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島の端っこって何か隠されてそう⑤

「ちょ、ちょーっと待ってもらえます!? ユーハ、耳貸しなさい!」


「んー? 何でもいいけど、早くしておくれよ」


準備しとくからねー、とサンファが魔法陣へとしゃがみ込むのを確認すると、アイリスが俺とディアナの肩を抱いて強引に円陣を組ませた。額を突き合わせて声を潜める。


「ちょっとユーハ! アンタ、このまま帰って良いワケ!? 覚えてるでしょ? フレア様の話!」


「そりゃ、覚えてるけど……二人も分かるだろ。今んとこ、あいつは何もしてないぞ」


ヒソヒソ声の傍ら、胡散臭い魔術師の様子を横目で確認する。鼻歌交じりで床面の陣に何かを書き足しているようだが、纏う魔素(マナ)に怪しい動きは無い。


何を書いてるのかは分からないが、ディアナもアイリスも何も指摘しないところを見るに、異世界への転移に関わることなんだろう。人数が増えたからその調整か何か、かな。


「そう、ですね。先日トレイユの王城で見かけた時と同じに思います」


俺と同じようにサンファの動向を見守るディアナもまた、現状では特に警戒すべき点は無いと判断しているようだ。


「……確かに、前にアタシが会った時もずっとあんな感じだったと思うけど、でもいいの? なんかこう、問い詰めたりとかしなくっても」


「いやアイリス、俺をなんだと思ってんだ。こちとらただのドルオタ高校生だぞ」


世界規模で暗躍してる疑いのある奴を告発できるようなポジションじゃないって―の。


……そりゃまあ、正直なことを言えば、気にならないわけじゃない。


ディアナとアイリスの……俺の、友達の生まれ育った世界で、良からぬことをしようとしている人物がいるって言うんだからな。俺がそういうところも気にするって、ひょっとしたらスプリングロードゥナは分かってたのかもしれない。


だけどあの時の話では別に、今この場でサンファが何かを仕出かすって意味じゃなかったはずだし。


なんだったら、ルナちゃんのライブが終わった後なら、俺のタイミングで良ければスプリングロードゥナに協力してもいいと思っている。


そんなにホイホイ行き来出来るのかは疑問だったが、あのクソイケメン魔術師の様子を見るに、そこまで難しいことじゃないようだし……あ、勿論優先度はルナちゃん関連のイベントの方が上でだけどな? 二人も来れるぞ、そうなったら。


ヒソヒソとそう答える俺に、アイリスは渋面を作って唸る。そうと分かってはいるし、俺の言葉も理解できるが、なんか納得いかない……そう言いたげな様子だ。

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