白テイマーさんのステータス
もうお気づきの方もいるかもしれないですが、タイトルを諸事情で変更させていただきました。
紛らわしいことをして申し訳ないです。今後はこちらのタイトルでやっていくと思いますのでよろしくお願いいたします。
※
記載忘れ&ミスが早速見つかりました
申し訳ありません。
記載忘れ
HPとMPについて
所持金について
記載ミス
持ち物の追加(ポーション等
本当に申し訳ないです。次回から気を付けます
口に出すことで、ようやくそれを理解した。
何をいまさらと、思うかもしれないけど、つい先ほどまで素で忘れていたのだ。
そうじゃないか、だってこれはゲームだ。しかもRPGだ。主人公のステータスがないわけがない。なんでそんな当たり前のことを今まで忘れていられたのだろう。
私はメニュー画面に存在しているステータスの文字をタップする。
――――
『しらゆき』従魔師Lv2
HP40/40 MP40/40
所持金500ジュエル
スキル:スキルポイント1
【破壊: 0】
【創造: 0】
【本: 1】
【風属性魔法:1】
【鑑定: 1】
【調理: 1】
【採取: 2】
【意思疎通: 1】
従魔
・白狼
技能
・テイム
・ウインドカッター
・指揮
称号
・初心者
持ち物
・ダイヤモンドの欠片x12
・林檎x15
・HPポーションx10
・MPポーションx10
・初期装備一式
――――
すると、表示された画面はしっかりと私のステータスを表していた。
最初に選んだスキルであったり、先ほど契約した白狼であったりなど、書かれてあることはある程度わかったが、最後の、技能という物は初めて見るものだった。
「技能……?」
「ん? 技能がどうかした?」
「いえ、技能って……なんだろうなぁと……」
どうやら口に出てしまっていたようで、一瞬口を噤んでしまうが、せっかくだから聞いてしまうことにする。
「そのまんまだよ。スキルとか、職業で覚えれたりする技。色々とあるからね~。しらゆきさんだと覚えているのはテイムと指揮かな」
なんと、彼は見てもいないのに当てしまうとは……覚えていたみたい。かな?
「それと、ウインドカッターというものを……」
「風属性の初期魔法だね。風を取ったのか……それだと支援とか妨害が強いよ。まぁこれはやってればわかるかな」
そんな感じで、少しづつメニュー画面をいじくりまわしながら、わからないことがあったら彼に聞いていく。彼はこんなことで退屈してないか不安だったけど、こちらをニコニコと笑って見ているだけだった。
かなり時間も経って、少しはこのゲームを知れた気がしている。
「なるほど……色々と教えてくれて、ありがとう……」
「いえいえ、こんなことなら調べれば出るしね。そうだ、お礼と言っては何だけど一つ頼まれてくれないかな?」
私が頭を下げて、お礼を述べると、彼は手を振って誤魔化す様にそう言った後、そう要求する。
「はい……まぁ、私にできることなら……」
「実は、俺。現実だと友達って呼べる友達が一人くらいしかいなくてさ。ゲーム内だけでいいから、仲良くしてくれるとありがたいかな」
「……そう……なの……」
「あれ!? そんな嫌だった!? ご、ごめんね無理にとは言わないからさ!!」
私が、それを聞いて顔を俯かせてしまったせいで、彼は嫌だったと解釈してしまったみたいで、すぐにそうして謝る。
だけど、それは勘違いだ。そうではない。
「い、いえ違うの……ただ……私もわかる……とは思うけど、人と、話すことなんて……ほとんどないような……そんな人種だから……」
「そっかーよかったよ。そこまで嫌われるようなことしたかな、って少し考えちゃった。でも、それなら俺もしらゆきさんも似たようなものだし、そうは見えないかもだけど、同じ境遇同士ってことで、仲良くしてくれるとありがたいな」
人と仲良くなる。そんなこと久しくなかった。だってあれは欺瞞の塊だ。
だってあんなものは嘘の貼り付けだ。あんなものは所詮本当のことではない。あんな……あんなものは。
だから、私は逃げたのだ。自分の世界へと。他者は存在しているが、それだけ。そんな世界。
だけど、そんな私の世界をこじ開けて入ってくる。そんな悪役が、閉じこもっていた私の前に現れたのだ。
今回だってそうだ。私一人だったら絶対に……。
恐怖はまだ残っている。
人が怖い。他人が怖い。だけど、そうして逃げていたらきっと――――。
「……時間があるとき。だけでよかったら…………」
「ほんと? やった! それじゃあこれからもよろしくね。”しらゆき”さん」
顔を合わせることはできなかった。だけれども、今の私にできる全力を振り絞って。
「………はい。”春兎”さん」
〇
この日は結局解散し、私はゲームを閉じた。思ったよりも身体が疲れ、少しだるく感じる。
暗い、カーテンのかかった部屋で私は、一定のテンポで動き続けるその時計を見つめる。
……思っているよりも疲れてしまっているのかもしれない。
そう思い目を擦って、再び時計を眺める。
「え……?」
夢ではない。その時計は、しっかりとその針で時間を指し示していた。
現在が、”午後の六時”であると。
「うそ、でしょ……っ」
頬が引き攣る。
だって、今日のお仕事全く進んでない……。
家事だって、まったくやってない。普段から、あまりやらないけど……。
「おかしい……。だって、ちょっと……ゲームやってただけ、じゃん……」
慌てて起き上がり、私は、一目散に家事をこなしていく。
とはいっても、洗濯と掃除くらいだ。
それが終わると、夜ご飯。今日はなんと少し贅沢をして袋めんに卵を乗せちゃうのだ。なんという犯罪ムーヴ。こんなの美味しいに決まっている。
「……たしか、九時……だったかな」
今日、私は通話をしないかという約束が入っている。
急いでいるわけでもないのだが、先にやれることはやってしまわなくてはならない。
ラーメンを一人、パソコンの明かりしか灯らない部屋の中。フォークを使って啜る。
「……そういや、私、お昼ごはんも、食べてないのか……」
どおりでお腹がすくわけだ。
ゲームというものがここまで時間を吸い取るだなんて、考えもしなかった。
今度からは、時間には注意しないといけない。
「……美味しい」
スープと麺。そして卵のみの入ったラーメンは、いつも通りの味がして、変わらずに美味しかった。