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2001/03のお話 遭遇のその四

三月の最終編です

失踪事件の謎は深まるばかり…

先生が失踪した。しかも、昨日目の前で話していた人が

消えた。居なくなった

「話術師の可能性もあったって事だよね」

多栄が、灯華と俺を集め昨日一体何があったのか話し合っていた

村での初めての体験。恐ろしい体験。

もしかしたら明日は自分なのかもしれない

「今回の、先生の失踪はおかしい所だらけよ」

灯華が、不明な点を言い並べた

「まず、先生は一昨日の夜洸樹君と話している。でも、洸樹君には様子が変わった素振りはしていない」

もし、先生が向こう側の人だったならば無事で帰って来れる訳がない

「しかも、先生の職業は教師。人と話す機会ならばそこらの人以上よ」

一つそれを聞いて疑問に思う事がある

「ちょっと良いか?話術師の話に乗ったら向こう側の人になっちゃうって事だよな」

「人の話に乗るって結構曖昧な書き方だよな

どのラインまでなんだそれが分からなくちゃ対策しようにも

出来ないじゃないか」

結局どの話にでも反応してしまえばそれは、乗った事になるのだろうか?

「五条厳守言は、洸樹君にも言ったように特定の人にしか伝えられていないのよ。しかも、知っていたとしても他人に話すことは禁止されているの」

禁忌は、人に伝染する。そう信じられており決められた人にしか伝えられていない

「でも、それは噂だろ?現に、今俺はこの禁忌の事を知っていて。何も変化はない」

伝染するのであれば、多栄から禁忌を教えて貰った自分はそれに反している事になる

その、変化が無いのであればそれは言い伝えだろう

「この禁忌には、明確な部分とそうでない所が結構あるんだな」

「行くか」

多栄が立ち上がってガッツポーズする

「行くってどこに」

「巳千の所よ」

いきなりの事で理解が追い付かない巳千?巳千ってあの?

「良いからちょっと付いてこーーい!」

勢いに押され、俺たちは巳千の家へと向かった


「はえぇ…こんな所に家が…」

山道の脇にポツンと一つ、小さな家が建っていた

「皆。来たのね…話は多栄から聞いてる」

奥へと誘われ、三人はリビングへと通される

机にはお茶が出されており、一つの紙のような物が置かれていた

「改めて。皆よく来たね…。」

巳千が、いつも以上の神妙な顔で話す

「皆。皆にいつもお世話になっている…。ありがとう。今回はそのお礼よ…」

そう話すと、置いてあった紙をバッと机いっぱいに広げる

掟。そうとだけ書かれた紙

「洸樹君には、言ってなかったね…私。術師の巳千…。

この村で禁忌の事を詳しく知ってる三人の一人…」

まさか、術師が巳千だったとは

「今。私は。とても困っています」

巳千は、そう言うと紙を指さす

「家系図…?」

その紙には家系図が書かれていた。

巳千は昔からの術師家系のようで、ずらっと家系図に名前が連なっていた

「それで何が、困っているんだ?」

家系図を見て何か変わったところは無い。だが、巳千には重大な事があるらしいのだ

「ま…でも。その前に話術師について話をしていくね…」

巳千は謎に包まれた話術師について話してくれた

「そういう事なのね…」

多栄ですら聞いた事の無い色々な事を、巳千は教えてくれた

結論からすれば話に乗ると言うのは向こうから話しかけられ

た上で、意図をもってした物に対してしか、術は効果を得ないみたいだ


「私。困ってるって言ったよね…」

巳千は話術師の分かってる全てを話した上で、話を元に戻す

「二つ困ってて…。一つが実は…術師は私の代で終わりなの」

術師は、村を鎮め出来る限りの話術師からの被害を食い止めると言う事を目的としている

居なくてはならない存在なのだ

「それは、何か理由があるのか?」

後継者が居ない訳ではなさそうなのだがなぜ。なぜ、そのような重大な役職が無くなってしまうのか

気にしてならなかった

「それは…術の対抗が出来なくなったの…

その…話術師の数が急増してるみたいで

それまでならまだ良いんだけど…数が増えると話術師の成長が止められないの…」

退治には限りがある。でも放置する訳には行かない…そうすると慣れた話術師を退治するまでにも時間がかかってしまう事になるのだ

「昔から代々この村を守ってきた…。でも退治の術の浪費が激しくて…力が薄まってるの…」

巳千も力は持っていたらしいが、ここ数年前からの急増で

力は無いに等しい状態になってしまったのだ

それを深刻に感じた巳千の親は、力を使い切ってしまう前にここで大元を断ち切る計画を立てていたのだ

「それで、二つ目は?」

困っていることは二つ、これだけでも相当辛いが…

巳千は、口を開く

「代が途切れる前に大元を断ち切る…そう言った…でも誰がどの様にしてるかまではまだ見当もついてない…だから皆の協力が欲しい」


今ここで俺たちの戦いが、始まる合図を告げる様に烏が一斉に飛び出す。そしてそれは、長い長い見えない敵との戦いを告げる合図でもあった…


最終編いかがでしたでしょうか

これから謎はもっともっと難解になっていくと思いますが

己の力を信じれば解けると思います

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