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無声心(2018)

2018年6月18日のメモ。初めて書いた真面目系作品がこれでした。供養供養。

心は声を持たない。だから、心は抵抗出来ない。そんなことは誰でも分かっている。

分かっているからこそ、人はその無抵抗な「心」を責め立てる。




「転校生の紹介をする。北海道から来た、蛯川さんだ!」


「え、蛯川(えびかわ)真奈美です⋯⋯よろしくお願いします⋯⋯」


「元気ないなー」「なんだこいつ」「うざいわー」「よく見るとかわいいぞ」「でもオドオドしててキモい」「てゆーか高校でも転校とかあるんだ」「試験受けたのかな」「どうせ金だろ」


「す、すみません⋯⋯」


「はいはいそこまで!蛯川さんは家の事情で急に岐阜に来ることになって、いろいろ大変なんだ!みんな仲良くするように!」


真奈美は先日、事故で両親を亡くし、岐阜にいる叔母家族の家に引き取られたのだ。

なので、今は岐阜にいるが、岐阜のことは何も分からない。白川郷くらいしか知らない。


「蛯川さん、よろしくね!」


「わっ、あわわよろしくお願いいしします!えっと⋯⋯」


「真紀だよ、夏野真紀!真の字が同じだね!(金持ちかもしれないからとりあえず仲良くしておこう)」


心の中でどれだけ下衆なことを口走ろうと、外に漏れることはない。


「ねえ真奈美、北海道ってやっぱり寒いの?(北海道行ったことあるけどこいつと話すことあんまり無いから聞いてみるか。自分から話を振りもしねーでよ、まったく。)」


真紀は転校生である真奈美によく接してくれて、優しくしてくれて、学校のこともいろいろ教えてくれて、勉強も教えてくれた。

真奈美は最高の友達に出会えて幸せだった。




が、昼休みに事件は起きた。

真奈美の弁当が無いのだ。


しばらく探すと、ゴミ箱で見つかった。


(まさかさっきトイレに行ってる間に誰かが⋯⋯!?)


「誰がやったのよ!真奈美が泣いてるじゃない!!(面白くなってきた!オドオドした態度とってるからだ!馬鹿め!)」


「真紀ちゃん⋯⋯」


やっぱり真紀ちゃんは優しいなぁ、と思う真奈美であったが⋯⋯



事態は悪くなる一方で、なぜかクラス全員が真紀を疑い始めた。


「いい子ぶりやがって、本当はお前蛯川が嫌いなんだろ!」


(そんなはずない⋯⋯!真紀ちゃんがそんなこと⋯⋯)


「私じゃないよ!(ちっ、こいつと仲良くしてたせいで目ェつけられたか、クソが!!)」


なんと、真紀がいじめのターゲットになってしまったのだ。


真奈美と仲良くしていたせいでいじめのターゲットになった真紀は、真奈美のことを最悪の疫病神だと思っている。



「今日はごめんね真紀ちゃん、私のせいで⋯⋯」


「⋯⋯⋯⋯」


真紀は真奈美を無視して帰ってしまった。


(転校初日からこんなことになるなんて⋯⋯)

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