十話
その後は、襲撃されることもなくトロルミに到着した
町に入り品物を店に卸すと、今日の俺達の仕事は終了した
明日の朝9時にトロルミを出発して、バラムに向かうので
集合時間まで自由行動になった
「俺は初めてきた町だから料理が美味しい宿はしってるかラムア?」
「同じく初めてだから知らないです」
二人でそんな話をしているとシーリアが
「私がいつも使っている宿が美味しいよ ついておいで」
と言うと歩いて行ってしまった
人を意見を相変わらず聞かない人だなと思いながらも、美味しいならいいかとついていった
「ここよ 部屋から湖がみれて美味しい魚料理もでるいい宿よ
お金がないなら湖が見えない部屋だと安いわよ」
なるほど見えるほうが人気があるからか
「おじさん 私は見える部屋をあんた達は?」
「見える部屋と見えない部屋は、どれぐらい値段が違うのですか?」
ラムアが聞くと
「見える部屋が朝夕食事つきで銀貨3枚 見えない部屋が銀貨2枚だよ」
「なら見えない部屋で」
ラムアはそんなにお金に余裕がないようだ
「俺は見える部屋で」
「あんた意外とお金持っているのね C級ぐらいだとお金に余裕がないから
普通見えない部屋にするんだけどね」
「この前運良く臨時収入が入ったのが、まだ残っているからね」
馬鹿二人組のおかげで、懐があったかいのであった
宿を確保したので、俺は町に買い物にでかけた
「何かいいのがないかな~」
と見ていると
干物を焼いている人を見つけた
「なにしてるの?」
「試食の為に焼いているんだ 食べてみな」
魚の身を少しもらって、食べてみると美味しかった
「この干物一枚いくら?」
「一枚銅貨15枚 7枚だと銀貨1枚でいいよ」
「美味しいから70枚頂戴」
「本当にそんなに買っていくのかい」
「これに入れてくれるかな」
俺は小金貨一枚と麻袋を渡した
「おまけに余分に5枚入れといたから」
「ありがとうおじさん」
俺は美味しい魚が手に入り女将さんにも、少し分けてあげようと
思いながら宿へ帰っていった
シーリアが言った通り食事も美味しく、部屋から見える夕暮れの湖も美しく
朝の日の出も綺麗だったので、文句ない宿だった
次の朝みんなと合流し、バラムの町への帰路についた
今回は魔物や盗賊に襲われることもな、く何事もなくバラムに帰ってこれた
馬車の中が魚臭かった事だけが最悪だった
行きは盗賊などの襲撃があり4日かかったが、帰りはなにもなく3日で帰ってこれた
依頼完了書を貰いギルドに行くと大騒ぎになっていた
キングベアーのそれも亜種で、通常の個体の2倍はあり敵意の塊で偶然出会った
6人PTのうち4人を殺し、二人は何とか生き延びてきたという話だった
ハイオークが何故あんな町に近い場所にいたか納得した
キングベアーが縄張りに現れて追われてきた先が、町の近くだったのだ
討伐依頼が載っており
討伐依頼 キングベアー亜種A級相当
応募資格 C以上
報酬討伐 大金貨6枚
募集人数 上限なし
大金貨6枚は魅力的だ。、なによりキングベアーの肉が美味いんだこれが
それも亜種だから通常より、強い最近オークやら盗賊などの弱い敵だけを相手にしてきたので
人に見られないように鍛錬はしているが、強い敵が欲しかった所にキングベアーがきた
これは受けるしかないな
「すいません これを受けたいんですけど」
「キングベアーですね カードを渡してください」
「あと依頼完了書もあるので一緒にお願いします」
「わかりました カードと依頼の報酬の小金貨1枚です」
両方を受け取って宿に向かおうとすると
「ルドちょっとまちな 私達とPT組まないかい?」
シーリアが声をかけてきた
「別にいいけど俺はC級だぞ」
俺一人で殺そうと思っていたが、探すのが面倒だし一緒に行くことにした
「なら明日朝北門8時集合だからね」
とシーリアは言い去っていったので、俺は宿に向かうことにした
その前に袋から魚を取り出し20枚を違う麻袋に入れておく
「女将さん泊まれる?」
「ルドさん泊まれますよ 何泊します?」
「とりあえず一泊でお願い それとこれお土産だよ」
「まぁまぁ ありがとうねルドさん、こんなに貰ってもいいのかな?」
「いいんだよ 毎回美味しいご飯作って貰ってるからね」
「期待に応えて美味しいものを作るよ」
「楽しみにしているよ」
部屋に行き期待通り美味しいご飯を食べ、明日への英気を養い眠りに落ちた




