白テイマーさんのスキル
大晦日ですね。新年最初のうちは投稿できないかもしれないです。
ご了承いただけるとありがたいです。
よいお年を。
時間は大体お昼の三時。
ちょうどおやつの時間と呼ばれる小腹の空いてくるような、そんな頃合い。
結局、私達はスキル構成や、今後の成長方針について話し合って、たまに休憩を入れながらも話は進んでいった。
どうなったか単刀直入に言っちゃうと、私は戦闘を諦めることにした。
別にこのゲームの放棄ではない。ただ、私自身が戦闘をすることを諦めただけだ。
余っていたスキルポイントは四。つまり新しいスキルは四つまで取ることができる。たくさんのスキルがある中で、私が選んだのは魔法範囲拡大、従魔強化、千里眼の三つだった。
なぜそれを選んだのか、は簡単に言うと私に戦闘は向かない。と面を向かって言われてしまったからだ。それならば、支援に徹する方がいいだろうということで、今回みたいな構成になった。
最後の一つは、趣味スキルでも取るといいよと言われたけれど、まだ思いつかなくて、とりあえず保留することになった。
それぞれの効果は言わずもがな、字面の通りだから説明する必要はないと思う。
「とりあえず話が纏まってよかったよ。もうスキルは取るの?」
メニュー画面を見ながらひたすらに話し合っていたことで、私も春兎さんも既に疲弊し、机に突っ伏していた。
頭を働かせすぎて、すでに煙が上がっていそうだと感じるほどだ。
私がそうして一息ついている間に、春兎さんは顔を上げ、私にそう尋ねてくる。
「……もうとった」
「はっや。決まったとはいえ、悩んだりしないんだ……」
そんなことはない。無茶苦茶に悩んだ結果だ。ここまで悩んだからこそ、これでとりあえずは良いだろうと思えている。
実際、押そうとしたときにまだ指が止まったくらいだ。
「多分、大丈夫……付き合ってくれて、ありがと……」
「どういたしまして。流石に疲れたけど、楽しかったよ。今、何時だろ」
メニューを開いて現在時刻を確認する。現実の時間が見られるなんて、ゲームなのにすごいなぁ……。
「うわっ、もう三時越えてんのか、俺もう四十八時間やってんだな……」
「え……?」
なんか今、すごい時間が聞こえた気がする……。気のせい……?
「今、なんて……?」
「ん、ああ四十八時間ぶっ続けでログインしててさ、警告出てるんだよね」
聞き間違いであって欲しかった。そっか……ゲームやってる人っていうのは、中にはこれくらいが普通な人もいるんだっけ……。
「先に言おうよ……早く落ちて、寝て……」
ついでに、どうやらゲーム内で寝落ちした人は、一定時間動いてないと強制ログアウトが起こるらしく、そういった面での心配はないらしい。
だけど、こういった感じに馬鹿みたいにやり続ける人達は、運営からは警告を出す以上の対処はできないのだとか。おつかれさまです運営さん……。
「いやぁ、いつしらゆきさん来るかわかんなかったし、調理スキル上げたくてさー。とりあえずその言葉に甘えさせてもらうとするよ。また一緒にやろう」
「はい、また……」
その言葉だけ残して春兎さんはゲームから落ちていった。
正直、苦手なタイプではあるけれど、私のゲーム内唯一の知り合いであることも間違いはなく、だからこそそう誘われるのが嬉しくないわけがなかった。
「さて、と私も落ちよう……」
そして元からゲームをそんなやる方ではなく、長時間やることにも慣れてない私は十分に満足して、ゲームを終える。
ただし、いつもとは少し違う――。
私は、次のログインが楽しみで仕方が無くなったまま、ログアウトをした。
〇
今日得た知識だけで、ゲームのやりたいことが今までの数倍まで膨れ上がっていた。
今までは、わからないことの方が多く、それを体験しながら覚えていくだけだった。けれど、今は違う。やれること、わかるようになってきたこと、色々と増えて、それがやりたいことに変わっていった。こうしたら、どうなるんだろう。あんなこともやってみたいな――――。
そんな妄想が私の中に溢れて止まなかった。
今なら、ゲームに熱中しちゃう人の気持ちが、少しはわかる。そんな気がした。
ベッドの上で目が覚めた私は、しばらく天井を遠目で眺めていた。
思考が頭の中を駆け巡っていく感覚、私が一番好きなことをしている間に起こるこの感覚。心が満たされていくようで、私が私であるようで――――。
とっても、とっても好きだ。
「はぁ……」
それでも、身体的にも精神的にも疲れるのは間違いなかった。実際の身体は動かしていないはずなのに、体中の力が抜けて、酷い倦怠感に襲われている。
頭が疲れるとこうなるっていうのは、何回か経験したことがあるけれど、まさかゲームでなるとは思わなかった。
「今日はもう、なにもやる気しないや……」
起き上がることすら躊躇われる。それほどまでに私の脳は働くことを嫌がっていた。わかる、働きたくないよね。
ごろんと寝返りを打っては見るけど、それ以上はない。
目を閉じると、身体の力はさらに抜けていく。
「あぁ……駄目だ……」
わかってしまっても、この誘惑から逃れることなんてできない。
人間とはかくも罪深き人間だよ……。
そうして私の意識は途絶えた。私の口元は心安らかな気持ちになって、楽し気に笑っていた。
『しらゆき』従魔師Lv5
HP70/70 MP70/70
所持金0ジュエル
スキル:スキルポイント1
【破壊: 2】
【創造: 1】
【本: 3】
【風属性魔法: 2】
【鑑定: 1】
【調理: 1】
【採取: 6】
【意思疎通: 2】
【魔法範囲拡大:1】
【従魔強化: 1】
【千里眼: 1】
従魔
・白狼
技能
・テイム
・ウインドカッター
・指揮
・ポイズンブリーズ
・詠唱省略
・従魔獲得経験値上昇
称号
・初心者
持ち物
・ダイヤモンドの欠片x12
・林檎x28
・薬草x14
・きのこx10
・木材x30
・土x20
・スライムの核x1
・スライムの粘液x20
・毒牙x20
・毒蛇肉x3
・HPポーションx10
・MPポーションx10
・初期装備一式
・名札




