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2001/03のお話 遭遇のその二

三月のお話のその二です。

三回も自分の言葉で文を書くだなんて思ってもいませんでした。

続けばいいなこれを口癖に続けていきたいと思います

「あれが話術師よ」

多栄から教えてもらった。だが、いきなり教えて貰ったとしてもすぐ飲み込めるほど、頭は良くない

「すまん、話術師について良かったら詳しく教えてくれないか?」

俺は、詳細を話してもらう為に多栄に詰め寄った

「ま、待って教えるからさ。ね?ちょっと落ち着いて落ち着いてって」

俺達は、空き地の街頭の下で話をするのだった

「話術師ってのは、村の禁忌を犯した人が陥る末路って所までは分かった?」

それはなんとなく分かる。話がまるで噛み合ってなかったからな

「うん。分かるよ。でもさ、さっきは何がおかしかったの?」

夜が良くて月が良い、そしてお酒も良い。

大人ではないが、大人からすれば良いんだろうな。

分からないけど

「ほら、上見てよ。空を」

多栄は、そう言うと上に指をさし空を見上げた

「空?そうか、今日は月が見えない。何なら雨が降りそうな程の曇り」

そう考えるとあの男性が言ってた事はおかしい。頷ける

「にしても、話術師にあったのは、これで二回目なんだけどね…良かったよ」

二回目?良かった?何言ってるんだ?

「何だ、話術師に良いも悪いもあるのか?」

さっきのが良いとすれば、何が悪いのかと多栄にさらに詰め寄る

「ほら。ね。ね。分かってるってば、ちょっとちょ、かっ顔っ。ち、ちち近いよ!」

少しだけ、頬を赤らめのけ反る多栄

そこへ、間に体を差し込む様に灯華が入ってくる

「あぁぁのさ!良いから、私が説明するから」

灯華が説明してくれるのか、そっちの方が信頼出来る

俺は、多栄には悟られないように頷いた

「話術師には、()()()()()()()()

「慣れ?」

俺の上にはクエスチョンが浮かんでいた

「そ、慣れ。君はいきなり小噺してって言われても出来る?」

それは分からない。でも、瞬発的に出来るかと言われれば

出来ないにベットするだろう

「出来ないです…」

「でしょ?」

「話術師は、相手をこちらに引き込むのが仕事なんだけど

相手を巧みにごまかすには、それだけの練度が必要と言う事。分かった?」

なるほど。話術師になったからと言って、すぐに人を騙す事は難しいって事か

「それは分かった。でもよ、話術師になるとどうなるんだ

名目上の死になるのは分かったが、具体的な事を教えて貰っていないぞ」

名目上の死と言うだけでも少しおかしいが、それよりもおかしい事がある。なぜ話術師と言う存在が生まれてるのかと言う事だ

「それは分からないの。ただ禁忌を犯さなければ良いと言う事は分かる」

どこから生まれた自信だ。でも、村の人が言ってるんだ信じるた方が身の為だろう。灯華は続ける

「さっきの男性はあからさまな嘘を付いていた。この村には交番が無い、だから些細な嘘でも禁忌を犯すリスクがある以上付く事は無い。ましてや、相手は見知らぬ人」

だからか、だから多栄はあんなことを言った訳だなと

まだ、心は整理されていないが頭では感じていた

「あれは、練度が足りてなかったねぇぇ…」

ニヤリと多栄が奥で笑う

「でも、多栄一回目の時危なかったでしょ?私が居なかったら」

灯華が多栄の顔を下からのぞき込んで笑う。

多栄は、目を見ないように視線を避ける。

灯華は、それを追いかけるように目を追いかける

「わーったわーったから!何で今日はこういう日なんだよ!」

多栄は、息を整え俺に向かって話した



「初めて話術師にあった時な。相当な手慣れの話術師にあったんだよ」

手慣れの話術。ふむ、良く見破れたな

俺は話の内容を聞いてみた

「ここに来るのは初めてでさ。若い男性がその日話しかけてきてこう言ったんだよ。

バスに乗り遅れちゃってさ…

ここらのバス停でさ明日湖(あずこ)前って所があるよね?

次の出発は、この11時32分のやつで合ってるよね」

だと、俺にはおかしな所はさっぱり分からん

灯華がどのように見破ったのか気になる所だった

「そんで、灯華はどうやって見破ったのさ」

聞いてみた方が早い。なんでも情報だ。情報を制する者が勝ちを得る事が出来る。基本中の基本だ

「あの日、話術師に合った時は丁度これくらいの時でね。この明日湖ってのは、十二月になると五月ごろまでバスの本数が変化してね。三月には一本しか通らないの。しかも、その日はバスは通らない日だったの」

灯華は、その矛盾点を瞬時に気づいて応えようとする多栄を押しのけ、間に合ってると言ったそうだ。

しかし、これには一つおかしいところがある

「でもよ。その人はここに来るの初めてだったんだろ?分からないのも不自然じゃないだろ?」

そうなのだ。この村は交通の便が本当に悪い。間違いの一つや二つ普通にあることだろう。それで、なぜ矛盾していると気づいたのだろうか

「簡単な事さ。鞄だよ」

「鞄?」

鞄なんて普通に誰でも持ち歩くものだ。それのどこに、おかしな所があったのだろうか

「この村にはね。とある場所を出ると絶対に付く印があるのよ」

とある場所。ふむふむ、分からん

俺は答えを聞くことにした

「私たちの学校よ。鞄に私たちの高校ワッペンが付いていたのよ。村の高校生ならバス事情は把握している。さっき言ったようにここは、交通の便が悪いからね一つ逃せば大惨事よ。」

その子は、一年後に失踪したらしい

町から来た警察は、事故として処理したそうだ

「そう聞けば、さっきの男性は穴だらけだったな」

この日、多栄がここに集めた理由は話術師について教える為だった様だ。人とも知り合えたし、実際の話術師も見た事だし良かったかもしれない

「まぁ、他にも話したい事があるが雨も降りそうだしな!残りはまた、いつか夜集まってお話ししようじゃないかぁ!」

俺たちは、そうして別れ帰路の途中

「結構興味深かったなぁ…話術師…か」

家が見えた。明かりはまだ点いている

「比見余寺はこちらですか?」

なんてことだ。後ろから若い女性のような声が洸樹を呼びかけるのだった

話に出る色々な地名や名前は当たり前ですがフィクションです。

たまにどこか合致するかもしれないですが

それはたまたまです。たまたま。

次のお話でまた会えたらと思います

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