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悲劇(2019)
2019年1月8日のメモ
悲劇とは突然訪れるものだ。
俺は車に轢かれてしまった。俺が飛び出したせいだ。本当に申し訳ない。あなたを殺人犯にしてしまって⋯⋯
「佐藤さん、佐藤さん。」
誰だ、俺の名前を呼ぶのは。
「うぅ⋯⋯」
頭が痛い。そうか、俺は生きてるのか。良かった。
「佐藤さんが目覚めたぞ!ご家族に電話だ!」
そうか、佐藤さん目覚めたのか。
佐藤さん俺か。
しばらくしたら両親と嫁が来てくれた。
「ごめんみんな、心配かけちゃって」
「⋯⋯⋯⋯」
なんだ?みんなどうしたんだ。なんで考えてる顔してるんだ。ロダンか。
父が口を開いた。
「君は誰だ?」
え?
母も嫁も俺のことが分からないらしい。
謎だ。謎すぎる。意味わからん。
その後友人にも電話を掛けたが「誰だお前」と言われて切られた。
普通なら俺が記憶喪失でみんなを忘れる感じだろこれ。何で逆なんだよ。