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揃いのアイテムって戦隊ヒーローしか持ってない気がする②

一人ぶつぶつと考察し出す魔術師に、俺は小さく溜息を漏らして頭を抱える。


「手段なんてどうでもいいだろ。ともかく、あいつはお前を狙ってる様子だった。どうにか説得してエーテルリンクに連れて帰ってくれよな」


「また無茶を言うねキミは。顔を合わせたら問答無用で殴りかかって来るに決まっているだろう?」


「そりゃ自業自得だろ」


サンファが何らかの目的のためにあの青年の意思を縛り、操っていたことは事実なのだ。何らかの報いは受けるべきなのだろうと思う。むしろそれが拳一つで済めば軽い方なんじゃないのか?


ともあれ、その沙汰を下すのは俺ではない。その被害に遭っていた当人であるハーシュノイズやスプリングロードゥナたち、エーテルリンクの人々だ。


俺に出来るのは、学校で暴れ回って無駄な災害の傷跡を残さないで欲しいと願うくらいだ。


……まあ正直、ハーシュノイズの物言いにはいくつか引っかかることもあった。


俺とディアナの現状……『黒神位』と何者かに与えられた二つ名。


ディアナの言によれば、この二つ名を授かってから新たな魔装形態(デバイスモード)が彼女に追加された。ともすれば、黒刺夢槍(レイ・ディアセレナ)などの心技が強力になっていたのも、この名前を受けたからかもしれない。


この神位名を、何故かハーシュノイズは知っていた。


全容の知れないこの神位名については、俺もディアナも、お互い以外に口にした覚えはない。正式な名前どころか、そうした名を授かったという事実さえ、だ。


更にハーシュノイズは、サンファと会う以外に、地球へ来たことに目的があるかのような口ぶりだった。それは、俺とディアナに接触することだったのではないだろうか?


そしてその命をハーシュノイズに与えたのは、他ならぬ、俺たちへ神位名を授けた神自身だったのでは――


「――ハ。ユーハ、聞いてるの!?」


「んんっ!? え、あ、アイリス? 呼んだか?」


そこまで思考に耽ったところで、視界に唐突に金髪の美少女がどアップで現れて思わずたじろぐ。


「ほら、入場受付。アタシたちの番よ。早くチケット出しなさいよ」


「あ、ああ。悪い」


いつの間にやら列は進み、俺たち四人が受付をする番になっていた。

アイリスに急かされた俺は慌ててスクールバッグの内ポケットに手を突っ込み、薄緑色の封筒を取り出す。


……かつてこの封筒には四枚のチケットが入っていた。俺の分である一枚以外、持ち主の決まっていなかった三枚が。


だけど今は。


「マスター?」


「ちょっと、早くしなさいよね!」


「手続き主であるキミが用意しないと進まないだろう。さっさとしておくれよ」


俺と同じチケットを持つ人間が、他にもいる。


異世界で多くの困難を共に乗り越えた仲間と……まあちょっと複雑な経緯と成り行きで連れ込んだ、腐れ縁の人間と、が。


思わず笑みが零れる。その笑みを口元に湛えたまま俺は、感傷にも似た奇妙な感覚を胸に……運営スタッフとみられる男性に、チケットを手渡した。

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