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こんな相方は欲しくなかった⑤

「説明します。ここで何があったかを」


そう口火を切った俺の声に、その場の全員が耳を傾けた。






数分して、ハーシュノイズから伝え聞いた事態を全て語り終えると、耳が痛くなるほどの沈黙が周囲を満たしていた。


その沈痛な空気を破り、祭賀氏が重々しく口を開く。


「……神位魔術師を(ほふ)る、サンファ以外の第三者の存在、か」


無言で首肯する。祭賀氏は悩まし気に唸った。俺も同じように頭を抱えざるを得ない。


その第三者が何者なのか、現時点では謎に包まれているが、ただ一つ間違いないのは、その人物が、ハーシュノイズとの戦闘中、劣勢だったサンファを助太刀したということ。


すなわち、サンファの味方である、ということだ。


神位魔術師という強力な存在を手助けする人間……しかも、その人物もまた、神位魔術師級の実力を持っているだろう、という事実。そしてさらに、その人物が、『あの女王』である可能性……放置しておくには大きすぎる。


確かめる必要がある、けれど……どこから手を付ければいいのか分からない。


「知れたこと。奴を追い、それに(くみ)する者共々罪を償わせる。それだけだ」


再び頭を抱えそうになった俺の隣、李が屹然とした態度で告げる。

……他の全員が、サンファ以外にも強力な敵が現れた、という脅威に打ちのめされていた中、この武人だけが、それに抗しようとしていたのだ。


「そこな青年も神位魔術師なのだろう? ならば、敗れたとはいえあの外道にも相当の深手を負わせている筈。まだそう遠くへは行っていまい。かつ、万全の状態でないのならば、魔法で身を潜めていられるにも限度がある。追うぞ」


『待てジジイ。それは現実的じゃねえ……って聞いてンのかオイコラ! ああ聞こえねえのかアイツ止めろガキ!!』


半ば呆けたまま、公園を後にしようとする李の背中を見ていた俺は、ハーシュノイズのその叫びで我を取り戻した。ズンズンと大股で歩く武人に追いすがり、手を引っ張る。


「なんだ。このままここに居ても何も進展するまい。どころか、じきに人払いの魔法も解け、厄介なことになるぞ」


「いやまあ、そうなんだけど……ハーシュノイズが」


『るせえジジイ!! ンなこたこっちが一番分かッてんだよ!』


聞こえていないことはとうに分かっているのだろうに、李へ叫び散らすハーシュノイズ。大声で喚く青年とは対照的に、武人の表情は冷ややかだ。まあ、聞こえていないんだからそりゃそうなんだけど。


『伝えろ、ガキ! これからの指示を出す!』

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