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いよいよチケット販売会社以外に止められない⑥







ガランゾに入国してから三日目の昼。

俺、ディアナ、アイリスは、第三の特異点管理国を出国した。


入国時に女王に連れられて通った門を、今度は三人で(くぐ)る。


「なんだかんだで、結局数日で出国しちゃったわね」


遠ざかっていくガランゾの風景を肩越しに見ながらアイリスが呟く。思わず昨日の女王との戦闘を回想してしまったのか、急に青い顔をして身を震わせていた。


俺はスプリングロードゥナは手を抜いていたと思っているが、魔素(マナ)の絶望的な差を肌で感じる魔法使いの彼女にとっては、どうにか命を繋げた、くらいの認識でいるのかもしれない。


まあ、今回もかなり運に頼った末の結果であることは否定出来ない。ディアナとアイリスが生命回路(アライブライン)を繋げなかったらどうなっていたことやら……


女王たちが不可能だと言っていた、響心魔装(シンクロ・デバイス)の二重契約を成し得たことになるのだが、どうしてそんな芸当が行えたのかは不明のままだ。


何故かディアナ自身は『二重契約が不可能』という事実からして知らないようだし。

気にはなるが、確かめる手段があるわけでも無いので放置している。


そのディアナだが、昨日の戦いの際には、女王らにサンファに係る疑いの一端を向けられたものの、今は普段通りの凛とした面持ちで俺の隣を歩いている。


そのことに安堵しつつも、拭いきれない不信感が胸中に湧き上がってくるのを感じる。


クソイケメン魔術師サンファ。俺をこの世界に召喚しくさった張本人であるあいつが、何やら世界規模で暗躍している、ということ。


その真偽もまた、今の俺では確認のしようがないことではある。だが、あの女王が言うからには満更嘘でもない、とも思う。


この先果たして全ての魔晶を回収出来たとして、俺は無事に元の世界に戻れるのだろうか?

そしてその時、ディアナやアイリスを連れ立って行けるのだろうか?


ルナちゃんのライブに、行けるのだろうか?


ふと、そんな考えがよぎるも、俺は頭を振って不安を追い出した。


もうそのくだりは何度もやってるっつーの! ここまで来てネガティブになってても何にも変わらんし!


そうさ。考えてみればライブチケットの抽選結果メールを見るときが一番恐怖だったじゃないか!

「チケットをご用意しました」の文面を見たときは、比喩でなく実際に膝から崩れ落ちたっけなぁ……よかった。ホントに。


第一、ルナちゃんのライブに参加するためには進むしかないのだ。


「よし、急ごう。ディアナ」


「はい。マスター」


「えっもう? あ、ちょっ、自分だけ月神舞踏(ディアナアーツ)はズル――後で代わりなさいよね、もう!」


気持ちを新たにし、先を急ぐ。


しかし、晴れない疑念に対する不明瞭な気持ちは、消えることなく胸の内に残っていた。

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