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島の端っこって何か隠されてそう③

訪れた神殿の中は静まり返っていた。


世界の果て、と銘打たれる場所として相応しい人気の無さと言えるが、つい先日のマリーネでの大宴会がまだ尾を引いているせいか、一層の物寂しさを感じさせる。


普段から人の行き来は無いのか、石造りの神殿内にはところどころに砂埃が積もっていた。

一歩進むごとに薄く舞い上がる煙を吸い込まないようにしつつ、ゆっくりと先を進む。


薄暗かった神殿内だが、奥に進むと一部の壁に火の点いた松明が用意され、辺りに柔らかな光を広げていた。道を指し示すかのような――とはいえ分かれ道などは無いのだが――松明の明かりに導かれ、大きな階段を上ると、開けた場所に出た。


そこは四方の壁が取り払われており、海を臨むことが出来る状態になっていた。


床面には縁ギリギリまで迫る巨大な魔法陣が描かれており、内側にはこれまで見た魔法陣のどれよりも精緻な紋様が施されている。陣の中央には、教壇にも似た石造りの台が一つ据えられていた。


そしてそこに立つ、見覚えのある軽薄な笑顔。


「やあやあユーハ君。壮健で何より! 久しぶりだねぇ」


「……いたのかよ」


そこには約三週間ぶりに再会する、俺をこの世界に()び出しくさった張本人、トレイユのクソイケメン魔術師サンファの姿があった。


切れ長の細目に、色素の薄い氷にも似た水色の長髪を風に靡かせる様子は、毒づきたくなる程に絵になるルックスだ。そんな美貌の顔に薄っぺらい笑みを貼り付け、朗らかな様子で語りかけてくる。


ていうかいつ来たんだコイツ。遠目に神殿見た時には、コイツの魔素(マナ)に全然気付かなかったんですけど。


「そこはホラ、転移魔法でちょちょいっとね。こう見えて私は、神位級の魔術師であるからして」


聞き覚えのあるフレーズでお茶を濁すような回答を受けた俺は、盛大に溜め息を吐いて、これ以上の追及は無駄だから止めようと思い改めた。どーせ本当のことを話す気なんて無いんだろうし。そこまで聞かせて欲しいもんでもない。


さて。気を取り直して。


俺は肩に担いでいたスクールバッグから、未だ魔晶の魔素を回収途中の魔導機器を取り出した。

機器が魔素を吸収している証拠である、淡い燐光(ブルーライト)が周囲に広がる。


「約束の物だ。これでいいな?」


サンファは俺から魔導機器を受け取ると、内部の魔晶を検分するかのように見つめた。その後、「ふ~ん?」と語尾高い独り言を漏らし、何事か機器を操作すると、より一層の胡散臭い笑顔を俺たちに向ける。


「確かに! トレイユ、ベロニカ、ガランゾ、マリーネ……四国(よんこく)の特異点全ての魔晶を回収してくれたようだね! お疲れ様!」

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