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ビスケットを食べ終えると少し元気が湧いてきた。ついでにお腹の虫も収まったようだ。

「なかなか気が利くのね。味はまあまあだったけど」

一応彼女なりに感謝の言葉を述べつもりだ。

うっかり平民に食べ物を恵んでもらったことは、都合よく忘れることに決めた。

「・・・どういたしまして」

エリックは若干顔をひきつらせながら返事をした。

「じゃあ行こうか」

と言って明かりを持たずに出ていこうとするので引き留めた。

「ランプは?」

外は暗い上に、パトリシアはヒールの細い靴を履いているので足元が不安定で歩きにくい。

「いや、すぐそこだよ」

パトリシアは疑問に思う間も与えられず、エリックに手を掴まれて小屋を出た。

「ちょっと」

不満そうに声を荒げかけたが、

「静かに」

その瞬間---

パトリシアはエリックに引き寄せられる。

そして顎をつかまれて上向かされ、

かなり近い距離で彼と目が合った。

訳も分からず抱き寄せられてパトリシアは全く反応ができないでいる。

「できないなら口、塞ぐよ?」

「なっ」

思いもしない距離から慣れないセリフを言われたパトリシアは、顔を真っ赤にして呆然とする。

それと同時に急に鼓動が早くなっていく。


彼はパトリシアにニヤりと笑うとまた彼女の手を引いて歩きだした。



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