表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

「なかなかうまくいったな」エールで乾杯した後、男が口を開く。

その場には男を含めて3人がいた。

「ああ、チョロいもんだな」

「ここまではね。明日が本番なんだから気を抜かないように」

「へいへい」

男の軽口に女が釘をさす。

明日は身代金を受けとる予定で、絶対にしくじるわけにはいかないのだ。

「それより、ちゃんと金は貰えるんだろうな?タダ働きで、はいおさらばってのは無しだぜ」

どうやら女がリーダー格のようだ。

「あたしがそんなに信用できない?前金は渡しているはずよ。それでも信じられないと?」

「いや、大金が手に入るんだ。なんか夢みたいで信じられなくてよ」

「報酬は全員で山分けよ。とにかく手筈通りに」

男二人は頷いた。

「しかしよぉ、あのお嬢様はやっぱりコレなのかい?」

男が親指で喉を切るような仕種をする。

「ええ。あの領主の娘は生かして帰さない」

女は冷徹にいい放った。

「そうだ、俺たちを苦しめた領主に罰を与えてやろうじゃないか」

メルーサ領は高すぎる税金により、民が貧困に喘いでいた。

領内各地で暴動が起き、食べるものがない為飢え死にをする者もいた。そんな情勢にした領主を民は恨んでいる。

「でもよぉ、あの娘は関係無いんじゃないか?悪いのは父親の方だろう。まだ若いのに殺すなんてあんまりだ」

なぜそこまでするのかと。

「それも依頼の内よ。殺せないなら報酬は払わないわ」

この誘拐は依頼されたものだ。しかもこのご時世に多額の報酬付きで。一も二もなく受けおったはいいが、理由を知らないまま娘を殺さなければならない。

今まで生きるために殺しは何度かやった。しかし今回は相手が貴族でまだ子供だけに躊躇った。

「そうか。まぁ娘の運がわるかったってことだな」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ