未知
なろう初の投稿で、テストを兼ねてるこの作品にたくさんの閲覧者が来ていることにめちゃくちゃビビってます。
なんならブクマがついてて怖いです。はい。
リア友にはレビューで過大評価されちゃったし…。
まあ、なんとなく気分で書いてる作品なので、暇つぶし程度にでもしてやってください!
「……説明、きく?」
無表情に戻り、感情の読めない蒼い瞳が俺を見上げる。
その目を見て、なぜだか全身にじとりと汗が滲んだ。
聴いたらもう今までの日常には戻れないような、そんな予感がしてぞくりと背筋に悪寒が走る。
…それでも、頷いてしまった。
ゆっくりと頷く俺を見て、少女もまたコクリと頷いた。
俺に手のひらを向けて軽く目をつむる。すると、少女の手のひらに青白い光が現れた。アニメやゲームでよく見る、魔法のグラフィックに酷似している。
「…おい、それ、どういうことだよ……」
少女が放っていた光弾は、遠いこともあったし見間違いだと思っていた。なにか光っているものを投げたのだとも思った。
でも考えてみれば、あの光弾が消えた理由に説明がつかない。
なんで現実世界で魔法みたいなものが使えるんだ。
今の科学技術じゃ、そんなことできないだろ?どこの国の技術でも、そんな魔法みたいな現象が起こるものなんて聞いたことがない。
「………ッ!?」
光が弱まるのと、ほぼ同時。
ショキショキと音を立てる桶を手に持った、人間のオジサンにもみえるナニカが少女の背後に見えた。
骨ばった手の伸びた先は、少女の下げられた細い腕。
「うッ、うし…ッ!」
後ろになにかいる
そう叫ぼうとしたが、声がかすれて音にならない。
「…大丈夫」
次の瞬間、俺の視界から少女が消えた。
「ウガッ…!?」
「………え?」
少女の背後にいたナニカが、真っ二つに割れた。
二つになったソレが地面に落ちた瞬間、まるで最初から何もなかったように霧散し、消えていく。
少女は低い姿勢で俺に背を向けていた。
「お前……それ…」
「…?…ああ、これ…」
立ち上がって振り返った少女が、手に持ったものを俺が見えやすいように持ち上げた。
「天叢雲剣」
「あ、あまの…?」
「…えっと、草薙剣」
「くさなぎの、つるぎ?それって、三種の神器の…」
「そう。普通の剣だと、妖怪は斬れないから」
「は?妖怪?斬る?」
意味が分からない。
魔法みたいなものが使えて、妖怪がいて、草薙剣を持ってて、当然のように妖怪を斬るためだとか言い出して…
コイツは何を考えてるんだ?
そもそも、妖怪ってなんだよ。いねぇよそんなの。大昔の創作だろ?
「…妖怪はいる。普通の人間とは、波長が違うから見えないだけ」
「……なんで、俺の考えてることがわかるんだよ」
波長が違うって?妖怪を斬るために草薙剣を持ってるってことはさっきのナニカは妖怪だったってことか?そしたらなんで俺は急に妖怪が見えるようになったんだ?
「…いっきに質問しないで。ちゃんと説明する」
少女が少し顔をしかめて近くのベンチに座った。
隣に座るよう促されるまま腰掛ける。
「考えてることがわかるわけじゃない。…ごめん。普通の人からしたら、先回りして質問に答える私の話し方は気味が悪い」
伏し目がちに話す少女を見て、取り乱していた頭に落ち着きを取り戻した。一つ大きく息をついて頭を切り替える。
「……いや、こっちこそごめん」
「別に平気。…じゃあ、説明する」
俺が頷くのを見ると、視線をそらして前を見た。
「波長は、電磁波の一種。人間は限られた波長帯のモノしか見ることができない。可視線って呼ばれるものがそれにあたる。…例えば、紫外線とか赤外線、電波なんかは目に見えない。それは人間が見ることができる波長帯にないから」
虚空を掴むように手を動かす少女。つられて同じように小さく手を動かしてしまう。
この手の中には、電波や紫外線があるのだろうか。いや、紫外線は太陽光が届かない今、ここにはないのかもしれない。
「…妖怪も、人間が見えない波長帯にいる。極稀に、人間の見える波長帯と合ってしまう個体が現れて、それを見た人間が記録に残した」
「……理屈はわかった。じゃあ、お前は妖怪が見える波長帯を見ることができる人間の個体ってことか?」
少女は少しの間目の前の空間をボーっと見つめ、遠慮がちにコクリと頷いた。
「そんな、ところ」
「…最初、空間に向かって光の弾を当ててたのも、妖怪にか?」
「…うん」
「さっき草薙剣で斬ったのも、当然妖怪だよな?」
「そう。…さっきのは多分、小豆洗い」
川が近くに流れているから。と自然公園の奥の方へ視線を向けた。
たしかにあの方向には、公園内にも流れている中規模な川がある。少女はきっとその川を差しているのだろう。
そして、妖怪小豆洗い
一度は聞いたことがある有名な妖怪だ。
たしか小豆洗いは、川の近くで小豆を洗う『ショキショキ』という音を出す妖怪だったはずだ。
「…あれ?でも、小豆洗いって人を襲ったりするのか?」
「小豆洗いは、人を攫うこともある。あまり知られていないけど、意外と怖い妖怪」
「へぇ…」
俺のイメージしている妖怪像とは違うところが多くあるみたいだな。
……それにしても、
少女がわかってる、というように目線で俺を制し、再び口を開く。
「貴方が急に妖怪を見ることができるようになったのは、私が貴方の見ることができる波長を操作したから。…私の、特殊能力だと思ってくれて構わない」
「……ハア?」
特殊能力?
まぁた現実とかけ離れた単語が出てきたよ…。
この子の口ぶりから考えるに、今話してることは全部本当のことなんだろうけど…。妖怪だの特殊能力だの、非日常なモノが一気に押し寄せすぎて脳内パンク状態だ。
「自分でもなんで波長を変えられるのかわからない。生まれた時から、私は他の人間と違う個体だった。…それは、質問されてもわからない」
「…わかった。そこは置いておこう。それじゃあ、あの光の弾も特殊能力か?」
少女はためらうような仕草を見せてから、もう一度コクリと頷いた。
特殊能力…ねぇ。
そればっかりは彼女自身も謎が解けていないらしい。仕方がないか。
「えーと、じゃあ草薙剣はどうやって…?」
「…神主に事情を話した。波長を合わせて妖怪を見せたら、腰を抜かして譲ってくれた」
神主さん、ドンマイです…。