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完成形は分かるけど到達までが不明なタイプの修行パート⑦

俺の視線を正面から受け止めた少女は、つと目を伏せてから、その双眸に深い煌めきを宿して見つめ返してくる。


「……いいよ。答えは、コレ」


そして、どこか申し訳なさそうに眉尻を下げてから、自身の栗色の目を人差し指で指差した。


「目……?」


「うん、そう。私はね、人の未来が()えるの」


その言葉を聞いて、それまでの疑問が払拭される。


初めて出会った時、その後の俺に何が起こるのかを知っているかのような言葉。

ルナちゃん自身が異世界召喚された際に、サンファの罠である響心魔装(シンクロ・デバイス)を選ばなかった根拠。


それもすべて、俺や、ルナちゃん自身、あるいは祭賀さんの未来が視えていたから。

未来に何が起こるか、その人がどんな問題に直面するか分かっていたから、それに対抗する手段を取ることが出来たのだ。


「でもね、あんまりいいことばっかりでもないんだ。視える人も視えない人もいるし、その未来が幸運なことばかり、っていうわけでも無いから」


そう言うルナちゃんは、未来視の発動は完全にランダムで、彼女の意思による自発的なオンオフは利かないのだと続ける。


「視える時はその人の顔を見たり、目を見た時に一気にダイジェスト映像みたいに流れるんだけど、一瞬でものすごい情報量が流れるから混乱しちゃうんだ。お父さんの知り合いに特注のコンタクトを作ってもらってからは、少しだけ視える頻度も減ったんだけどね」


「それって、いつから……?」


「小学生くらい、かな。もう何年も前からだよ」


ドクン。俺の意に反し、いやむしろ、無意識下の本心に従ってか、心臓が跳ねる。

俺は二重の意味で驚いていた。そんな不思議な能力をもっているなんて、という驚きと、もう一つ。


「……このことは、ファンのみんなにはナイショでお願いね? 信じられないような、突拍子もない話だけど――」


「信じるよ」


「え?」


「俺も、似たような幽霊(モノ)が見えるから」


似た者同士だったのか、という驚きとの、二つ。


俺はディアナに話して以来になるだろう、自身の霊視能力を語った。

エーテルリンクにおいては魔素(マナ)を捉え、魔晶回収に大いに役立った能力だが、アイリスでさえも、その能力を知った当初は疑いの目を向けてきたものだ。


しかしこの能力は、誰に疑われようと確かに俺の目に宿っている。

そして何より、ルナちゃんには、俺や祭賀さん、ひいては自分自身を異世界から無事に帰還させたという実績がある。


これで疑うなんて、そんなことあるはずない。

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