十七話
「そろそろ半年になるわね」
やっぱり龍の力に適応するまで時間がかかるわね
この頃、光の繭も薄くなってきたしそろそろ起きそうね
「リオを迎えにいかなくてはね」
私が飛行して村に近づくと
「みんな見ろレティー様がこられるぞ」
「村長とリオを呼んでこい」
村人が呼びにいっている間に、私は村に到着したがみんな歓迎してくれた
「レティー様ようこそおいでくださいました」
「今村のものが村長とリオを迎えに行っておりますので少しお待ちください」
「わかったわ」
少し待つとこっちに向かって走ってくる村長とリオの姿が見えた
「レティー様ようこそいらっしゃいました」
村長が丁寧に頭をさげた
「レティー様お久しぶりでございます」
リオは満面の笑みで挨拶してきたのだった
「リオそろそろルドが起きそうだから洞窟へお願いね」
「わかりましたレティー様」
「村長様いってまいります」
「リオ レティー様の為にしっかり働いてくるんだよ」
村長はそういうと食料の積んだ馬車がちょうどきた
「レティー様食料を馬車に乗せておきましたので」
「ありがとうね村長」
「月に一度同じだけ食料をとどけますが、少なかったら言ってください」
「ええ わかったわそれとこれは代金ね」
そういうとレティー様は袋を差し出すと村長に渡した
村長が袋をあけると金貨や大金貨が入っていた
「こんなにうけとれません」
大金貨が数枚あるということは物凄い大金であったので、村長は驚いて返却しようとしたのだが
「いいのよ どうせ私は使わないのだし」
「冒険者が持っていたものでまだ洞窟には一杯あるし
リオには数年間はルドの面倒を見てもらわないといけないしね」
レティー様は、村全体の収入より多い金額を私の労働対価として村において
行くことにしたとのことだった
「ありがとうございますレティー様」
村長はこれだけあれば、二年連続不作の年が続いても誰も餓えないで冬をこせるし
子供達を奴隷として売らなくていいと、涙ながらにレティー様にお礼をいったのだった
「レティー様このものが、洞窟まで御者を勤めますゲルタと申します」
と村長が紹介した
「レティー様、ゲルタと申します宜しくお願いします」
「よろしくね頼むわねゲルタ」
「おまかせください」
唐突にレティー様が
「帰りはゲルタ一人になるけど大丈夫?」
と聞くと村長は
「レティー様が山にお住みなってから魔物が減ったので、大丈夫でございます」
と答えると
「あらそうなの」
少し考えられて
「空の馬車で帰るのをもったいないから、洞窟に転がってる
冒険者の装備を邪魔だから積んで帰ってくれないかしら」
村人全員が唖然としてるなか
「そろそろ出発しましょうか」
さっさと馬車に乗り込んでいってしまった
「レティー様、持って帰ってきた冒険者の装備はどうすればよろしいですか?」
と村長がきくと
「村で使うか売ればいいわ」
「本当によろしいので」
村長がレティー様に聞くと
「いいわよどうせガラクタだしね」
「リオ ゲルタ行くわよ」
「はい」
「わかりました」
「リオしっかりレティー様とルド様のお世話を頼んだよ」
「わかいました 村長」
私はみんなに見送られてレティー様とゲルタと一緒に洞窟に向かいました
「馬車に久しぶりに乗るけどいいものね」
「気に入って貰ってよかったです」
ふと気になってさっきの話を聞いてみた
「レティー様、本当に冒険者の装備を貰っても本当によろしいのですか?」
「いいわよ でも本当にガラクタよ」
「屑鉄みたいになってるということですか?」
「それもあるわね へこんでたりするのもあるけど直せる範囲だから基本的に問題ないわ」
「ならどうしてガラクタなんですか?」
「だって魔法付加がないのや弱いものなんですもの」
それを聞いた私は言葉にならなかった
通常の冒険者の装備でもいい品になると大金貨2~4ぐらいするのに
魔法付加がついている装備なんて白金貨の世界の品なのである。
ゲルタが装備をみて腰を抜かさないように声をかけようと心に留めておくことにした
それから何事もなく半日で洞窟へついたのだった
「ルドの様子を見てくるから食料はその変に置いておいて」
そこは壁に少し亀裂が入っていて、冷たい風が吹いていて回りより少し涼しかった
そろそろ食料を降ろし終わるって頃ゲルタに話しかけた
「レティー様から貰える冒険者の装備なんだけど
魔法付加装備まであるらしいから腰を抜かさないでね」
「マジで・・・・」
「ええ 本当みたいよ」
「レティー様の感覚だと、弱い魔法付加装備やついてない装備はガラクタの範疇らしいわ」
絶句しているゲルタを横目に普通の装備もいい品だろうと私は思った。
レティー様に無謀にも挑もうという人達の装備なのだから悪いはずがないのだ
後はレティー様にどんなけ壊されているかよね
ルドの様子を見に来たレティーは
「まだ繭の中みたいね」
最初の頃は中が見えなかったけど、今では透けて中が見えるぐらいだからそろそろ
起きるはずなんだけどね
そろそろ馬車から食料を降ろし終わってる頃だし二人を装備のある部屋に
連れていきましょうかね
「リオ ゲルタ降ろし終わった?」
「はい レティー様」
「こっちきて ガラクタの場所に案内するわ」
ドキドキしながらついていくと
「これがそうよ」
そこには見たことのない装備が転がっていた
「こんな立派なものを貰っていいのですか?」
レティー様に聞くと
「いいわよ いらないし」
「積める分だけ積んで帰ってね~」
軽い感じで奥にいってしまったので、残された私たちはどうしようかと
顔を見合わせたまま呆然としていたが気を取り直して
「ゲルタさん言われたとうり装備品をつみましょ」
私がそうゆうと、ゲルタさんは頷いて馬車に装備を積み込んだのだった
その時本当に鉄屑同然と、普通の装備を載せただけで馬車にはこれ以上入らなかった
「レティー様積み込み終わりました」
私が奥に向かって声をかけると
「そう 気をつけて帰ってね」
と言う声だけ聞こえて奥で作業をしてたので
「ゲルタさん村長に装備を売ったお金で食べ物や生活必需品を
余分に少し増やしてと伝えといてもらえますか?」
「もちろんです」
ゲルタさんは当たり前という感じで返事をし
「一月後にまたきます」
といいのこし帰っていった




