮かべながら、少しの間雑談をし


「そういえばルドさんは、これからどうなさるのですか?」


「俺はバラムに行く予定ですよ。護衛の依頼か商人の人に頼んで、ご一緒

 させて貰おうと思ってます」


「まぁそうなんですか」


「ええ バラム行きの護衛の依頼があれば一番いいんですけどね」


「うちの人が、そろそろバラムへ帰るって言っていたので、ご一緒しませんか?」


「ご主人に確認しなくていいんですか?」


「大丈夫ですよ。ルドさんは恩人ですから、主人も嫌とは言わないはずです」


「わかりました。お願いすることにします」


「ルドさん宿は、どちらに泊まってらっしゃるのですか?」


「まだ決めてないですね。ギルドにいってから、どうするか決めようと

 思っていたんですよ。今日出発の護衛があったら、宿代が勿体ないですからね」


「ふふふ そうですね。それなら私達が、泊まっている宿と同じにしませんか」


「そうですね。そのようが連絡も取りやすいですし、いちいち連絡貰うのも

 悪いですからそうしますよ」


「お兄ちゃんと一緒だ」


 エリーちゃんと手を繋いで、宿まで歩いていくと

 前方からザーンさんが歩いてきた


「こんにちは ルドさん。お久しぶりです」


「こんにちは ザーンさんお元気そうでなによりです」


「あなたルドさんも、バラムに帰られる予定なんですって

 それで、護衛の依頼を探していらっしゃるって言われましたので

 お連れしましたのよ」


「ほぉそれは是非とも、うちの護衛をお願いしなくてはいけませんな」


「ザーンさんがいいのでしたら、お願いします」


「こちらこそお願いしますよ。ルドさんがご一緒してくだされば

 どんな魔物が出てきても、心配ないですからな」


「最善を尽くしましょう」


「心強い言葉です。今からルドさん用に、依頼を出しにいきますので

 一緒に来ていただけますかな」


「わかりました。お願いします」


 ザーンさんと一緒にギルドに行き、依頼を受けてエリーちゃん達が待つ宿に帰った

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