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異世界人ってみんな優秀なの?②

スマホから流れる音楽が鳴りやみ、ディアナとアイリスが息を切らせて動きを止める。

その練習に手応えを感じたらしく、満足げに微笑み合う二人。


「お疲れ、ディアナ!」


「アイリス様も、お疲れ様です」


汗を滲ませ、少女らはお互いを(ねぎら)う。

先日俺が夢想した、二人でアイドルユニットを組み、ステージに立つという話が、ここまで来ると満更夢物語でも無くなってきたように思える。


近い将来、きっとその時が来るだろう……そのときは、誰よりも近くでその晴れ姿を拝みたいものだ。


一人そんなことを考えていると、ディアナとアイリスが連れ立って俺の方に歩いてきていた。


「マスター。すみませんが、少々外させて頂きますね」


「言っとくけど、く・れ・ぐ・れ・も! 覗くんじゃないわよ!」


「はいはい……」


嘆息した返答の俺を余所に、二人は豪雨振り続ける洞窟の外へ出て行った。

この雨をシャワー代わりに汗を流しに行ったのだ。


いくら風呂の無い山中とはいえ、地球ではとても考えられないような所業だが、エーテルリンクには排気ガスを出す車や化学工場なんかは一つも無いから、綺麗な空気の中降ってくる雨はそう汚くも無いのかな、と強引に納得している。


戻ってきたときには、アイリスの魔法で簡単な消毒みたいなものも施しているようだし、不潔ではないんだろう……多分。


俺は、先ほどまで彼女たちがダンスステップを繰り広げていた洞窟の奥に入ると、腰に下げていた短剣を抜いた。


淡い桜色の光を纏う霊剣を握り直し、簡単な素振りを始める。


後から分かったことだが、スプリングロードゥナにより強化が為されたこの霊剣は、そのための素材にベロニカで回収した魔晶鋼が使われていた。


ガランゾを出た日の夜、魔素(マナ)を回収し尽くして発光しない筈の魔導機器が、燐光(ブルーライト)を放っていたことで発覚したのだ。


機器にはガランゾで入手した真新しい魔晶が収まっていたことと、鍛冶等の知識に明るいアイリスが霊剣を(あらた)めたことでその事実が確定した。


いつの間に抜き取ったんだよ! 断りも無く! とその時は憤慨したものの、考え直してみれば特に使い道も無かったのだし、まあいいか、という話で落ち着いた。


若干とはいえ重さが増しているので、こうして暇な時間を見つけては、身体に感覚を馴染ませるべく剣を振るっているというわけだ。

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