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白テイマーさん誕生

今回から週一で投稿することにしました。

VRものは初めてですので拙い部分も多々あると思いますが、どうか優しく見守っていただけるとありがたいです。


 ゴミ袋、衣類、ペットボトルが乱雑に置かれた暗い部屋。

 カーテンは完全に閉じられ、部屋に備えられているはずのその電灯もオフ状態では意味を為さない。

 そんななか、いつもの通りに宅配便のお兄さんから受け取った中身を見て、私は呆れ果てていた。


「――――本当に送ってきたのか、あの人……」


 私の名前は柊月(ひづき) 雪白(ゆき)

 通信制の学校に通う高校一年生。

 黒髪を適当に伸ばしたほぼ引きこもりで、悠々自適な生活を送っている。


 VRMMORPGというものがあるのをしっているだろうか。

 なにやら最近結構流行っており、続々とゲームやハードも出てきているらしい。

 残念ながら私はパソコンゲームしかやったことがないので詳しくは知らないのだが、最近はそっちのが主流らしい。

 今回送られてきたのはそんなVRMMORPGの「MagicSkillWorld」というものだった。

 内容は普通のMMORPGとそんな大差ないらしいのだが、なんでもできるというのが売りになっている今注目のゲームらしい。

 結構、緻密に作られていて、楽しむことができることは間違いないとか言って、私の知り合いのとある方が無理やり送ってきて、今に至る。


「……少しだけ、やってみようかな……」


 あまりゲームをしたことはなかった。

 昔よく一人でパズルゲームをやったりしていたが、高校生となった今では、そんなことをやることすらない。

 最近では趣味である絵を描くこと以外にやることなんてなくなっていた。

 本当は、今日もいつも通りに起きたらすぐに絵でも描こうかと思っていたが、チャイムが鳴ったと思って取りに行ったらこれだよ。

 別にゲームが嫌いというわけでも、締め切りに追われているというわけでもない。

 それにこれを送ってくれた”ナギさん”に申し訳も立たない。

 誰に言うわけでもないそんな言い訳を考えて、私は袋を開けていく。


 中身は、色んな機械とケーブル、あと説明書っぽいのだった。

 ひとまず、説明書を頼りに最初のダウンロードを済ませていく。

 パソコン必須って書いてあるのは最初のこのダウンロードのためらしい。パソコン含めたら高そうだなぁ……合計でいくらくらいなんだろう?

 そんなふと思った疑問を調べようとしていると、パソコンの画面にはダウンロード完了の文字が映し出されていた。


「……結構早く終わるんだ」


 一応、学生にしては自慢のパソコンだしそれもあるのかな? とか思いながらその他の設定も随時済ませてしまう。

 今の時間は……午前十時。まぁ、少しやるくらいなんの問題もないだろう。

 そういって、機械を接続しベッドへと横たわる。

 初めてのVRということもあって、かなりドキドキする。いったいどんな感じなんだろう。

 そんな気持ちを胸に、私はその世界へと堕ちていく。




 夢に入ったような、ふわふわと意識が繋がっているようないないようなよくわからない感覚の後に、意識が呼び戻される。

 気づいたら、真っ暗な何もない世界に私は立っていた。


「おぉ……なんかすごい……」


 なんとも国語力のない感想だったが、実際に体験してみるとこんなものだろう。

 きょろきょろと周りを見渡し、何かないかなど、確認してみるが特に目ぼしいものはない。


「……これどうすれば進むんだろう……?」


 こんなことなら、もう少しちゃんと説明書読んでおけばよかったと、後悔しても遅い。

 ひとまずどうにかして、進めないととあたふたしていると、急に白いメニューが現れる。


「おぉっ……びっくりした……急に現れるのやめてよ……」


 予想もしていなかったがために、私は吃驚して数歩後ろへと下がる。

 現れた画面を見ると、名前の入力画面になっていた。


「なんの説明もなしになんだ……不親切だなぁ……」


 まぁいいかと私は、普段ネット上で使っている名前を入力していく。

 『しらゆき』

 それが普段から使っている私の名前だった。なんてことはない、ただ名前をもじっただけの名前だったけど、結構長い期間使っているし、愛着は湧いていた。

 結構使われてそうな名前だし、ネットだとよくあるこの名前は既に使われていますっていうのが出るかなぁ。とも思ったけど、そんなことはなく、次の画面へと進む。


 次の画面は、職業選択画面。

 なんの職業があるのかすら調べなかったので、ここで初めて見ることになる。


「えーっと……剣士、騎士、魔法使い、狩人、冒険家、従魔師。召喚士、侍、銃士、格闘家、槍使い、斧使い…………多いなぁ最近のゲームってこんなにあるんだ……?」


 よくよく見てみると、下の方にデータの初期化をしない限り変更は不可能とも書いてあるし、慎重に選ばないといけなさそうだ。

 とは言っても、詳細とかは書いていない。名前から察することはできそうだけど、初心者に優しくないゲームだよほんと。


「剣士とか魔法使いは王道だよねぇ……」


 別に王道でもいいのだが、どうせなら変なところを選びたい。

 そう思い、候補を決めていく。


「召喚士か従魔師は面白そう……かな……」


 というか、似たようなものだしどっちも同じではないだろうか。

 どちらも一緒ならどっちを選んでも変わらないだろう。

 そうして私は、適当な語感で従魔師を選ぶ。

 次の画面は、スキル選択というものだった。

 初期で手に入るスキルは六つ。これも慎重に選んだ方がいいのかなと思ったが、レベルアップで増えてくみたいなので、適当に選んでいこう。


「色々あるなぁ、武器と魔法と探索系……?」


 そうして選んだのは本と風属性魔法、鑑定に調理、採取と意思疎通だった。

 なんか便利そうだなって思ったのを適当に取っていっただけだったけど、こうしてみると結構いい編成になったんじゃないかと思う。

 他にも取りたいスキルはたくさんあったけど、ひとまずこんなもので問題なさそう。


 ゲーム的な設定はこれで終わりだった。

 次に現れたのは見た目の設定。基本パーツは自分のものをそのままという形で、髪などの細かいところをいじれるのだという。


「へぇ、すごいどうやってるんだろ……」


 理屈なんてのは私にはわからないので、そんなことは気にしてもいけないのだろうけど、それでもぼやいてしまうくらいには気になってしまった。

 とりあえず、適当に決めてしまおうと、ポチポチといじっていく。

 髪色:白

 目の色:青

 身長:+五センチ

 いじったのはこのくらいだった。


「むぅ……身長は最大五センチまでしか変えれないのか……」


 若干自分の身長が気に食わない私は伸ばせるだけ伸ばしたかったのだが、どうやら脳への負荷が変わるとかで駄目らしい。

 仕方がないので、ひとまずこれで進めてようやく最後の画面が現れた。


「結構時間かかっちゃった……えっと最後の画面かな」


 映し出された文字は「準備はよろしいでしょうか」というものだった。

 私はそんなことは決まっていると、その画面へと手を伸ばす。


「もちろん、いいに決まってる……!」


 イエスという文字に触れるとそのまま視界が真っ白に染まる。

 そうして私は、初めてのVRMMOの世界へと入っていくのだった。

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