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星との出会い⑨

ここで、サビに突入だ! 一気に上がり調子のビートへと転じ、疾走感のあるパートにテンションが上がる!


……周囲の評価や、失敗の有無なんてどうでもいいのだ。


小鳥は夜の空で、箒星と共に飛びたいと思った。だから空を目指す。それだけだ。


向かい風に翼を立て、雨の日も空へ飛び出し、挑戦を続け……いつか箒星の輝く空へ辿り着くのだ。そのためなら、どれだけ時間がかかったって、誰に何を言われたって構いやしないのだ。


そうして、何度も同じことを繰り返す小鳥に、鳥たちの多くはいつまでも嘲笑の目を向けるばかりだったが、中には、それでも挫けない小鳥を応援するものも現れ始めた。再び、ひと時の緩やかな音程が満ちる。


そして――その時が来る。


もう何度挑んだかわからない夜空へ、今日も小鳥は翼を広げる。

懸命に空を目指す小鳥には、いつしかその姿に声援を送る数多くの仲間が出来ていた。ここで、最後のサビ部分に入る。ラストスパートだ。


度重なる挑戦で鍛えられた力量と、仲間たちの声援に後押しされ、小鳥は地上から夜空へ立ち上る一筋の流星と変じる。


小鳥は遂に夢見た箒星と並び、夜空へとたどり着く。


一筋の流星が二筋に増え……二つの流星は、夜空と大地を一層美しく照らし出すのだった――といったところで、曲は終わっている。


「『スターエイル』って曲だよ。空に向かう(エイル)……挑戦への意志を(うた)う曲であると同時に、応援歌(エール)でもある。ダブルミーニングってやつだな」


この曲が、当時ふさぎ込んでいた俺の思考を一八〇度変えたのだ。


当時の俺は、自分がイジメられるのは自分自身のせいだと思っていた。幽霊なんかが見えてしまう俺が悪いのだと。イジメは俺が受けるべき、ある種の罰なのだと。


それは間違ってはいなかったが、正しくもなかった。


『幽霊が見えること』がいけないのではない。

だってそれは、他の人よりちょっと多くものが見えるだけだ。足が速いことや、遠くの音がよく聞こえることと、何ら変わらない。


『良くない現状を変えようとしない自分』がいけなかったのだ。


そりゃもちろん、イジメなんかで心身が擦り減ってちゃ、そんな気力は起きないのかもしれない。


だが今の俺は声を大にして言える。じゃあ、ルナちゃんの曲を聴け! と。


彼女のサードシングル、スターエイルは、『周りの声なんて気にするな! やりたいことをやればいいんだ!』って背中を押してくれる曲なのだ。

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