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季節イベントシリーズ

おりひめのなみだ

作者: つこさん。




今年も大雨の中の七夕で、これはきっと織姫の涙だとあたしはいつも思ってる。




その心はって、年に一度しか会えない男に操捧げて、ずっと過ごしてる女の身になってみなよ。


さみしくてもさみしいって言えない。

会いたくても会いたいって言えない。


やっと会えるときには笑顔作って、最高にかわいい自分演出するんだ。


そして一日が過ぎればまたお別れ。

そんな関係でしかないのに惚れた弱み。


今日一日を笑顔で過ごすため、代わりに空を泣かせてるんだ。


きっとそう。




21時以降のメッセ。

なんて送ろうか何度も書き直す。

結局いつも同じ文面。


『元気?』

『ごはん食べられてる?』

『仕事忙しい?』


物分りのいい彼女をするのは大変。


長文メッセはうざいって前に言われたから。

「いつ会える?」て訊くの重いって言われたから。

あたしはあたしの言葉を殺す。




織姫は平気なのかな。

毎日不安じゃないのかな。

会える日がわかってるからそうでもないのかな。

あたしは今年もまたひとつ年をとったよ。




何年こんな日が続くだろう。

あたしの彦星はあたしを思って泣くことあるかな。

あたしはちゃんと、あの人の織姫かな。




雨が激しくなった。

かなしいよね、あなたも。




以前、八刀皿 日音さん( https://mypage.syosetu.com/1046406/ )の活動報告で話した内容を、雨に降られて帰れない状況で書きました


盆暗さん、その節はありがとう

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短いお話でしたが、凄く印象に残りました! 素晴らしい作品をありがとうございます!!
[良い点] 切ないですね…。 織姫ちゃん、そんな奴より、俺がいるよ?と、職場の牽牛候補が、現れてかっさらったりして…。(妄想) [一言] 雨の時は、カササギが張り切ってる説も、好きです。 お世話好きな…
[一言] 会えないイケメンより、毎日会える汚いオヤジの方が愛らしい…………はず (*´д`*)
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