表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/36

白テイマーさんの相談

少しお話の回が続きます。


 結局のところ、纏まった話として私が身体で返す? 代わりに今持ってる分でいいよ、とのことだった。

 私が今持っていたジュエルを見せると、想像以上に少なかったのか、笑顔のまま固まっていたけど、条件の変更はなく、そのままでいいとのこと。

 お礼を言った後で譲ってもらう。これで名前が付けられるのだと、私は珍しく心が躍る。


「あっ、そういえば忘れてた。しらゆきさん契約クエストって終わってる?」


「契約……クエスト……?」


 なんだっけ? どこかで聞いた気がするけど……。


「ほら、テイムに成功したら出るクエスト。その様子だとやってなさそうだね」


 そういえば、そんなのもあったっけ。でもチュートリアル以外やってないんだから、終わってるはずないよね……。


「一応、言っておくと条件としてどうやら仮契約じゃ駄目みたいで、契約しないといけないらしいからとりあえずそれを終わらせないとね」


「な、なるほど……」


 それじゃあ、早く終わらせないと。

 そういえば、仮契約と契約だとどんな差があるんだろう? 現状だとそんな苦労してないし……。


「あの……」


「ん、どうしたの? 残念ながら契約クエストはソロクエストだから手伝えないと思うけど……」


「いえ、そうじゃなくて……仮契約と、契約……の差について、聞きたくて……」


 ソロだっていうのも、初めて知ったけど、どうせ変わらないだろうし……。


「ん、あれ説明してなかったっけ。まぁ色々あるけど、大きい差は使えるスキルが増えるのと、その名札みたいな感じで使えるアイテムが増えたり、あとそれによってプレイヤーが特殊スキルを覚えることもあるみたい」


「結構、変わるんだ……」


「まぁ、基本はやって損はないよ。っていうかやらないと大分損だし。基本的にそんな難易度は高くないはずだったから、ぱっぱと終わらせるといいよ」


「……わかった」


 とりあえず、内容を確認してみようと、私はこの間は目を通すことはなかったそのクエストを読んでいく。

 書いてあるのは、簡単に一言。結晶洞穴へと向かえ。というものだった。


「結晶……洞穴……?」


 どこそこ……?

 チュートリアルの時はあった地図はなくなっていた。なんてこった……。

 スクロールして下の方を見てみると、1/3と書いてあるのがわかる。つまり、このクエストは三部構成?

 けど、向かうだけだし、確かに難易度は高くなさそう。


「うーん……?」


 だけれども、私はそもそもこのゲームの場所の名前なんてまるで知らない。この街が手抜きで、始まりの街であるということ程度しか知識はないのだ。

 よって、そんな場所は聞いたことがない。春兎さんなら知ってるかな……?


「春兎さん、結晶洞穴……ってわかる……?」


「残念ながら、俺は聞いたことがないかな。まだ誰も見つけてないのかも……ってことは正規ルートだと行くのは厳しいかな」


 難易度が一気に跳ね上がった。

 誰も行ったことがない場所に行けとか、そんな難しいことを要求してくるとは……。

 でも、普通そんなことあるの? ……いや、なさそうだよね。


「……もしかして?」


 あそこの名前? 狼がいた洞穴。

 確かになんか結晶みたいなのはあった気がする。もしそうなら、どうやって行くんだろう。

 また林檎追いかけてたら行けるのかな……?

 そうだったら楽だし、林檎も手に入るからいいなぁ。


「ん、心当たりあるの? じゃあそこに行ってみるといいよ。もし、本当に誰も見つけてないところなら、その情報はあまり言わない方がいいかも。ジュエルにもなるしね」


「……うん。とりあえず、向かってみる」


「そうだね。これ以上用がないなら、これくらいでいっか。なんかある?」


「用事……というか、一つ、聞いておきたい……かな」


「なんでも聞いてくれていいよ。好きなタイプはしらゆきさんみたいな人かなー」


「セクハラ……?」


 運営への報告ボタンってどこだっけ……。


「冗談だから、メニュー画面を開くのやめて……」


「冗談……には、聞こえないもの……」


 正直、何回かこうして話してきて、私の中でのイメージはそうなってしまっている。春兎さんなりの接し方なのかもしれないけど。イメージの定着は仕方がない。


「うーん、辛辣。まぁいいんだよ。それで何が効きたいの?」


「ん、相談していいこと……なのかわからないけど、スキル構成……を悩んでて、どうしたらいい?」


 こういったものは自分で考えるものだと、確かそんなことをナギさんが言っていた気がする。けれど、よくわからないものはわからないのだ。色んな人の意見を聞くことくらいなら大丈夫だろう。

 そうして私は自分で悩んでいたスキル構成についてを尋ねる。

 一応の私の思いついた案と、今のスキルレベルなども含めて。


「なるほどね。まぁ俺から言えることはせいぜい客観的視点での話になるけど、それでもいいならいくらでも悩むのに手伝うとしよう。しらゆきさんのスタイルを決めれるとか俺得だしね」


 やっぱり相談する人間違えたかな、とも思ったけど。もう遅い。

 力になることは間違いないから、そこは感謝して、協力してもらうとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ