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こんな相方は欲しくなかった⑫

「そういえば、その『手がかり』って言うのは何のことなんだよ? 言われた通り、そのことには触れないようにしたけどさ」


『ああ。コイツに関しちゃあ、正直サンファとか関係なしに探さなきゃいけねー。しかしもうお前らに頼るしかねェんだわ。俺にゃもう探せねェし』


「??? なんだそれ?」


てっきり、やられながらもサンファかもう一人の魔術師に追跡の魔法でもかけていたのかと思ったけど……どうもそんな口ぶりではない。


『手がかりってのは、魔晶だよ。まァお前らにとっちゃ慣れたモンだろ』


『魔晶……』


鎧姿のディアナがポツリと呟く。


魔晶。今となってはいっそ懐かしさすら感じる単語だ。魔素(マナ)を大量に溜め込んだ神秘の鉱石、あるいは結晶。要は大容量の魔素タンクだ。


俺が異世界召喚の憂き目に遭ったのはこれをエーテルリンク各地から回収するためで、ディアナやアイリスも含め色々苦労したのも、今はいい思い出……と言えなくもない、かもしれない。


しかし、まだ要領を得ないな。

そんな異世界の特産品とも言える魔晶が、なんで地球(こっち)にあって、しかもそれがサンファを追う手がかりになるんだ?


『魔晶たァ言ったが、正確にはちょいと違ってな。傍から見たら掌に収まるような小サイズの魔晶にしか見えねェが、その中には魔素なんぞよりも大層な御方が身を隠しててな……その方が一部始終、何があったかを見てる筈なのよ』


魔晶っぽく造ったのは俺の特技でなァ、あの天壌紅蓮も気付かなかった出来栄えの一品よ! と話すハーシュノイズ。


いやいや待て待て。


「魔晶の中に入ってって……それ、ホントに人か?」


『あ゛あ゛-? バカかお前。人間があんなもんの中に入れるワケねーだろが』


こ、こいつ……さっき自分で誰か入ってるとか言ったくせに!

待て、落ち着け俺。ここでツッコんでも話が進まない……


俺はツッコみたい気持ちを押さえつつ、話の先を促す。


「……じゃあ、入ってるってのはどこのどちら様なんだよ」


『決まってンだろが。神サマだよ』


「……は?」『……はい?』


俺とディアナが同時に疑問符を浮かべる。

仕方ない。だってこいつが何言ってんのか分かんないんだもん。


冗談か何かかとも思ったが、ハーシュノイズの表情は全くふざけていない。


そんな素面のまま、青年の幽霊が先を続ける。


『お前らに頼るしかねェってのはそういう意味よ。俺が連れていたのは、エーテルリンクを創造した神サマ。お前たち二人に神位名を授けた世界神にして、あの世界の空を司る神……天空神アーツさ』

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