2001/03のお話 遭遇
第二話です
展開が見えない恐怖って見てて面白いですよね
自分もホラー映画とかで期待を裏切られる瞬間のあの感覚たまりません…!!
禁忌。それは犯してはならないタブー、言い伝えや伝説とも言われる守らなければならないもの。そんなものが、この柵八重村にはあるそうだ。昨日、多栄に教えてもらった村の禁忌
「五条厳守言…。」
俺は、村に引っ越して既に一か月が経っていた
未だに禁忌は信じがたい
「そろそろ、ご飯よ降りて来なさーーい!!」
親の声が一階から聞こえて来るのだった
多栄から貰った『ルール』と大きく力強く書かれたノートを仕舞い、スタスタと階段を降りて、食卓へと座る自分
今日の晩御飯は、餃子だった
手を合わせたその時、インターホンが鳴る
~ブーーーーーーー!~
親が玄関へと歩く
「洸樹!あの子来てるわよー!」
あの子?この村であの子と言えばもうアイツしかいない
「よーーっす!元気してる~?」
アイツだった。等々こいつは、家にまで来るようになっていた
一週間前、住んでる場所を言わなきゃ良かった
おかげでこの有様だ
しかし今日は、何か様子が違った。別にもう一人多栄の背中に隠れるように立っている男の子が居たのだ
しかも、まだ中学に成りたてぐらいの身長だった
「ほらっ。挨拶!」
多栄が背中を優しくポンッと押して、自分の前にその子を
出した
「駆です…。こっここ…こんばん…ヮ…」
最後が聞き取りにくかったが、駆君と言うみたいだ
「だぁ~!それじゃぁ聞き取りたくても聞き取れないよ~!」
後ろから大声本家が現れる
「この子は駆。私の、五つ下の中学一年生さ」
と、再度紹介が入った
「どーもねぇ…上手く人と話せなくってさぁ…」
頭をポリポリと掻きながら不思議そうに言った
別に駆君がおかしいんじゃなくて、多栄の方がおかしく感じるのは、自分だけだろうか。いや、絶対に多栄の方がおかしい。そんな事を頭の中で、思いながら話を続けた
「今日は何の様だ?」
いつもなら様子を見に来たぞーー!とか村の雰囲気には慣れたかとかそんな事でうちまで来るのだが…
「ちょっとさ。デートしようや。」
「は?」
「マッ!」
いや、違うぞ母よこいつとは、そんな関係ではない。
と言うか、友達にもなった記憶すらない
「もう!そうならそうって言ってよねぇ!どーぞぉ!」
「ちっちちがうって!!そんな!」
必死に叫ぶ、アピールする。でも、全然親の耳には届かなかった。ジリジリと多栄も近づいてくる
「じゃぁぁぁぁ…洸樹くぅぅん?こっちにおいでぇええぇ!!!!!!!!!」
「;@:。+‘。@;~~!!!!!」
声にならない叫びと共に、俺は夜の村へと連れて行かれる
後ろから、待ってと言わんばかりに、息を切らしながら走って追いかけてくる、駆君の姿が後ろの方にシルエットが浮かんでいた
夜八時過ぎ曇り空で雨も降りそう中、街灯がポツンとある空地へと連れて行かれる、空き地には別の子が二人居た。
紫色のもんぺ袴を着た落ち着いた雰囲気の子
そして、これまた中学生だろうか少し小さな女の子が
街灯の下で立っていた
「ごーーめんごめん。待ったー?」
手を振りながら、そこへと走る多栄
遅れてゼーゼーと息を切らして到着した
「九分。」
「へ?」
多栄が思わず声を漏らす
「九分の遅刻。ここに八時って言ったのは誰だったかしら?」
袴の女の子が、多栄に問い詰める
「いやぁ!!それはそれはねぇ!もうね!!うん!!全力でここまで来たんだよ!だからさぁ…」
珍しい。あの多栄が押されている。確かにその袴の女の子からは、何とも言えない圧があった
「ごめんなさい」
いきなり、その女の子は俺の元に寄ると謝ってきた
「いっ…いえいえ…そんな」
もっとあっただろ自分。他に返す言葉が
そもそも福岡では、こんな異性と話す機会はまず無かった
そんな経験の無さが、こんな所で出てしまうとは…
「多栄から要件は聞いていますか?」
「いっ、いえ…」
そう答えると同時に目線が鷲の様に素早く多栄の元に飛ぶ
「しっしししし知らないなぁ~…」
口笛を鳴らし、その場を誤魔化そうとする多栄がそこに居た
「本当にごめんなさいね…私の名前分かる?」
「すみません…ここに来て間もないもので名前をあまり把握しておらず…」
「そ、あとため口で良いのよ。村には、壁は無いそれが村のモットー。いい?」
同級生…いや少し上ぐらいだろうかそんな子に諭されるとは
思ってもなかった
「私は灯華。貴方と同じ…と言っても高校は村に一つしかないかそこの三年よよろしく」
すると奥から声がした
「私。巳千です…」
小さな女の子からだった。二人の名前は、灯華そして巳千みたいだ。その時だった
多栄が皆の背中を押し街灯の下へと連れる
「今日は…見たか?」
見た?何の事だろうか一切として伝わらない
「見てないわ」
「同じです…」
「わ…私も見てないです…」
他の子は答える。俺だけが通じていない話題の様だ
「ちょっ、と待ってよ何の話だ」
俺は多栄に話しかけた。
多栄は、皆の眼を見て俺の眼と視線を合わせる
「話術師よ」
話術師?あの?話術の?
「ほら、前に言ってたでしょ五条厳守言」
それを聞いた瞬間鳥肌が立ったゾワっと
しかし、その禁忌と話術には何の関係があるだろうか。
そんな事を考えていると、一台の自転車が通りかかった。
自転車に乗っている中年の男性は降りて、こちらに歩いてくる
こんな夜に出歩くとは、どういう事だとでも言われるのだろうか少し怖い。
その男性は全員に向かってこう言った
「こんばんわ。いいよるだねぇ…いいつきだねぇ…こんなよるにはおさけがほしいねぇ…」
酔っ払いだろうか。いきなりお酒だとか言い出す
その瞬間だった多栄が喋る
「間に合ってます」
?何を言ってるんだ話がまるで噛み合っていない
「そうかぁ…ならしかたないなぁないなぁ…」
その男はそう残すとその場を離れていった
何があったのかと、俺は多栄に聞いたすると
「丁度いい時に居たわね…あれよ、あれが話術師私たちを陥れる追放される人よ」
深刻そうに伝える多栄の眼には嘘偽りのない清んだ眼を俺に向けていた
話術師登場となる二話いかがでしたでしょうか
色々とばらまいてみました
次のお話の更新があった際にはよろしくお願いしますですです