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ボスモンスターの攻略法⑥

「はぁー……どうにかなったか……」


空中を緩やかに駆けながら俺は独りごちた。


眼下には霊峰の木々が連綿と続いており、山の麓付近にはトレイユの国の明かりが、更に遥か彼方には雄大な自然が広がっている。遠くに見える丘陵地帯から、ぼんやりと夜明けの光が差してくるのがわかった。


異世界召喚から恐竜とのバトルなどといった怒涛の展開で認識が薄れていたが、俺、今違う世界にいるんだよなー……


日本にいた頃は決して目にすることがないような景色に目を奪われながら、無許可で俺を()び出しやがった国に、仕方なく足を向ける。流石に疲れたので休みたい。


またあの無遠慮な二人に会わなければならないかと想像し、気が重くなる俺に、ディアナが声をかけてきた。


『お疲れ様です、マスター。先の戦闘、見事な手腕でした』


「あー……いや、こちらこそありがとう、っていうか」


ディアナがいなければ、間違いなくそこで詰んでいただろう。あの首長竜を撃退して魔晶を回収するどころか、あの場から無事に逃げることすらも出来なかったと確信を持って言える。


もしそうなってしまっていれば、ルナちゃんのライブに間に合わなかった。

これから先、ルナちゃんの躍進を追うことが、応援することができなくなっていた。


そう考えると、ディアナへの恩は計り知れない。


「助かったよ。これからも力を貸してくれると嬉しい」


『……勿体ないお言葉です。貴方様と契約したとき既に、私はマスターの剣であり、翼であるのですから』


どこか照れくさそうな返答に、俺自身もなんだか体がむずがゆくなってしまう。


『と、ところでマスター。よろしければ一つ、お伺いしたいことがあるのですが』


そんな空気を払拭するかのように、ディアナが違う話題を振ってきた。

もう少し自然に転換させられないものかと余計なことを思いつつも、そんなことはそもそも俺自身ができないので口には出さずにおく。


「なんだ? 改まって」


『はい。今後の戦闘においても、これだけは伺っておかねばと思っておりましたので……先の魔晶個体への最後の攻撃時、マスターはあの角を狙うことを既に決めておられましたね』


そうだな。

あの角が魔晶を覆い隠す防具だってわかっていたし。


『マスターはなぜ、あそこに魔晶があるとわかったのですか?』


え?

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