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異世界人ってみんな優秀なの?③

リラと名付けた霊剣は、ここ数日何度かあった魔獣との戦闘においても十二分に役立ってくれた。


火を噴く狼とか、多脚戦車みたいな蜘蛛が糸を吐いてきたりしたが、そのどれもを、リラは断ち切り、跳ね返してくれた。


剣と言うよりは盾みたいな使い方をしているような気もするが、どちらにせよ頼もしいことには変わりない。そのポテンシャルを俺が存分に発揮出来るように、少しでもこうして訓練しておかないとな。


道中の戦闘と言えば、一つ新たに分かった事実があった。ディアナとアイリスの響心魔装(シンクロ・デバイス)戦闘についてだ。


どうやらアイリス一人では、ディアナを夜剣以外の魔装形態(デバイスモード)に変身させることが出来ないようなのだ。単純な心素(エナ)量や響心(シンクロ)率の問題ではないらしく、時間を置いて何度試してもダメだった。


生命回路(アライブライン)に関係しているのかもしれない。だから結局、ガランゾを出てからアイリスが月神舞踏(ディアナアーツ)で移動することは無かった。


ディアナが響心魔装として十全に活躍するには、やはり俺がパートナーでないといけない、ということだ……その事実にちょっとだけホッとしたのは余談。


……俺がしばらく素振りを続けていると、外から話し声が聞こえ、談笑しながらディアナとアイリスが戻ってきた。汗を流し、さっぱりとした様子で表情も明るい。


鍛錬も丁度いい頃合か。霊剣に視線を落とすと、俺の胸中に同意するかのようにリラは一瞬明滅した。

頷いて短剣を鞘に納め、一息つく。


「お待たせしました、マスター。雨もようやく弱まってきたようですよ」


「おっ、本当か?」


洞窟の外を見る。ディアナの示す通り、土砂降りだった雨足が若干弱まってきた様子だった。

これなら明日の朝にはここを出られる位の天気になってるかもしれない。


やったぜ、とテンションの上がる俺を、アイリスが対称的に冷ややかな視線で見つめる。


「アンタ、早いとこ行かないと身体洗えなくなるわよ」


「え、あ! そうか!」


雨が止んだら、今かいた汗がそのまんまだ。


アイリスの指摘でその事実に気付いた俺は、慌ただしく洞窟の外に駆け出すのだった。

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